写真日記

市ヶ谷橋を渡ったところのタリーズで
沖縄に行く前日
ひとりでコーヒーを飲んでいるとき、
ふと、３月ごろに見つけて気になっていた
黄色の鳥のマグカップがなかったので
お店の人に尋ねると
限定でなくなってしまいましたと言われて
ふーん
と
いつもならそこで終わるのだけど
たまたま、店員の人が面白い人で
この前、新宿のタリーズでまだあったのをみたので
もしかしたら
と
わざわざ取り寄せてくれた

ので
昨日、受け取りに行き
そのマグカップでカフェラテを飲んだ
飲み終わって帰りがけに
コップを洗って袋を貰えるか頼むと
置いていきますか？
というので
置きマグカップというのかなと
なんだか不思議と面白くなって
面白そうだからそうします
と
同じ柄のマグカップを置いている人がいるらしく
間違えないようにマグカップの底に
１７
とシールを貼ってもらうことにした
なかなか面白いかもな
と
市ヶ谷をいつものように歩いて帰ると
少しだけ風が優しく吹いたような気がした

大江戸線はとても深いところを走っている
地下鉄はとても不思議で
地下を走っているのをよくよくみていると
駅のところだけちょっと浅い
駅を出発するととても深くまで潜っていく
そして駅が近くなるとだんだん上昇していく
牛込神楽坂駅に早く辿り着けるなら
どうでもいいことだけど

谷中銀座のお惣菜屋さんで
メンチカツと焼きオニギリを買って
入口近くの酒屋さんで
生ビールを買ってビールケースの上に座っていると
気持ちよくて頭の中真っ白
サッカーボール蹴ってる時とか
優しい女と寝てる時とか
珊瑚の海で泳いでいる時とか
異国の小さな町で友達ができた時とか
THEENDの前の3人のguitarsoloの時とか
よくわかんないけどそんな感じ
谷中にはひたすらに寺と猫がいて
花が咲いていて坂を上って
墓地を歩くとまた猫がいて
花が枯れていて坂を下って

東京藝術大学の写真展を観てから
２時間半、メタ写真について
畳に座布団で講義を聴いていた
戦前の写真家の話を聴けたので
とても勉強になったことがあったけど
芸術っぽいのがどうも共感できそうになかったけど
あと、写真は言葉じゃないね
いくら話してもぜんぜん辿り着きそうにないのに
学問は言葉で定義しようということなのだけど
言葉で語ろうとすればするほど
写真から遠くなっていくんじゃないかなーと
抽象的だけどさ
なんて意味もないようなことを考えながら話を聴いていたけど
たぶん回りの人たちもそんなこと各々に思ってたんだろうかな
３人の講師の中でヒトリ
戦前生まれの写真批評家みたいなおじいさんがいたけど
結構、いいなーっと思った
なにがいいなーなのかはうまく言えないけど
そんなもんだろうな
ちなみにメタ写真というのは
写真とはなにかという写真　だと
講師の女の人は言っていました
あと、芸術の写真の定義の中で確定していることに
写真＝印画紙　と３人とも疑いなさそうに確定的に断言していたけど
僕は最後の質問タイムでそのことを質問しようかなーっと
思っていたけど
桃林堂が5時で閉まってしまうので
手をあげるのを我慢して帰りました　とさ

メタ写真
っつーか、カメラ持ってる人も持ってない人も
やってるでしょ　
それでよくて
それがいいような気が
僕はします

沖縄から帰ってきた次の日
秋葉原で空を見ると
少しだけ悲しくなった
だけどただそれだけ
いつものこと