チア☆ダン ～女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話～

評価：★★★★☆【４．５点】



こういった奇跡というフレーズにめっぽう弱いワタシは
『ビりギャル』から『ハートビート』に続き高評価となった本作。

◇

県立福井中央高校に入学した友永ひかり。
サッカー部に入った中学時代からの憧れの同級生
山下孝介を応援したくてチアダンス部に入部する。
しかし顧問・早乙女薫子のスパルタ指導に反発して
先輩部員が全員退部してしまい、残ったのはひかりをはじめ
新入生ばかりのほぼ全員素人集団。
それでもチームメイトの彩乃と切磋琢磨しながら練習に打ち込むひかり。
そんな中、ついに廃部かという時
、校長たちの前で思わず“全米で優勝します”と啖呵を切り、
どうにか廃部を免れたひかりだったが…。
＜allcinema＞

◇

ではなぜ、満点ではなかったか。
やはり、チアダンスのレベルを知るうえで素人俳優が演じることに
どうしても抵抗を感じてしまうのだ。

クランクインの前に相当練習を積んだのはよくわかったが
本物の技術という面からすればスピードと力強さが足りない。
こういうところは吹き替えでもいいので本物の技を見たいんだな。

後、このような奇跡に近いパフォーマンスを成し遂げた理由が
優秀な指導者のせいなのか、それとも覚醒した女子高生の方なのか
そこのところがもうひとつキッチリ描き切れてなかった。

ひとつ気になったのが各シーンのオチに笑いを入れ込んでいたが
そのどれもが単なるコントのレベルだったため、
そこで若干白けてしまう部分もあった。あれはいらないと思う。

どうでしょう、邦画の青春スポ根ドラマとしてはそこそこ無難に。
後は見せ場のダンスシーンに涙、涙のワタシだった。
たぶんここで、本物の高レベルのダンス見せられていたら鳥肌立って
文句なく満点評価をつけていただろう。
そこチョット惜しい。これがマイナス０．５ポイント。


【今週のツッコミ】

・全米制覇した彼女らの斬新なダンスに審査員から観衆が総立ちの大絶賛！
　辛口解説者のコメントは英国素人オーディション番組から輩出された
　歌姫スーザン・ボイルのときの会話とまったく同じだった(笑)

・TOHOガールの山崎紘菜が演技とキャラ作りで頑張ってました。
　ちなみに山崎紘菜→松山ケンイチ、中条あやみ→東出昌大に見えた。
　このふたりに女性版『聡の青春』を撮らせたら面白い（変な妄想よしなさい）

・ヒップホップって常識を覆すという意味からすれば
　非常に効果があるということがよくわかった。
　昨年鑑賞した『ハートビート』もクラシック・バレエに入れてたし。
　チアダンスはポンポンとライン、ジャズとヒップホップの4種類で構成される。

・部の顧問教師の愛読本、指導者系の著書が松岡修造に爆笑。

・最後のテロップで5年連続全米制覇した県立福井中央高校は
　今や世界の強豪校として、その名を知らしめているらしい。
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監督：河合勇人
脚本：林民夫
音楽：やまだ豊
出演：広瀬すず/中条あやみ/山崎紘菜/富田望生/天海祐希/

『チア☆ダン ～女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話～』