「『手段』は何か?」(2024/11/11)
「『過半数』 獲得できる 可能性 上昇させる 『手段』は何か?」-。
きょうもごく普通の多くの人たちが日ごろから疑問に思っていてもなかなか現実味を持って考えることができない「素朴な疑問」について、あえてありがちな物の見方とは少し違った角度から物事を考えてみることにしようと思います。どこかの国の衆議院で与党側が過半数割れしたためにこれからは与野党間で政策的な議論が活発になるようなことがマスメディアなどでは言われています。もちろん「全国民を代表」する国会の中で政策的な議論が活発になればいいとは思います。しかし、残念ながら、もしも政策的な議論が活発になることがあったとしてもおそらくその状態がそれほど長く続くことはないのだろうと思います。
最大の理由は、来年2025年7月に行われることになる参議院選挙です。あくまでも一般論ですが、選挙が近くなればなるほど、選挙のためのアピールが活発になり、その結果として与野党間の政策・法案ごとの政策協議は成果が期待できない状態になっていくと思われます。そのように考えるのならば、政策的な議論はそれほど長くは続かない可能性が高いのです。そしてあくまでも仮定の話ですが、もしも参議院選挙でも与党側が敗北して参議院でも過半数割れすれば、衆参両院で与党側が過半数の議席を確保することができないという状態になるわけですから、今現在の与党側が野党に転落する可能性は今現在よりもはるかに高まるはずなのです。今現在の与党側がこのまま黙って衆参両院で過半数の議席を失う可能性が高くなる選択肢を選ぶことになるのでしょうか? おそらく今現在の与党側はあらゆる手段を尽くして野党転落を防ごうとするのではないかと思います。まずは今現在の与党側としては1つひとつの政策・法案ごとに時間をかけて政策協議をしないで済ますことができるように何とかして衆議院で「安定的な勢力」を形成しようとするはずなのです。今現在の与党側が参議院選挙で「実績」としてアピールしたいと考えるどのような政策も衆議院で過半数の賛成を得ない限り「実績」にすることはできないということにも注意が必要になります。さらに言えば、今現在の与党側が参議院での過半数割れを防ぐための有力な「手段」の1つとしては、あえて参議院選挙のタイミングに合わせて再び衆議院を解散して「衆参同日選」に臨むということも十分に考えられるのです。もしも今現在の与党側が「衆参同日選」にすれば自分たちの「組織力」などを最大限に活かすことができて有利になると判断するのならば、「衆参同日選」は過半数獲得のための有力な選択肢になるのだろうと思います。その上で、あえて付け加えるのならば、今現在の与党側の目論見が外れて衆参両院で今現在の与党側が大敗した場合には、今現在の野党側の中から衆参両院で過半数の議席を確保した政治勢力が政権交代を実現することができるようになる可能性もあるわけです。いずれにしても先送りすることが許されない参議院選挙が近づけば近づくほど、与野党間の政策・法案ごとの政策協議は低調になっていく可能性が高く、与野党間の政策的な議論は一時的に活発になることがあったとしても残念ながらそれほど長く続く可能性が高いとは思われないのです。きょうのところはあえてそのことを指摘した上で強調するだけにとどめることにしておきます。