JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

メディア注目の栗原恵選手、岡山シーガルズで驚異のパフォーマンス

2012-12-10 14:13:44 | メディア注目選手のその後
栗原恵選手と言えば、いくらメディアが喧しく言おうと、私の中では

・ジャンプしない
・なのにジャンプサーブをしてミスする
・ブロックには真っ正面にぶつけるか大きく避けるかのどちらか
・体制の推移が遅い
・雰囲気を壊す

などと、あまり良くないイメージがありました。もちろん柳本JPAPNのエースでしたから功労者ではありましたが、エースらしく活躍していたのはWGP2008しか記憶にありません。

その栗原恵選手、ロンドンを逃して岡山シーガルズに入団。そして全く生まれ変わった姿で大活躍です。岡山シーガルズは、福田舞選手がエースのチームです。栗原恵選手はエースではありません。エースという重圧から解放され、エース以上の活躍を見せる栗原恵選手、素晴らしいです。

・ジャンプしているか?
これに関しては、フィジカルの問題もあるので、目に見えた変化は感じられません。しかし、低いながらに最高到達点でボールに触る意識がはっきりしているため、またもとから長身のため、いくらかはカバー出来ています。

・ジャンプサーブは?
栗原恵選手のジャンプサーブがミスになって何度溜め息をついたことでしょうか。それがびっくり、今季からはフローターも取り入れて安全に攻めるサーブを練習しつつ、ジャンプサーブの入る率が非常に向上しています。また、安全ジャンプサーブはレシーブしやすいのですが、栗原恵選手のジャンプサーブはロシアのガモワ選手のスパイクに似た球質で、なかなかレシーブし難いです。

・ブロックへの対応は?
たまに昔の癖が出ていますが、岡山シーガルズで学んだ助走と打ち方が出来ているときにはかなり決まっています。今はブロックを攻めながら避ける段階。今後ブロックを利用する打ち方も学べば、昔のようなドシャット&フェイントは減るでしょう。

・体制の移動は?
岡山シーガルズでは、おおざっぱですが前衛ではレシーブから外れ、後衛ではスパイクから外れるため、この苦手が表面化していません。全日本を見据えると微妙ですが、グラチャン2009韓国戦のように0.5枚で入る分には問題ないでしょう。

・雰囲気は?
これが一番目立つ変化かも知れません。こんなに笑顔の栗原恵選手を見たことがありません。充実した選手生活を送れているのでしょう。

この調子で成長すれば、もしかすると来年度には全日本で2枚替えとそれに続くピンサでの出場があるかも知れません。温かく見守りましょう。

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私も良くないイメージを持っていました (trefoglinefan)
2012-12-12 01:22:41
 JMさん、実は私も栗原には鈍重なイメージがあって、余り良い印象がなかったのです。それが「シーガルズに入団」と聞いたとき、余りにも水と油みたいでしたから本当に驚きました。勘弁してくれ、と思ったくらいです。
 でも会見における記事を見て、河本監督の熱意、そしてそれに応えようとする栗原の意気込みと謙虚さ感じ、肯定的に捉えるようになれました。
 そうして迎えたリーグ戦、栗原が見違えるくらいに良くなっていて、これまた大変驚いた次第です。このパフォーマンスをもう1年早く見せてくれていたら、ということが悔やまれます。
 きっとまだ改善途上だと思いますので、奇蹟の全日本復帰を是非目指して欲しいと思います。山口より1学年下で年齢的には厳しいでしょうが。
返信する
trefoglinefanさん、 (JM)
2012-12-12 13:54:19
コメントありがとうございます。

私も栗原恵選手のシーガルズ入団には驚きました。さらにここまで変貌するなんて、想像すら出来ませんでした。

あとは、酷使されずに息の長い選手生活を送れることを祈るのみです。

ただ一つ心配なのは、シーガルズはバックアタックを使わないことです。後衛が守備に特化することで前衛の攻撃テンポを早める作戦ですし、栗原恵選手はバックセンターではなくバックレフトを守っていますよね。出来ればバックセンターからのパイプを見てみたいですし、それが無理でも福田舞選手がBクイックに入って栗原恵選手がバックレフトから打つコンビなどにも期待したいです。やはり全日本のレフトにはバックアタックが求められますからね。

いつか、今回のような記事を狩野舞子選手についても書けるような日が来ることを願っています。
返信する
選手チャレンジリーグの観戦をしてきました (trefoglinefan)
2013-02-02 11:33:31
 JMさんお久しぶりです。27日リヴァーレが富山に来ていましたので、観戦してきました。プレミアとの力の差を実感してきたのですが、江畑はチャレンジのなかにいて、よくあれだけのパフォーマンスを維持できていると思いました。実際に格が違いますよね。
 ところで岡山では山口も怪我から復帰しましたので、これからは栗原との相乗効果が見られるのではないかと期待しています。栗原のファンは「山口の所為でロンドン五輪に出られなかった」と盛んに言われますし、更に石田のファンは「山口の代わりに石田が出ていれば良かった」という(こういうことを言う人は石田のファンかどうかさえ怪しいが)のさえ、数多く目にします。いったい何を根拠に言っておられるのか、私にはさっぱり見当がつきません。
 栗原や石田は山口とともにコートに立てば、全日本女子がとてつもないパフォーマンスを発揮できる組み合わせだと、私は思っているのですが。
返信する
trefoglinefanさん、 (JM)
2013-02-02 19:24:31
コメントありがとうございます。

確かに江畑幸子選手がチャレンジにいることは驚きです。もしかすると、チャレンジだと苦しいハイセットが多く、そういった球の処理に慣れられるのかもしれませんね。リーグ序盤は調子が悪かったそうですが、今はまた上向きになっているのでしょうか?

栗原恵選手や石田瑞穂選手が山口舞選手のためにロンドンに行けなかったというのは、私も理解できないです。ポジションや役割が違うわけですから。栗原恵選手や石田瑞穂選手が裏レフトに入ったとき、ライトの山口舞選手はより一層活躍できると思います。そもそも、裏レフトがサーブレシーブに参加できれば、S1の問題も無いわけですから。あの時は、S1で山口舞選手をLに走らせるパターンや山口舞選手B荒木絵里香Lのパターンなど、いろいろありましたよね。栗原恵選手が居なくなって、突然山口舞選手がレフトから打てないという問題が表面化しました。栗原恵選手の復活を一番待ち望んでいたのは、山口舞選手だったかも知れませんね。山口舞選手の実質的なデビュー戦になったグラチャン2009韓国戦では、裏レフトの栗原恵選手とライトの山口舞選手がうまくサーブレシーブを負担しあって大活躍でした。さらに、山口舞選手の動きで栗原恵選手が楽に打てていたのも見ていて気持ちよかったです。またあのコンビを岡山で見てみたいです。そのためにも、山口舞選手は是非ライトで復帰して欲しいですね。岡山ならライトセンターの区別はどうでも良いかも知れませんが(笑)

ロンドンに話を戻しますと、前半で山口舞選手をちらつかせながら、決勝トーナメントで予想外の新鍋理沙選手を出して、さらに最終戦まで新鍋理沙選手のレフト打ちを隠し通せたのが勝因の一つでした。新鍋理沙選手を隠し通すためには、それまでずっとライトのレギュラーだった山口舞選手が必要だったのではないでしょうか。また、そういった駆け引きに関係なく、栗原恵選手は体調面で出場不可能だったように思います。石田瑞穂選手に関しては、悲劇としか言いようがありません…。

ただ、個人的には、山口舞選手の全日本は2012年が集大成かな、と思っています。福田舞選手が山口舞選手の拡大コピーになってくれると面白いと思っています。ブロード系ライトやクイックもでき、レフト打ちも強烈ですから。福田舞選手と新鍋理沙選手が前衛で自在に左右を入れ替わる形、面白くないですか?
返信する
福田のライトは見てみたいですが (trefoglinefan)
2013-02-10 17:45:05
 レフトでもいいのですが、攻撃面では全日本一のアタック力があってしかもブロードこそが得意ですから、面白い存在ですよね。ところがなのです。スピード、高さ、守備力どれをとっても山口に見劣りしますよね。下手したら山口以上に使い勝手悪い選手になりはしないか、心配な面はあります。迫田並みとはいかないまでも、江畑並みのバックアタックがあれば、木村の対角で使ってもらえるかも知れませんが。
 福田って山口と同年代ですよね。もっと早く開花していればと思います。リオまでパフォーマンスを維持できるものでしょうか。
返信する
trefoglinefanさん、 (JM)
2013-02-13 15:29:54
コメントありがとうございます。

山口舞選手の使い勝手の悪さの第一要因は高いトスが打てないことですから、その点を得意としている福田舞選手なら十分に山口舞選手の拡大コピーになり得ると思っています。新鍋理沙選手がいれば、サーブレシーブの悪さは表面化しないですし。

バックアタックは、なぜもっと打たないのでしょう。単に福田舞選手の全日本入りだけではなく、宮下遥選手の全日本入りを見据えても、もっと福田舞選手のバックアタックを使って欲しいです。ただ、岡山独特の守備隊形を考えると、バックアタックを使いにくいのは仕方がないかも知れませんね。
返信する

コメントを投稿