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ノーカントリー

2008年03月16日 18時42分36秒 | 映画 な行
評価★★★★


そのボンベ、かなり気になるんですけど・・


第80回アカデミー賞4部門受賞作品ということで
可也の期待を胸に秘め鑑賞してきました。



偶然見つけた、200万ドルの現金を持ち逃げした男を追い
雇われの殺し屋・アントン・シガーは
独自のルールの中に於いて執拗に男を追う。

この殺し屋
ハンニバル・レクターにも匹敵するくらい気味が悪いのだ。

いや、こいつは
ジェイソンか!レザーフェイスか!フランケンシュタインかも。
とにかく、モンスター的な印象は否めないのである。

でも、知能は高そうでインテリヲタク破壊王ですね。

家畜用の牛を殺す圧縮空気ボンベとカプラーを持ち歩いていて
それで、ドアノブをぶち抜いたり
人の額も、簡単に穴が開く。

銃ではないので、ひとは警戒しないのである。

この道具と殺し屋の風貌を見た瞬間
正に、死神のごとく、薄気味の悪さは最高だと感じた。


逃げる男と追う男のロードムービーは
モス(ジョシュ・ブローリン)に感情移入してしまい
鑑賞中、何度もハラハラドキドキしてしまう。


テキサスの砂漠に吹く風とブーツで砂を潰す音。
映像は、どのシーンに於いても非常に埃っぽいのである。

この映画、劇中に音楽が一切挿入されていません!

それが、功を奏したのか、殺し屋シガーが
モスの隠れる2軒目のモーテルを嗅ぎ付けてやって来るシーンは
静寂の中、階段を上がってくる音が恐ろしくて
ドアの向こうに見える影で緊張感がマックスになってしまいました。



1980年の時代設定も画面から受ける印象は
“グラインドハウス”的という、つまり
実際に、本当にその時代にタイムスリップして
リアルタイムに本編を観ているような不思議な雰囲気を持っている。

これは挿入音楽が、まったくなかったから思ったのかもしれません。


本編は老保安官ベル(T・リー・ジョーンズ)の
ナレーションがあり、彼の目線からこの物語は語られている。

前半の追跡劇は、見応え十分である。
後半からは、少しずつ間延びしているようなテンポは頂けない。

特に、ベル保安官が余りにも捜査(動かない)をしないことが気に入らない。
なんだか、妙にマッタリしているのである。
老いたからと言っても、それは見た目であり
実際は、A・シュワルツェネッガーやスタローンと同年なんですよね。
(彼らが若いのか?)


・・・とは言うものの。

これは1980年の設定であり、その時代の60歳といえば
これくらい老けていたのかも知れませんね。


結果として、アカデミー作品賞を獲ったといっても
個人的には、そんなにびっくりするような映画ではなかったです。
雰囲気としては、良く出来ているんですが。



アカデミー助演男優賞は、後に残る印象から言えば必然かと。
殺し屋アントン・シガーのキャラクターは
スピンアウトとして映画化されると面白いんですけどね。

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監督:イーサン&ジョエル・コーエン
脚本:イーサン&ジョエル・コーエン
撮影:ロジャー・ディーキンス
音楽:カーター・バーウェル


出演:トミー・リー・ジョーンズ/ハビエル・バルデム/ジョシュ・ブローリン/ウディ・ハレルソン/ケリー・マクドナルド


『ノーカントリー』

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6 コメント

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おぉ! (ituka)
2008-04-21 19:35:33
ご覧になったのですね。

今月は諸事情により、今日までわずか1本のみの鑑賞(破壊者)です。

>にしても、最初のハイウェイでボンベを使う所で、周辺の観客が「ズポンッ!」に一瞬凍り付く雰囲気が伝わって来て、
それはそれで楽しかったです(⌒~⌒ι)

これ分かります^^
過去に見たこともない不思議な道具という意味からも画面を釘付けだったのですね^^

>ワタシは冒頭、主人公がライフルを撃った直後、さっさと飛んだ薬莢を拾うのに違和感を感じたかなぁ・・
フツーは熱くてしばらく触れないんでしょ?

そうでしたよね!
確かに直後に普通に拾っていましたね。
あれは沸騰直後のヤカンを持つようなものです^^
『ブラックホーク・ダウン』の機銃掃射のときに、真下に居たジョシュ・ハートネットが「あっちっち!」と言ってましたからね^^
☆ようやく観ました☆ (TiM3)
2008-04-20 23:45:28
いやー、何だか微妙な作品でしたね。。

にしても、最初のハイウェイでボンベを使う所で、周辺の観客が「ズポンッ!」に一瞬凍り付く雰囲気が伝わって来て、
それはそれで楽しかったです(⌒~⌒ι)

ときに・・
ワタシは冒頭、主人公がライフルを撃った直後、さっさと飛んだ薬莢を拾うのに違和感を感じたかなぁ・・
フツーは熱くてしばらく触れないんでしょ?
由香さん (ituka)
2008-03-18 00:44:48
>スポンッという音にビクビクしました

確かに、子供の夏休みの工作で作った空気鉄砲みたいな音でしたよね^^

原作からシガーのキャラクターは、こんな感じだったのか、
それとも、コーエン兄弟がデフォルメさせたのかが気になるところです^^
あの髪型と潔癖症なところは、意外性があって、コーエン兄弟らしさが出ていたと思いましたよ。
TiM3さん (ituka)
2008-03-18 00:29:27
>ボンベに銃撃を受け、火だるま状態で吹っ飛ぶんでしょうか・・

そういう手がありましたね!
これは、スピンアウト映画で使ってほしいところです。
火だるまにならなくても、破裂の衝撃で両足切断くらいなら・・
でも、この男は簡単に死なない恐ろしさが漂っています。
あの、髪型がそう語っているようで怖いです^^
こんばんは! (由香)
2008-03-17 23:37:47
お邪魔します♪
いつもお世話になっております。
今後とも宜しくお願い致します!

ハビエルの演じたシガーは恐ろしかったですね~
最初は「何でボンベ?」なんて思いましたが、スポンッという音にビクビクしました
静寂の中に緊迫感が漂って、かなり惹き込まれましたが、後半はちょっとよく分かりませんでした。
コーエン監督の作風を知らなかったので、隠された意図なんかを読めなかったからかしら・・・
☆ではラストは・・☆ (TiM3)
2008-03-17 23:27:04
ボンベに銃撃を受け、火だるま状態で吹っ飛ぶんでしょうか・・

あっ、それだとジョン・ウー路線だ。。(ってか、中身は空気だっつーの)

にしても「効果音を入れない」てのは面白いですね。

確かに、リアルさを貫けば、BGMは極めて不自然やもんね(=^_^=)

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