◆井上陽水と私◆2005年1月1日から2011年12月まで

マルチクリエイター。井上陽水と私。 独身氷河期世代。当時、ペンネームは夏風アザミルク。

不適応と幼児的万能感

2007-01-30 12:49:02 | ネガティブ
不適応、抑うつと幼児的万能感との関係について


●不適応

社会にうまく適応できないことを指す。典型例としてニートがある。
抑うつとは躁鬱病のうつ症期、統合失調症(破瓜型)の「無為自閉」、認知症(痴呆症)、パーキンソン病の初期にも見られるが、本レポートでは青年期の病的なやる気のない状態(反応性の抑うつ状態)を指す。


●うつ病

うつ病は40から50歳で表われることが多く、脳の神経伝達物質セロトニンの枯渇した状態と考えられている。脳の機能が止まったように見える状態で、思考の停滞または停止をいう。うつ病は脳の器質的な変化による疾患であり、その症状は罪業妄想をきたすなど機械的な現われ方である。
これは非現実的な自己過信のため自らの限界を認めないで自分勝手な思い込みで自分自身を追いつめて疲弊してしまうことで起こる。

●反応性の抑うつ状態

現実適応障害からくる反応性の心理障害。自らうつ病ではないかと精神科を受診する若い患者の多くは、この状態である。こうした不適応からくる抑うつ状態は気質的問題であり、環境に対する反応性症状といえる。すなわち周囲を巻き込んで不適応である自分を貫こうとする。それに対し、うつ病では自己完結型である。
青年期の現実適応には柔軟性が重要である。頑張れば何とかなるという思いは非現実的な思い上がりである。

●現実的万能感

失敗を繰り返していろいろな経験をして実力がついてきて本来与えられる現実的責任に近づけば近づくほど現実感が増した状態となる。思い込みが減って、与えられた責任を果たすことが出来るようになる。自分の能力の限界と有能さに気づく。有限の能力を有意義に使いこなそうとするときに現実的な賢さが生かされる。

●社会での役割と年齢

20歳代では世の中の問題に対して出された「答え」に従って作業する仕事をする。
それに対し30歳代からする仕事は主体的に判断することが求められる。この質的変化はインパクトが大きい。多くの人たちが「判断」という現実的主体性の壁に突き当たる。これを乗り越えようとして出来ないとき、抑うつ状態に至る。

20から30歳代の抑うつ状態では脳は若く疲弊していない。脳の機能は十分保たれているが気分が「うつ」なのである。脳の器質の障害であるうつ病と異なる。

●幼児的万能感

非現実的な自己過信を言い換えたものが幼児的万能感である。
「万能感(Feeling of omnipotence)」でジークムンド・フロイトが「思考の全能」として示したもの。その後1913年にシャーンドル・フィレンフィによって発表された論文で深められた概念を指している。
母親という魔法の杖をつかう魔法使いとして喩えられる。幼児期にはだれにでもあるものだが、1から3歳で第一次反抗期が始まり、通常は消えていく。母親からの精神的に自立して外の世界に興味を持つようになれる。母親以外の人に安心感と信頼感を向けられる人物の助けが必要で、一般的には父親の役割が重要である。

●不適応による抑うつと幼児的万能感の関係

社会で働くことができないので、気分がうつになる若者がもつ自信過多を幼児的万能感という。失敗を他人のせいにして自分には能力が十分あるが今はやらないというモラトリアムをひきずる状態で表われる。近年のニートはその典型である。また、妻に「私はあなたのお母さんじゃないのよ」といわれる夫もその一例である。

●考察
結婚という視点では、社会に適応した男性をパートナーに選ぶことが、大切である。
自分の結婚生活だけでなく、自分の子供の教育、精神的な支えなど男性の役割は大きい。女性が男性を見極めるときのキーワードが幼児的万能感でない男ということになるだろう。いつまでも幼児性を引きずっていない男性に早くなりたいと思った。


古井景氏の著書を参考にしました。



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1 コメント

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差別 (お利口さん)
2013-10-26 04:40:02
資格社会に、うんざりしている。
能力があっても、資格がないから、相手にされない。
そんな人だから、降格するんだわ。
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