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【あらすじ・感想】文庫版・『ガラスの仮面』第09巻【ネタバレばれ】

2015-02-05 22:17:28 | ガラスの・・・あらすじ

※※『ガラスの仮面』文庫版読み返してます。あらすじと感想まとめてます。※※
※※内容ネタバレ、感想主観です。※※


仮面年表は こちら
紫のバラ心情移り変わりは こちら

49巻以降の話、想像してみた(FICTION)*INDEX*はこちら

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『ガラスの仮面』文庫版第09巻 ※第8章(途中から)(途中まで)

第8章 華やかな迷路


誰かが故意に仕込んだガラス片によって、マヤは舌と歯ぐきを切ってしまう。
幸いにも傷は浅く、止血すれば大事には至らない程度で済んだ。
しかしもしガラス片を飲み込んでいたら・・・・。
いったい誰がこんなことを。
しかし今、マヤの周りにいる人間は、誰がやってもおかしくない、
そんな不穏な環境の中にマヤはいるのだ。
負けるもんですかっ!
味方は誰もいない、そんなスタジオに突然一人の少女が現れた。
田舎から出てきたばかりで熊本弁丸出しの素朴なあか抜けない娘、
乙部のりえはそんな少女だった・・・。

『天の輝き』が放映開始されると、マヤの周囲はさらに活気づく。
かくゆうマヤ自身、テレビの中の沙都子が自分であるとは信じられないくらいだ。

活躍を喜ぶ、つきかげの仲間たち、
いつの間にか白百合荘を出たまま、何の連絡もしてくれないことを寂しく思う桜小路、
そして、水城に指摘された11歳も年下の少女への愛に戸惑う真澄、

虹の世界で輝くマヤを、それぞれがそれぞれの場所で思いを巡らせながら見つめる。

日向電機のCM効果もあり、マヤの知名度はぐんぐんと上昇していた。
しかし一方で、撮影中のマヤへの嫌がらせもなくならない。
衣装の首筋に仕込まれた剃刀の刃、ズタズタに切り裂かれたマヤのポスター、
それでもマヤはそんな困難に臆することなく、満面の笑みを浮かべて今日も元気よくスタジオに入る。
どんな邪魔にあっても私は負けない、演技を辞めたくない、そしてそのためにも、
ーーー私の里美さんへの恋心は絶対知られちゃいけない!ーーー

その時、マヤが昇っていたマストがぐらりと揺らぎ、
マヤの体は宙吊りの状態に陥った。
このままでは落下してしまう、あわててクレーンを用意しようとした時、スタジオ内が停電し、暗闇に包まれる。
マヤの周辺で起こる不穏な動きを警戒して視察に来ていた真澄、そしてマヤの様子が気になってスタジオ見学に
訪れていた桜小路も、鍵がかかって開かないスタジオの中でマヤがどうなっているかも分からず焦る。
そして再びライトが点いた時、
マヤは里美茂の胸にしっかりと抱きかかえられていた。
何とか無事に救出されたマヤの手をしっかりと握りしめた里美はしばらくの間その手を放そうとしなかった。

先ほどの事件はやはり何者かによって故意に仕掛けられたものである可能性が高い。
リハ直前までしっかりと固定されていたマストは直前でボルトが一つ引き抜かれており、
停電も意図的に仕組まれたと思われる。
スタッフに心当たりについて話を聞いている真澄と水城、なにしろ動機を持っている者が多すぎる・・・。
内密に済ませる旨を伝えているところを、こっそり盗み聞きしている人影に気付いた真澄が声を上げると、
それは、この前からマヤの周りでにぎやかにしていた田舎娘、乙部のりえだった。

のりえは聞いた内容をさっそくマヤに告げ口に向かう。
何者かによって仕掛けられた罠、お願いだから私の演劇への思いをじゃましないでと、
マヤは祈るしかなかった。
しかし、その後もマヤへのいやがらせは続く。

人力車から降りるシーンで、踏み板が抜けやすく細工されていたり、
乱れた髪をくしでとくシーンで、くしに接着剤が仕込まれていたり、
雨に濡れた体を拭くシーンでは、タオルにこしょうが仕掛けられ、くしゃみが止まらなくなる。
最後には頭からバケツの水がかけられ、全身びしょ濡れになってしまった。
ずぶ濡れのマヤを、周囲の人間の笑い声が包み込む。
これではもう、撮影は続行できない。
スタッフが撮影中止を宣言しようとしたその時
「まってください。演らせてください、この恰好のままで」

そしてマヤは、ずぶ濡れの自らの体を最大限に生かし、あたかも大雨の中傘も差さず
使命を果たす為に急ぎ駆けつけた誇りたかき伯爵令嬢、沙都子を完璧に演じきった。

沙都子が妹のようにかわいがっていた女中の娘の死を弔い、
お手玉をしながらよく歌ったわらべ歌を口ずさむシーン。
お手玉の糸が抜かれ、使い物にならなくなると、マヤはそのままそばにあったミカンを手に取り、
それをお手玉のように涙を流して見事に悲しみを演じた。

誰もがあきらめるはずのハードルを軽やかに飛び越え、マヤの演劇への情熱は空を駆ける。
その底知れないパワーと才能に、いやがらせを企てていた者も畏怖の念を禁じ得ない。
こうしてマヤは自らの実力と努力で、敵をひとりまたひとりと納得させていったのだった。

里美に接近するマヤをいぶかしく思う里美茂の親衛隊たちは、
桜小路がマヤに好意を寄せていることに気付き、マヤを誘惑するようお膳立てをする。
久しぶりに二人で会ったマヤと桜小路。
ずっと好きだったと告げる桜小路に、マヤは応えることができなかった。
「さようなら、マヤちゃん」
最後にマヤをぎゅっと抱きしめた後、桜小路はマヤの元を去って行った。

**

放映回を重ねるにしたがって、巷のマヤ人気はどんどん上昇の一途だった。
マヤが来るというイベントには観客が殺到し、テレビ局にはマヤの出番をもっと増やせと
投書が山のように届く。
また沙都子だけでなく、初主演映画『白いジャングル』では、ドジでそそっかしくてでも明るく勇敢な少女未央を
可愛く演じ、さらに魅力を開花させる。
テレビドラマと映画撮影、休みなどないハードスケジュールも、
演じることが生きるすべてのマヤにとって苦ではない。
自分が演技によってさまざまな人生を生きることができる事の喜びのほうが大きかった。
しかしそんな毎日の中で、マネージャーを務める水城は、
最近とみにマヤに付きまとい、なれなれしく接してくる乙部のりえが気になり始めていた。

『白いジャングル』完成披露試写会
相変わらず慣れないパーティーだったが、今やマヤの周囲には自然と多くの人が集まり、
次から次へと称賛と羨望の言葉をかけられる。
そして見事マヤの売り出しに成功した真澄の手腕を改めて思い知らされるのだった。

ぎこちなさしかない張り付いた笑顔で真澄とむりやり挨拶を交わしたマヤだったが、
届けられた紫のバラの花束を胸に抱え、喜びの表情を浮かべる。
その様子を穏やかに見つめていた真澄は、会場に山崎竜子の姿を見つけると彼女近づき、
新たな仕事のオファーを持ち寄って、巧みに山崎のマヤへの攻撃をかわすことに成功した。

全ては順調かと思われた、まさにその時・・・・
会場に里美茂が姿を現した。
里美自身も別の映画撮影があり多忙にもかかわらず、終わるや否や駆けつけたことに興味を抱く記者。
そして里美は大勢の人の前で堂々と宣言した。
「ぼくは彼女が好きです。」
芸能人なら、ファンの事を考え、恋はご法度、そう水城に厳しく指導されていたマヤだったが、
「・・・・好きです」
気持ちを隠すことはできなかった。
そして里美とマヤは堂々と初恋宣言をしたのだった。

その様子を見ていた真澄は思わずシャンパングラスを握りつぶしてしまう。
マヤの売り出しへの懸念や、今後の対策など考える余裕はなく、真澄はただ、
自分が嫉妬をしていることにショックを隠せずにいるのだった。

里美は早速マヤを海へドライブデートに連れて行く。
多忙な二人の束の間の休息。波打ち際で戯れる二人の距離は急速に近づく。
『天の輝き』の撮影中も仲良く会話をする二人、
さわやかカップルとおおむね好意的に受け取られた熱愛ニュースではあったが、
このままでは里美のファンや高校生であるマヤに対して
PTAからの反感が高まってしまい、マイナスになる。
更にますますなれなれしく付きまとう乙部のりえといい、
水城の頭を悩ませる問題は尽きない。

『白いジャングル』劇場公開
大入り超満員で大ヒットとなり、マヤの知名度は今までのそれとはくらべものにもならない。
水城はこれがスターというものだと言う、しかし今までの自分と何が違うのだろう、
私はただお芝居が好きで、演技がしたい。
そしていつか『紅天女』を演じることができたら・・・!

そんなマヤを、里美茂の親衛隊が襲撃する。
手荒く殴られ蹴られ、大事な顔に傷をつけられそうになるまさにその窮地を救ったのは・・・
速水真澄だった。

真澄はあっという間に親衛隊を打ち負かすと、二度とマヤに手を出さないようにきつく釘を刺し、
汚れたマヤの顔を濡らした自らのハンカチでぬぐった。
そこへ慌てて駆けつけた里美にマヤを託すと、真澄は腹立ち気にその場を後にした。
「今後きみのせいでこの子がかすり傷でも負うようなことがあれば、おれはきみを許さんぞ!」

**

マヤの活躍がうれしくも、まったく連絡も寄越してこず、ましてや突然の里美との交際宣言など、
別世界に向かっているような寂しさを感じていた劇団つきかげのメンバー。
マヤに送った手紙は水城の手によって破り捨てられ、マヤの手元には届いていないのだが、
そんな事を知る由もないかつての仲間たちは
「マヤは変わってしまった、自分たちの知っているあの子ではない」と
マヤとの心の距離がどんどん離れていく。

スターの道と引き換えに失っていく大切な思い出や仲間たち、
寂しさが募ると思い出されるのは母の面影。
マヤはただひたすら母に会いたいと願うのだった。

その頃真澄は、ひた隠しにしてきたマヤの母を、今秋大都劇場で上演される舞台『シャングリラ』の
初日に大々的に発表する段取りを組んでいた。
”行方不明の母発見! 盲目の身で療養中”
”『シャングリラ』初日舞台で涙の母娘対面!”
マヤのそして舞台にとってもこれ以上の宣伝効果はないだろう。
ただひと目、母に会いたいと願うマヤの心を利用して・・・・
仕事に情けは無用、真澄は自らの心に湧き上がらるためらいの感情に蓋をした。

病院に軟禁状態でテレビも雑誌の情報も何も与えられない状況に
マヤの母、春は疑惑の念を抱き始めていた。
部屋には鍵をかけられ、外に出られないように監視されているような。
そしてとうとう、院長が大都芸能の人間と話している会話を耳にしてしまう。
マヤが、いまや一躍時の人となり、女優としてドラマに映画にと大活躍している事をーーー。

マヤに会いたい一心で、春は大嵐の中病院を抜け出した。
何としても東京へ、そしてマヤに会いにいくために。
しかし目も見えない状態で一人手探り足探りで長野から東京に向かうのはあまりに無謀な事だった。
途中親切なトラック運転手に助けてもらい、車に乗せてもらうが、
長い間雨にうたれていたせいでどんどん体調は悪化していく。
見かねた運転手が春を病院へ連れて行こうとするが、また療養所に連れ戻されることを懸念し、
春はそのままトラックを後にまた歩いて東京へ向かっていく。
車にぶつかり大けがを負いながらなんとかたどり着いたのはとある映画館。
『白いジャングル』で久しぶりに聞くマヤの声を感じながら、
春は永遠の眠りについた。
まるでマヤの演技を見ていたかのように、穏やかな微笑みを浮かべたまま・・・・。

久しぶりの再会が、物言わぬ冷たい姿となるとは、マヤは予想すらしていなかった。
ただ、目の前の事が嘘であったらいい。
横たわる母に家を飛び出してからの自分の事をずっと語り続けるマヤ、
片時も離れたくないとしがみつくマヤに、強引に沙都子の感情を呼び起こし、何とか
撮影に復帰させる水城だったが、
母の遺影を抱え、雨にうたれ続けるマヤにかける言葉もなかった。
そして葬儀が終わった後も遺骨を抱えたまま食事も摂らず、ずっと母の事を思って座り込むマヤは、
里美と話すことも拒絶し、ただからっぽのままになっていた。

遺骨を抱えてただ母の事を思うマヤの姿を見た真澄は、
自らの犯した罪の大きさに、生まれて初めて罪悪感というものを覚えた。
そしてこれまで築いてきた自分自身の鉄壁の心が大きく崩れていくのを感じていた。

舞台『シャングリラ』初日まであと一週間ーーーーー

第10巻へは・・・こちらから
*****感想**************************************
つらいよー、つらいよー、まとめるのつらいよー。
確かにすごく重要なエピソード満載なんですよ。

マヤ、里美茂と初恋宣言!
真澄、マヤの母を死に追いやったことを一生の十字架とする
マヤ、真澄は自分の母を殺した生涯の敵!になる

後々まで、というか今もってずっと引きずる問題ではありますが、
やっぱつらいのよ~、読み返すのは。

それでもなんとか一生懸命読み返して得られたのは、
真澄が一応この時まではいつもの冷血漢的に仕事に取り組んでいたのだということが分かったくらい
ですかね。

つらいつらい言いすぎましたが、次はいよいよみんな大好き、今こそ認めようの巻なので、
頑張って更新します☆

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