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長井坂の巻
熊野古道には中辺路(なかへち)と大辺路(おおへち)ルートがある。
調べてみると、小辺路もあって高野山から山越えで本宮にいたるコースである。
それ以外にも吉野・大峯の修験道のコースもあったり、伊勢に続く伊勢路まであるから相当広範囲である。
今回はその大辺路のルートを富田坂・仏坂・長井坂と3回に分けてリレーでウォーキングする催しである。
ところが昨今熊野古道のウォーキング中々の人気で申し込んでも肘鉄を食らうことが多く、今回もやっと最終回の長井坂のみOKとなった。
すさみ海水浴場から見老津駅
先週の土曜日28日、9時受付で9時半スタートと言うことで9時前にスタート地点へ。
ところが当日の参加者100名だそうだが、受付開始時間に行きながら当方が最も遅い受付、何と言う集まりと驚き。
語り部1名と町の職員2名ほどが班毎に同行して、5班に分かれて5分おきに出発。
行程は11キロと言うことだから、そう大したことも無かろうと高くくって出発。
しばしの間は普通の道、山手に入っても細いながら車が通る道をしばし進む。
その道から分かれて次第に山道にはいっていくようになる。
田舎の地道程度のことしか考えていなかったが、ちょっとした低山の登山道と言うほうがよさそうである。
歩き始めて30分、息切らすような登りの連続が続く。
下りにかかると、一転前が開けて海が見える、曇っているので海の色まで青々と言うより黒っぽく見えるのが惜しい。
昔の人、熊野本宮へ中辺路通っていってそのまま元に帰る人と、熊野速玉大社から大辺路取って帰ったらしい。
那智大社に回って山越えで本宮に行き田辺に出るのと、そのまま海岸沿いに田辺へのコースがあったようだ。
海岸沿いの大辺路、道が険しく高貴の人はあまり来こなかったようである。
但し枯れ木灘の海の景色抜群ゆえ絵師や彫り師などがこちらの道を取ったようである。
道中疲れたとき、白波打ち寄せる枯れ木灘海岸は疲れも吹っ飛びもしよう。
海のそばの国道まで降りて、そこから再びみちは古道に戻る。
だらだら坂から川沿いの平地をあるき王子神社のあるところで昼の休憩。
このころから曇りから晴れにかわってくれた。
横走っているJRの線がトンネルに入ったところできつい登りが続く。
いぜんJR が工事のため、古道の木を無断で切ったとかでマスコミまで大騒ぎしてJR 現状回復させられたのはこのあたりだそうである。
このあたりでは山の木、杉・ヒノキでなく、ウバメガシや樫の木など落葉樹が多くて気持ちが休まる。
黒潮のそば、気候温暖だけに紅葉余程遅くないと見れない、わずかに紅葉楽しめるところもあり。
だが、海の景色がすばらしい、晴れともなると一入である。
延々登りと同じだけ下りである。
こちらも延々と続く、落葉樹の枯葉がいちめん積もっているだけにあしをとられる。
下りきったところで、テント張って役員の方々の手になるイノブタ汁が無料で配られている。
歩き終わって汗が引き出す体に熱いものが心地よい。
その上スタート時点までの帰りのバス代各自負担と聞いていたが、無料で運んでもらった。
どうも、「地方の得意の補助金」取っての企画であったか。
でもあり難く感謝しておいた。
語り部付きとはいえ随分時間かかった、帰り着いたらすでに4時過ぎになっていた。