Cafe シネマ&シガレッツ

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★エデンの東

2006-11-16 | 映画50年代
青春映画といえば西に「太陽がいっぱい」東に「エデンの東」(1955/米 監督:エリア.カザン)
「エデンの東」はビデオで何回か見た事がありその都度感動していました。
ところがそんなモンじゃない!!大きなスクリーンで見た時には、その絵の美しさにびっくり!特に、ビデオでは感じなかった、豆畑のシーンの良い事!忘れられないです。ジェームス.ディーン演じるキャルの仕草や表情の生き生きしていて可愛いい事!生えてきた豆の芽の美しさ!その後の展開を知ってるだけに、涙ポロポロ。最初にタイトルなんかと出てくる“シネマスコープ”ドーン!はダテではなかった。
今春行われたT市映画祭に感謝です。

20世紀初頭、第1次世界大戦に入る頃のアメリカ、カルフォルニアが舞台です。大きな農場が広がり、たまに小さな街があるような。
世間知らずの善人の父親。生まれた時に母を亡くし、その善人な父親に育てられた双子の兄弟、アローンとキャル(ジェームス.ディーン)。兄のアローンはいわゆる善い子、厳格な父の言う事を素直に聞く優等生。裏を返せば、他人の心を考えず正当な事を他人に押し付けるイヤな奴。キャルはその真逆。父親はアローンばっかり誉めて、寂しさや反抗から暴走するキャルの行動は理解不可能。キャルは父親から愛されたいくてたまらないのにいつも裏目。可愛そうな事に、父とアローンは善人.自分は悪人という図式が、キャルの頭には植え付けられたいる。
そんなある日。キャルは死んだはずの母親がモンタレーという割と近くの街にいるという話を小耳にはさみ訪ねる。母は娼館を営んでいた。キャルは自分の中の悪人の血は母譲りだと確信する。
この後。キャルの父親に愛されたいがために一生懸命自に頑張る姿は涙ぐましい。
高い理想を掲げ冷凍保存の野菜に手を出した父親の、冷凍レタスを乗せた列車が事故で壊滅。そのためほとんど破産状態。父の痛手を、戦争が始まり高騰するだろう豆で儲けようと、大人でもないくせに知り合いをかけずり回る。資金繰りのために母に頭を下げる。生えて来た豆を楽しみに毎日見にゆく。父の誕生日に損害額と同じだけプレゼントしようと内緒で。父が自分を認めてくれるだろうとワクワクしながら!
でも、そのパーティーの日。父は、戦争で儲けた金は受け取れないと拒否。婚約者のアブラと「結婚の意志を決めた」という兄アローンのプレゼントは最高の贈り物だと喜ぶ。何回観てもこの後のキャルの嗚咽には涙出ます。あんまりだ。分かってやれよ~、石頭!可哀想すぎる!
そして、キャルの爆発!冷えきって冷酷になった彼のとった行動は。。。亡き母は美しい天使になったと信じているアローンへの復讐=彼に現実を見せる事。
この時の母親の「キャル。。。(やっちゃったね)」の顔は印象的です。
アローンは、自虐行為に陥り軍隊へ。それを見た父はショックで脳卒中。キャルは旧約聖書の話のとおり街を出ようとするが。。。そして感動のラスト。やっと。。。やっと。。。

アーロンの婚約者アブラは、初めはキャルを怖がっていたのですが、だんだん好きになっていきます。二人のシーンは綺麗。
黄色い菜の花畑で、過去の父との角質を語るアブラ。
夜の遊園地の観覧車で、キャルに悩みを打ち明けるアブラ。思わずキスする二人。
屋根によじ登り、窓越しに秘密を打ち明けるキャル。
どこも、キャルの切ない心持ちを分かってくれるアブラがいて、心動かされました。

ジェームス.ディーン見てると、いたいけで可愛くて愛おしくてたまらない!何で3本きりで死んじゃったんだよぉ!あの眼差し、あの仕草、あの笑顔、もっともっと見たかった。





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