ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

The Marriage Trap

2006年09月01日 | T-U-V

Elizabeth Thornton (2005) The Marriage Trap. Bantam Books Historical Romance

またまた個人的に大ファンのThorntonです。前にレビューした
"The Bachelor Trap"が気に入ったので、今回のこのTrapシリーズの1作目となりました。2作目のほうが良かったですが、この1作目にしろ他の作品にしろ、Thorntonの作品にはあまり期待はずれなものはありません。最近はミステリーに偏ってしまいがちですが、それでもPage Turnerばかりです。

Story:    
Dialogue: 
Hero:     
Heroine:  
Sensuality:

Jack Rigg、Raleigh伯爵とEllie Brans-Hillは、Jackが17歳の時にEllieの家族と短期間を共に過ごしています。
15年後、EllieはLady's Companionとして働いており、Jackは退役軍人となり独身生活を楽しんでいました。二人はパリで再会しますが、Jackは、コンパニオンとして地味な服装をして目立たないよう気を払っていたEllieを見分けることができませんでした。

ある晩、Ellieは弟を借金地獄から救うため、ギャンブラー"Madam Aurora"に変身しします。

AARでは、コンパニオンの仕事が嫌いなEllieは、このスキルでもう一儲けして独立すればいいのにと指摘しています。でもEllieは、ギャンブルなんて堕落した方法で独立するなんて自分の道徳観念が許さないし、弟の手前お手本にもならないので、厳しい道を選ぶんです。

そしてその晩、Ellieが一儲けした後帰ろうとしていると、プロシア軍人達の暴動に巻き込まれてしまい、Jackに救出されます。実はその晩、魅力的な"Aurora"を遠くから見つめ気になっていたJack。無事に彼女を自分の部屋へ連れ込んだ後、JackはAuroraの魅力に抵抗することができず、彼女を誘惑します。

もう少しでJackに全てを捧げてしまうところだったEllie、滞在先のホテルに帰ってみると、意地悪なLady Cardvaleのダイアモンドネックレスが盗まれており、その晩唯一留守にしていたEllieに泥棒の濡れ衣がかかっていました。

無実を証明するために彼女のアリバイを確証できるのはJackしかおらず、Ellieはみんなに全て(キスしたこと意外)を話します。Jackはふいに、あの魅力的なAuroraが実は地味なLady's companionである"Miss Hill"だと知らされたばかりか、彼女の名誉を損なったことになり、自分は結婚の罠にはめられたと激怒します。

絶対にどんなことがあってもこんなずる賢い女とは結婚はしないと怒るJackに対し、Ellieも心の中で「こんな浅はかな男!」とムラムラと怒りの炎が燃えます。が、飄々とした態度で「あんたのような筋肉バカはこっちがお断りよん」とサラっと退場。

次の数日間の間にEllieは解雇され、弟の借金を払い、さっさと弟とロンドンへ去ってしまいます。 彼女の以外な反応にJackは「あれ?これでも花婿候補ナンバー1なんだけど・・・?」。そしてEllieがパリを去った後で、彼女が実はJackが昔お世話になったBrans-Hill牧師の娘だと分かり愕然。彼女をひどく扱った罪悪感に苛まれるばかりか、あの晩のキスが忘れられなかったりも。
さらに驚き困ったことに、彼女の弟が借金地獄に苦しんでいるということが分かっただけでなく、女優殺害の容疑をかけられていることもわかり、イギリス外交官からのたのみもあって、Ellieを助けるためJackもいざロンドンへ向かいます。
  
Thorntonらしいミステリーにスパイスアップされたリージェンシーロマンス。今回のは女優殺害の犯人が簡単に推理できますが…。

後半、JackがあまりEllieのまわりにいず、ロマンスに物足りなさを感じました。
Jackはちょっと典型的なマッチョマンタイプなところもあり私個人の好みではないけど、でも2人とも(とくにEllieの方は)精神的に成熟した魅力的なキャラ達です。
二人は実は初恋の相手(Jackのほうはあまり自覚はなかったけど。)再会してから思春期の思い出にはちょっと幻滅してしまったかもしれない二人だけど、大人になって互いに昔の姿を垣間見ながら新しい関係を築いていきます。

二人のドライウィットたっぷりの会話もおもしろくて楽しめました。

次のAshのお話が楽しみです。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿