9:00スタート。
いつものようにスタート直後はごった返して、走れる状況ではない。
しかし、暫く歩いた後、コースの道幅も広く「NAHAマラソン」ほどの参加人数でもないせいか、すぐに走れる状態に。
いつものようにペースを抑えて、ハーフ地点で2時間20分くらいを目標に走り続ける。
勝連あたりまで平坦な道が続き、それからちょっとしたアップダウンが連続で襲ってくる。
くまさんは息が上がり始めたが、それが彼の走りのペースだと分かっているので、そんなに気にはしなかった。
私は下り坂を下るときに、右ヒザに多少違和感はあったが、痛みはなかったので気にせず走り続ける。
2mほど前に殆んど同じペースで走り続けている2人組の女子高生(?)がいた。
その1人のTシャツの背中に
夢は逃げない
逃げているのは
いつも自分だ
そう書いてあった。
くまさんと2人で「うんうん そうそう」と妙に納得しながら、走り続けた。
15km地点ぐらいだっただろうか、道沿いのガソリンスタンドでギターを引っ掻き鳴らして、歌を歌いながら応援している男性の姿が。
しかし、悲しいかな音程ハズシまくり。
「し~んぱ~ないないからねぇ~♪」
って、オマエが心配じゃ~!と思うが先が声に出すが先か
「頑張ってぇ~!負けるな~!しっかりぃ~!」
と、走りながら彼に向かって叫んでいた。
周囲のランナーも同じ思いだったのか、彼に励ましの言葉をかけ始めた。(笑
彼の前を走りすぎた後、暫くして後方から「最後に愛は勝つ~
♪」と鶏の首を絞めたような声がコダマしていた。
つーか、“愛は勝つ”て。24時間テレビか。
徳さん泣いてんのか。
そんな残念な声援に後押しされながら、ランナーは黙々と走り続ける。
20km地点あたりで自転車に紅型ちっくな幟を立てたsatoyan発見。
キミ、そんな幟いつの間に仕込んでたん?(笑
ゼリーなどを口に入れながら、今後の合流地点などを確認。
そして、コースへ戻る。
そして、ハーフ地点過ぎ。
長い坂道がランナーの気持ちを折りに掛かる。
延々と続くアップダウン。
ボディーブローのように徐々に体力と気力を奪っていく。
26km地点(知花交差点)で再びsatoyanと合流。
ゼリーなどを口にし、次の合流地点を確認後、コースに戻る。
28kmあたり、嘉手納基地に入る手前の長い上り坂の後の下り坂で左ヒザの古傷が急に痛み出した。
右ヒザを無意識のうちにかばって走っていたらしく、その分、左ヒザに負担をかけていたようだ。
嘉手納基地に入る手前で、一旦、足を止めて屈伸などしてみる。
なんとか我慢できる痛みだ。
ちょっと遅れてきたくまさんとゲート前で合流し、嘉手納基地内へ。
早速、バカ騒ぎのアメリカ人の迎えられる。
「っせーよ!外人はよぉ!」
そう言いながらもハイタッチで返す。
嘉手納基地の中は思った以上に広かった。
ホントに贅沢な土地の使い方をしている。
今日は基地の中を走らせてもらっている。
日本の中のアメリカか・・・。
何か複雑やね。
嘉手納基地に入って間もなく、くまさんの足がつりはじめた。
暫く足を止め、エアサロンパスでその場を凌ぐ。
嘉手納基地を出たところでsatoyanと合流のはずだったが・・・。
あれ?satoyanがおらん。
どうやら俺らのペースが狂い始めたらしい。
(後で聞いた話では、俺らのペースが意外と速かったらしい)
ま、どこかで逢えるやろ。
そう思い、目の前に延々と続く坂道に気持ちを集中する。
33km手前で、くまさんの足がまたつりだした。
暫く足を止め、回復を待つ。
私の左ヒザもそろそろ限界かっつー感じだったけど、何とか騙し騙し走り続けた。
長い上り坂を終え、今度は延々と続く下り道で、いよいよ左ヒザが全く言うことを聞かなくなった。
先を走るくまさんとの距離も目立つようになってきた。
上りは大丈夫だが下りでは踏ん張りが全く利かない。
足を止めるインターバルも段々と短くなってきた。
暫くして、5時間のペースランナーが追いついてきた。
くまさんは私の意を察したのか、振り向きもせず、そのまま5時間ランナーに必死でしがみついて走って行った。
38kmあたりで足が完全に止まってしまった。
暫く歩道に座り、無駄だと分かりつつも左ヒザにエアーサロンパスを吹きかけまくる。
立ち上がるのも億劫になってきたが、下り坂以外は何とか走れる。
気持ちを切り替え、下り坂は全て歩くことに。
40km手前の最後の下り坂を歩き終え、あとはひたすら走り続ける。
41kmあたりで情けないやら何やらで涙が溢れてきた。
そして、競技場へ入り、足を引きずりながらトラックを1周し、ゴール。
先にゴールしていた、くまさんが待っていてくれた。
「すまんかったねぇ 一緒にゴール出来んで・・・・」
握手をしながら、震える声でそう言うのが精一杯だった。
くまさん、今度は笑顔でゴールしましょう。