ほんちゃんの古寺巡礼

仏像めぐり(見仏)、御朱印集めの軌跡を記す、古寺巡礼ブログです。

播磨の法隆寺へ向かう

2006-10-28 12:45:36 | お寺レビュー
今回は鶴林寺(2006/09/25拝観)。
播磨の法隆寺と呼ばれる聖徳太子ゆかりのお寺です。

加古川駅で降り立ってタクシーに乗ること10分ほど。
家庭菜園が趣味の運転手さんと話をしているうちに仁王門へ到着。
せっかく植えた葉物をことごとく虫に食われるとぼやいておられました。
新芽はやわやかくて美味しいもんねえ。

月曜日の昼、ひろーい境内をほぼ独り占めでした。
本堂内陣の五仏は60年に1度のご開帳で次回は2057年(!)。遠いなあ。
桧皮葺の太子堂では、格子戸に鼻の頭をつけて釈迦三尊と対面。
厨子に入っている聖徳太子像は春のお彼岸の時期に開帳されるとのこと。

そして、仏像をもっとも身近に感じられた場所は、
江戸時代に建てられた新薬師堂です。薬師三尊プラス十二神将が待ってます。
諸像が制作された年代は江戸ではなく、鎌倉~室町である模様。
御堂が開放的で仏像が生き生きしているのが何よりも良いですね。
ちなみに、ここの摩虎羅大将はウインクをしている仏像として
トリビアに出演された経験をお持ちです。
さらに宝物館で「アイタタ観音」とご対面。
白鳳期の金銅仏です。出で立ちは宇宙人系。
外国にも日本代表として度々お出かけされてます。

いい建物にいい仏様が目白押し。
もしも、京都や奈良の真ん中にこの寺があったなら、
きっともっと賑わっているんでしょうなあ。
鶴林寺本堂鶴林寺御朱印「医王殿」

湖東三山巡りその3:百済寺

2006-10-09 18:31:14 | お寺レビュー
湖東三山フィナーレは百済寺(2006/09/23拝観)。
金剛輪寺からシャトルバスに乗って15分ほどで庭園脇の駐車場に到着。
御朱印やスタンプを求める団体客で本坊の受付はごった返していました。
さすがに二人で捌くのは無理があるかも。
とはいえ、自分たちで渋滞の一因を作っているにもかかわらず
怒鳴り散らす団体客は感心できませんね。

朱印帳を預けて本堂を参拝。
僧坊の跡を脇目に見ながら石段を登りきると、
仁王門で二足の巨大なわらじがお出迎え。
その先が唐破風付き入母屋造りの本堂です。
内陣では住職が自らお寺の成り立ち、ご本尊の由来などを案内くださいました。

ご本尊は植木観音の名にふさわしく、一木造の見事で巨大な十一面観音です。
ガラス玉の飾りを随所に身に付けているので、私には貴婦人のように見えました。
台座から頭のてっぺんまで3.2m。
下から見上げていると倒れてくるのではないかと錯覚するほど。
そして住職いわく、このたびご開帳を行なうにあたり、
博物館の専門家にライティングを依頼したところ、
また違った一面が見えて驚いているとのこと。
制作した仏師の腕が立つのでしょう。

ご本尊は文化庁から解体修理の打診を受けているそうで、
まずご開帳を優先させて簡単な補修を済ませたものの、
住職もご開帳終了後に本格的な修理を検討しておられる様子でした。
このような仏様たちをきれいな姿で後世に伝えることもまた、
今を生きる私たちの使命のひとつなんですよね。
百済寺御朱印「植木観音」

湖東三山巡りその2:金剛輪寺

2006-10-08 20:15:01 | お寺レビュー
湖東三山第2回は金剛輪寺(2006/09/23拝観)。
西明寺からシャトルバスで10分。黒門をくぐり受付に朱印帳を預け
(※ここのお寺は参拝の間に記帳してくれるシステムをとってます)、
さらに華楽坊の精進料理で腹ごしらえを済ませて本堂へ。
千体地蔵を脇目に見つつ、長い石段をせっせと登りに登ってやっと到着。

本堂に上がって厨子内のご本尊と対面。
生身だ血染めだ行基作だと評判の観音像は、たしかに荒彫りの作品です。
時代は大きく異なるけれど、円空仏のような風合いを感じました。
制作途中と揶揄されることもあるようですが、ひとつの形態として大アリですね。
厨子をよく見ると、ご本尊のほかに、もう一体小さな観音像が安置されています。
応仁の乱が起こった際に京都の寺から預かったものだとか。

そして、須弥壇の裏に回ると一枚の写真が。
正体は、廃仏毀釈の折にボストンへ流出した観音像でした。
里帰りを願っているものの、まだ実現していないそうです。
現在はレプリカが町の歴史文化博物館に展示されています。
一時的にでも里帰りが実現することを願ってやみません。
さらに中央には見事な十一面観音が立っていました。
彩色がかすかに残っています。腰の捻りもなかなか大きいです。
さすがに足の指は反り返っていなかったですが。

湖東三山に限らず、滋賀には良い仏像がたくさん残ってますね。
今後も暇を見つけてはちょくちょく訪れることになりそうです。
金剛輪寺本堂前金剛輪寺御朱印と本尊御真影

湖東三山巡りその1:西明寺

2006-10-07 21:12:13 | お寺レビュー
天台宗開宗1200年を記念して、湖東三山のご本尊が開帳されることに。
臨時シャトルバスも運行されるということで、
近畿地方古寺まわり旅行の手始めに訪れました(2006/09/23拝観)。
普段は交通アクセスのよくない地域に建っているので、
このような取り組みは実にありがたい話です。

第一回は西明寺。近江鉄道尼子駅からシャトルバスに揺られて20分。
山門をくぐって受付を済まし、石段を登ること10分。ついに仁王門に到着。
新調したと思しき回向柱と柱に結ばれたカラフルな綱が、
秘仏ご開帳の雰囲気を盛り上げます。
本堂に上がりこんで、ご本尊薬師如来と対面を果たしました。
半眼でふっくらした印象の薬師仏です。光背がしっかりとしています。
めったに行なわれないご開帳だけに、脇を固める日光・月光も心なしか嬉しそう。
今度は三重塔が開くときに訪れてみたいものです。
西明寺本堂