元・井上教室

人生五十年、
だいぶ過ぎちゃった

貧しいとは

2017-05-12 19:51:40 | 日記
祖父母は戦前、仕事が旨く行ったのでしょう
リッチな生活を送っていた様です。

戦争で社会が激動したけれど自力では対応できず
あっという間に貧乏になってしまいました。

シベリア返りの長男(=父)はすでに頼りなさを露呈
孫である私に家督を立てなおす事を期待しました。

父を見ていればどんな風に育つか、推測できた
はずなのですがね。

「こりゃあ駄目」となる前に祖父母とも亡くなって
良かったのかもしれません。

その私が小学生になりたての話です。

ランドセルというものは祖父母が購入するものと
当時でも言われていたようです。

周りの誰のものより立派でしたね。
大きくて黒さが輝いていました。

「じーちゃん、ばーちゃん、有難う」
友達にも自慢していた筈です。
「ね、僕の、良いでしょ」

小学3年だったか4年だったか
その自慢のランドセルにガタがきました。

縫い糸がほつれ、薄い皮が剥がれた下には
何とダンボールの厚紙が覗いているのです。

祖父母が見つけた掘り出し物とは・・・
貧しいって哀しいことです。

アホガキだった私は親に泣きつき
買い替えを要求しました。

祖父が「悪かったのう、買い変えちゃる」と
言うのに「もうええ、父ちゃんに頼んだ」

今思うと申し訳なさで一杯です。


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