JMのバレーボール観戦記

テレビのバレーボール解説では触れられない戦術面や選手個人の特徴について、「全員応援」の立場から語ります。

東レ、3位だが…。

2013-04-17 17:26:20 | 用語解説
男子の3決は東レが勝ちました。本来東レファンの私ですから喜びたいところですが、こういった勝ち方になるくらいなら、負けても良いのでもっと良い試合を見たかったです。サントリーが弱すぎた。東レも不可解なバレー。サントリーが負けただけの、内容がない試合でした。

サントリー

・スーパーエースのウォレス選手がセンターに
これには驚きました。こういった器用さは、私は大好きです。しかし、この意図は何でしょうか?あまり積極的な意図が読み取れませんでした。Aパスが返ればウォレス選手のクイックも本職並でしたが、やはりセンターはBパスからでも囮や縦Bやセンターセミに入るのが仕事です。こういった所まで徹底できていたわけではなく、結局ウォレス選手はスーパーエースの位置に戻されました。

・なぜか育成モード
サントリーは、レフトポジションも、ベテランではなく普段控えの選手を試すモードでした。スーパーエースには栗山雅史選手が入り、普段控えの中できちんと活躍できたのは栗山雅史選手だけでした。

東レ

・センターを使わない
近藤茂選手のトスワークは、またもやレフト偏重に。センターを使わないなら、いくら速いトスでもレフトに2枚付きます。それなのに、速いトスにこだわり、打点が低くなる場面が多かったです。当然レフトバレーもしっかりとしたスタイルですが、レフトバレーにするなら、レフトバレー向きの高いトスを上げるのがセオリーのはずです。

・ボヨビッチ選手不調
ここ最近不調が続いているボヨビッチ選手が、3決でも不調でした。不調な上に、トスが前後左右にぶれていたため、空中で無理な体勢で打ったりと、非常に苦しそうでした。ボヨビッチ選手にまともな控えが居ないのが、東レのチームとしての弱点のように思います。サントリーのように控えのスーパーエースをきちんと用意するなり、パナソニックのようにトリプルレフトを準備するなり、来シーズンは何らかの対策をして欲しいです。

と不満をたらたらと書いてしまいましたが、こういった試合になったのには、怪我やフィジカルの不調などもあったのだと思います。本来ならもっと躍動できた選手達であり、そのワーストゲームが3決に重なってしまっただけでしょう。シーズンを通してみれば、サントリーにも東レにもたくさんの感動をもらいましたから、両チームの来シーズンでの活躍に期待です。

岡山、本来のバレーで3位に

2013-04-15 20:40:25 | 用語解説
岡山がやりました!念願の3位です。この試合は、贔屓目無しで見ても、やはり山口舞選手の復調が大きかったです。

両チーム合わせての最多得点となった山口舞選手は、空中の横移動でブロックを外すブロードとタイミングを外すクイックで、NECのブロックの裏をかき続けました。特に凄かったのは、Cワイドのストレート側に2枚ブロックがついたにも関わらず、空中で2枚ブロックを振り切り、ロングCワイドのクロス側を超クロスで抜いた場面。空中で2枚ブロックの横幅以上を移動しています。これは、世界には通用しなくなりましたが、国内ではまだまだ健在です。男子バレーでも女子バレーでも、センターが最多得点という話は聞きません。それを170ちょっとの選手がやっているわけですから、凄いの一言です。

また、宮下遥選手も、攻めのトス回しを継続出来ていました。普段使わないバックアタックをあの場面で使うハートの強さにも感動しました。ライトから2段を打ったり、大事な場面でツーを使ったりと、高さを活かした攻撃的プレーも素晴らしかったです。さらに、福田舞選手は、なんとセンターとして出場するシーンも。セミファイナルでは、レフトとライトを兼任していましたし、器用な選手ですね。福田舞選手も、調子が良ければ最多得点に輝く可能性があった選手だと思います。

NECは、持ち前のブロックとレシーブの関係を、シーガルズらしい攻撃で無効化されてしまったのが、敗因の一つです。シーガルズは、タイミングを外してブロックを避ける際、徹底的に遅い方に外しました。これによって、NECはブロックのタイミングを後らさざるを得なくなり、それによってレシーバーの位置取りが甘くなってしまったのです。そうやって硬くなったレシーバーの間にフェイントを落とされたりと、この点ではシーガルズの圧勝でした。

本来のバレーを出来たシーガルズと出来なかったNEC。その差が勝敗に結びついたように感じました。

ところで、イエリズ選手は来シーズンはどうなるのでしょうか。良い選手なだけに、来シーズンも日本で見たいと思っています。

圧巻のMVP ペピチ選手のインタビュー全訳

2013-04-14 19:03:33 | 用語解説

Well, we proved that we are the best team currently. Maybe the Panasonic team... my conglatulations to them also. They did a very good game. They were playing without the first opposite, so that was kind of a problem for them. But anyway, we proved that we are the best team right now, and I'm very happy because... even when I was coming here, I was watching some videos from last year and I saw that this team has potential and good for us. We managed to win the gold medal, so I'm really really happy.

私たちが、現時点で最強のチームだと証明できました。パナソニックチームも...パナソニックにも、おめでとうと言いたいです。とても良い試合をしていたので。正オポジット無しでの試合だったので、大変だったでしょう。でもとにかく、私たちが最強のチームだと証明できました。とても嬉しいです。なぜなら...というか、私が堺に移籍を決めたとき、昨シーズンのビデオなどを見ていたのですが、このチームならいけるな、とはっきり思いました。本当に良かったです。金メダルを勝ち取れて、本当に本当に嬉しいです。

通訳
...忘れました(苦笑)


Shy boy, shy boy.

もう恥ずかしがり屋なんだから~

What, from where?

何を忘れたの?どの文から忘れちゃった?

とドタバタしていましたが、この量の同時通訳は難しいですよね。忘れるので普通だと思います。

それにしても、ペピチ選手は英語を間違いませんね…。英語でジョークまで言っているし。ボヨビッチ選手もそれなりに英語が上手いし、イゴール選手もイタリア語で普通に話しています。世界で活躍できる選手の条件の一つかも知れません。

圧巻のMVP ペピチ選手インタビュー全訳

2013-04-14 18:43:08 | 用語解説
Q
おめでとうございます


Thank you, but I would disagree. I think the whole team deserves this award.
ありがとう、でもそうじゃなくて、チーム全員がMVPに値すると思います。

Q
1年目でこのMVPという栄誉、どうでしょうか?


Well, I feel happy, of course. I'm really glad that I managed to do this. I didn't expect that this kind of result is (正しくはwas) going to be at the end. But, of course, I'm very happy and I will try to repeat it next year.

もちろん嬉しいです。成し遂げられて本当に嬉しく思います。最後に結果がこうなるとは思っていなかったので。でも、もちろん、とても嬉しいし、来年もこうなるように頑張ります。

Q
ペピチ選手から見て、堺ブレイザーズというチームはどういうチームですか?


Well, we proved that we are the best team currently. Maybe the Panasonic team... my conglatulations to them also. They did a very good game. They were playing without the first opposite, so that was kind of a problem for them. But anyway, we proved that we are the best team right now, and I'm very happy because... even when I was coming here, I was watching some videos from last year and I saw that this team has potential and good for us. We managed to win the gold medal, so I'm really really happy.

続く

堺、対応力でV

2013-04-14 17:56:40 | 用語解説
堺がやりました!インタビューであったように、クラブチームとしての優勝には意味があります。男子は東レファンの私ですが、今日の堺には十分楽しませてもらいました。

・パナソニックのサーブ戦術と堺の対応力
パナソニックは、石島雄介選手にサーブを集めることはなく、対角の千々木駿介選手にサーブを集めました。これで千々木駿介選手を潰すと同時に、石島雄介選手にフォローに入らせて石島雄介選手の守備範囲を広くし、そこに勝負所で強打していく作戦だったのでしょう。それが上手くはまったのが第1セットでしたが、そこで終わらなかったのが堺の対応力です。堺は千々木駿介選手を伊藤康貴選手に交代し、完璧にカバー。全くドタバタせず、完璧な対応力でした。パナソニックが予想だにしていなかった対応力に、逆にパナソニックがバタバタする展開になってしまいました。

・ジョンパウロ選手へのトス
これがパナソニックの歯車が狂い始めたきっかけです。ジョンパウロ選手へのトスの高さがバラバラ気味に。それが、ジョンパウロ選手がバックライトを打つローテや前衛2枚のローテなど、苦しいローテで特に顕著になってしまいました。

・福澤達哉選手のサーブミス
全日本でも見飽きていますが、これが確実に流れを切り刻んでしまいました。

・バックセンターの戦略不足
見どころの記事でも紹介したように、パナソニックは変速ローテですから、バックセンターやバックライトを戦略的に使うのが難しくなります。今日のバックセンターの戦略不足は、まさに自分達のシステムで自分達の強みを消しているように思いました。

・何といってもペピチ選手!
今日のペピチ選手は、本当に凄かったです。どんなトスでも、そのトスの良い所を全面に出すスパイクです。左にそれたレシーブからの長いトスは、その高さを利用して広い視野で打つ。右にそれたレシーブからの短いトスは、そのトスのフンワリ感と速度を利用するために上から迎えるように打つ。また、ブロックも一人だけ突出していました。納得のMVPでした。この後、ペピチ選手のインタビューの全訳をお送りします。