知り合いがこのレンズを購入しました。(うらやましい!)テレコンが使えるのが特徴のひとつですが、テレコンとスマートズーム(デジタルで拡大)どちらが良いでしょう?と質問を受けたので、少し考えてみました。
どちらにしても、メインのレンズの中央部を拡大して使うことになりますから、メインのレンズの性能が画質の大きな要因となります。こちらに100-400mmGMのMTFがあります。
SEL100400GM 主な仕様 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
MTFは10本/mmと30本/mmの黒白縞模様のコントラストが、べた黒とべた白のコントラストからどれぐらい低下するかを示したもので、10本/mmが平均的な画像に対応し、30本/mmが細かな画像に対応して1に近いほど良好なのですが、一応0.8以上あれば優秀なレンズといえるようです。
これはフルサイズでの話なので、仮に3倍に拡大して使う場合は30本/mmと90本/mmのMTFで比較してみる必要があります。100-400mmGMはとても優秀なレンズで30本/mmでも中央部では0.8以上の値となっています。これから見る限り3倍拡大しても、十分使えるように思われます。
拡大するのに、光学的にテレコンを使うのか、デジタル処理が有利なのかは微妙です。テレコンだと光学的な劣化の可能性があるのですが、最初からテレコンを想定して設計されたレンズではほとんど問題にならないようです。スマートズームは結局トリミングするのと同等なので、使用する画素数が少なくなってしまうのですが、こちらももともと2400万画素はあるわけで、2倍程度であれば600万画素は使えるので、こちらも望遠レンズであればほぼ問題になりません。さすがに3倍となると250万画素程度になってしまうのでちょっと厳しい場合があるかも知れません。
一方高感度特性はどうなるかということですが、こちらはマスターのレンズを通る光のうち倍率2倍だとすると1/4しか使わないので、その分落ちてしまいます。デジタル拡大だと、落ちないようにも思えますが、実際に写真として見るときにノイズも拡大してしまうので、結局落ちてしまいます。
一方ボケ方は拡大倍率が同じであれば、テレコンでもデジタル拡大でも同じです。ぼけは拡大した分だけ大きくなります。よくセンサが小さいとぼけにくいといわれますが、それは同じ画角だった場合のことで、まったく同じレンズを使うのであれば、センササイズが小さいほどボケは大きくなります。
結局画質という面ではテレコンとデジタル拡大でさほどの差はなさそうです。ただテレコンを使い、かつデジタル拡大というのも使えますから、テレコンの意味がないわけではありません。
使い勝手としては大きく異なります。ソニーの像面位相差AFは、α9だけがF11対応で他はF8対応なので、α7RⅡなどで、2倍のテレコンをつけるとF11相当になって像面位相差AFが使えず、AFスピードが際立って遅くなります。このあたりはカメラによって異なりそうなので確認した方が良さそうです。
自分がもしこのレンズを買えれば、1.4倍のテレコンも買うと思います。(α7RⅡで使うので)2倍テレコンでのAFスピードは許容できません。デジタルテレコンは後でトリミングするのとさほど変わらないので、トリミング前提でデジタルテレコンは使わないと思います。
どちらにしても、メインのレンズの中央部を拡大して使うことになりますから、メインのレンズの性能が画質の大きな要因となります。こちらに100-400mmGMのMTFがあります。
SEL100400GM 主な仕様 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー
MTFは10本/mmと30本/mmの黒白縞模様のコントラストが、べた黒とべた白のコントラストからどれぐらい低下するかを示したもので、10本/mmが平均的な画像に対応し、30本/mmが細かな画像に対応して1に近いほど良好なのですが、一応0.8以上あれば優秀なレンズといえるようです。
これはフルサイズでの話なので、仮に3倍に拡大して使う場合は30本/mmと90本/mmのMTFで比較してみる必要があります。100-400mmGMはとても優秀なレンズで30本/mmでも中央部では0.8以上の値となっています。これから見る限り3倍拡大しても、十分使えるように思われます。
拡大するのに、光学的にテレコンを使うのか、デジタル処理が有利なのかは微妙です。テレコンだと光学的な劣化の可能性があるのですが、最初からテレコンを想定して設計されたレンズではほとんど問題にならないようです。スマートズームは結局トリミングするのと同等なので、使用する画素数が少なくなってしまうのですが、こちらももともと2400万画素はあるわけで、2倍程度であれば600万画素は使えるので、こちらも望遠レンズであればほぼ問題になりません。さすがに3倍となると250万画素程度になってしまうのでちょっと厳しい場合があるかも知れません。
一方高感度特性はどうなるかということですが、こちらはマスターのレンズを通る光のうち倍率2倍だとすると1/4しか使わないので、その分落ちてしまいます。デジタル拡大だと、落ちないようにも思えますが、実際に写真として見るときにノイズも拡大してしまうので、結局落ちてしまいます。
一方ボケ方は拡大倍率が同じであれば、テレコンでもデジタル拡大でも同じです。ぼけは拡大した分だけ大きくなります。よくセンサが小さいとぼけにくいといわれますが、それは同じ画角だった場合のことで、まったく同じレンズを使うのであれば、センササイズが小さいほどボケは大きくなります。
結局画質という面ではテレコンとデジタル拡大でさほどの差はなさそうです。ただテレコンを使い、かつデジタル拡大というのも使えますから、テレコンの意味がないわけではありません。
使い勝手としては大きく異なります。ソニーの像面位相差AFは、α9だけがF11対応で他はF8対応なので、α7RⅡなどで、2倍のテレコンをつけるとF11相当になって像面位相差AFが使えず、AFスピードが際立って遅くなります。このあたりはカメラによって異なりそうなので確認した方が良さそうです。
自分がもしこのレンズを買えれば、1.4倍のテレコンも買うと思います。(α7RⅡで使うので)2倍テレコンでのAFスピードは許容できません。デジタルテレコンは後でトリミングするのとさほど変わらないので、トリミング前提でデジタルテレコンは使わないと思います。