ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Two Little Lies

2009年03月11日 | C
Liz Carlyle. 2005. Two Little Lies. Pocket Star.

この3連作の1作目One Little Sinでがっかりだったので、この2作目には手が出ずにいましたが、たまたま図書館で見つけたので3作目と一緒に借りました。

熱々のロマンスというよりは、二人がお互いについた小さなウソのせいで運命はガラッと変わってしまう…。再会しても、深く恋に落ちていたあの頃は幻想だったのか…という切なくも感情が激しくぶつかり合うお話。私からはオススメ。
                      
Story:       
Dialogue:  
Hero:        
Heroine:    
Sensuality: 

若かったころ、イタリアから来たばかりの美しいオペラ歌手Vivianと激しく恋に落ちたQuin(将来のWynwood伯爵)。

しかしある日、「私と結婚する気はある?」というVivianaの問いに対し、身分の違いなどを理由に鼻でせせら笑ったQuin。
これをきっかけに、Vivieは妊娠のことを告げることなくQuinの前からあっさり姿を消し、イタリアへ帰国。イタリア人貴族と結婚してしまいます。

9年後、未亡人となったVivieは再びロンドンへ。伯爵となり婚約者までいたQuinと再会。

黙って去ってしまったVivieに対し苦い思いを今でも抱えるQuinはVivieが戻ってきた動機を疑ったり、つらく当たります。

Vivieも、もう昔の恋だと割り切ろうと努力するかたわら、Quinの横暴な態度にもカチン。

二人は激しくぶつかり合います。

                         

Carlyleの新シリーズはサスペンスが入っていて、ちょっと違うものが読んでみたかったところ。
しかも、この昔の3連作の1作目はつまらなかったので、あまり期待せずに手に取りました。

が、読んで得した気分に

「あの時『愛している』と正直に言っていたら幸せな人生が送れたのではないか」という思いをぬぐいきれずVivieと別れてからずっと暮らしていた伯爵。

あの時正直に妊娠のことを打ち明けていたら結婚してくれただろうか、愛されていなくとも幸せになっていただろうか、いや、自分が選んだ道で良かったんだと必死に自分に言い聞かせてきたVivie。

と、二人がその時は最良の決断と判断してついた小さなウソ。

再会すると、離れていた時の空虚で不幸せだった時間は消え去れり、昔の思いがよみがえります。
特に、あの頃とは違い随分大人になった伯爵のほうは、あの時のあの一言が賢明だったとは思えなくなってくるんです。


L.Carlyleはこういう再会ものがウマイのかも。
もう一つこういうので記憶に残っているのが、"A Woman of Virtue"。2006年にレビューして、「A Must Read」とオススメしています。
まだの方、チャンスがあればゼヒどうぞ。


Book 1: One Little Sin
Book 3: Three Little Secrets


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