優先権がよくわからなくなる交差点に出くわした話

ドライブで出掛けた先、つまり初めて走った道でのお話なんですけども。こんな交差点があったのです↓。

Googleストリートビューが表示されない環境で読まれている方の為に説明させていただきますと、信号の無い片側一車線の十字路で、自分の走ってきた道にも、交差する道にも交差点内の優先道路の標示(中央線など)は無し、優先道路の道路標識も無し。

んで、自分の走ってきた道には一時停止の標識と「止まれ」の道路標示がある。当然一時停止しますよね。すると、交差する道の左手側から別のクルマがやってきた。当然左手のクルマに優先権があると思い、停止したまま待ってたんですよ。

しかし、左手のクルマも交差点手前で停止し、こちらが動くのを待っている様子。なぜ。そこで手で「先に行け」とジェスチャーすると、向こうもなぜかいやそっちが先に、とジェスチャー仕返してくる。うーん、と思いつつクルマを少し前に動かしたら、相手もこちらが動かないと思ったのかクルマを動かし始め、サンキュー事故をやらかしそうに。

と、そこで気付いたんですが、交差する道路の左手側にも「止まれ」の標識がある。つまりこんな感じ↓。

……こんな交差点あるのか。しかしながらその場合でも、お互いの道幅が同じくらいなので「左方優先」のルールが適用されるハズ。

第三十六条  車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはならない。

一  車両である場合 その通行している道路と交差する道路(以下「交差道路」という。)を左方から進行してくる車両及び交差道路を通行する路面電車

二  路面電車である場合 交差道路を左方から進行してくる路面電車

2  車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、その通行している道路が優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)である場合を除き、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、当該交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。

via: 道路交通法

なので、「もういいから先に行ってくれー!」と言わんばかりにジェスチャーで先に行くよう合図。そしてそのクルマは先に行ったのですが、そうしている間にその後ろからもゾロゾロ数台のクルマがやってきて、一時停止しては「あのクルマ、先に行かないのかしら……」みたいな怪訝な目で見られたりしました。もう全部先に行かせたけど。

なんとなくの推測なんですけど、この交差してる道って高速道路の側道になってて、かつこの十字路より先(つまり私から見て右手側)は一方通行のちょっと細い道になっているんですね。なので、ひょっとするとこの交差点では私の走ってきた道の方が優先、みたいな暗黙の了解みたいなのが地元民の間ではあるんじゃなかろうか……という気もしてきたり。

私が道路交通法を勘違いして間抜けな行動をしていた可能性も捨てきれませんので、もし私のアホさ加減に気付かれた方はご指摘をいただければと思いますが……。いやホントに、自分の優先道路の解釈ってこれで合ってるんだっけ?と自信が無くなってきました。

しかしですよ、これ道路の実情と法令がマッチしていない感じのする、気持ちの悪い交差点に思えて仕方ありません。この一時停止の設定はどういう意図に基づいているんですか……?

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ただただ驚く一方で、なんとなく理解もできるロズベルグの電撃引退

まさに青天の霹靂ってやつですね、F1の今シーズン最終戦となるアブダビGPで初タイトルを獲得したばかりのニコ・ロズベルグの引退表明。

Rosberg announces his retirement from F1 racing

上記のF1公式サイトの記事で、ロズベルグは鈴鹿で優勝したときにドライバーズタイトルの行方が自分の手に掛かっているコトを悟り、大きなプレッシャーと共にタイトルを手にしたらF1キャリアを終えるコトを考え始めた、とありますね。

“When I won the race in Suzuka, from the moment when the destiny of the title was in my own hands, the big pressure started and I began to think about ending my racing career if I became world champion,” he continued.

via: Rosberg announces his retirement from F1 racing

そしてタイトルを獲得した翌日には引退を決意し、奥さんとマネージャー、そしてメルセデスのボスであるトト・ウォルフに伝えたようです。

しかしまー、この決断にはただただ驚きです。なにせ彼、まだ31歳ですからね。歴代F1チャンピオンの中には若くして引退を決断したドライバーももちろんいます。一番若いのはマイク・ホーソーンで29歳でタイトルを獲得し、その後程なくして引退を表明。ただこれ60年くらい前の話えですけど。なおホーソーンは引退後数ヶ月で一般公道での事故により他界しております。

ロズベルグがF1デビューしたのは2006年ウィリアムズから……ってこのブログ始めたあとじゃねーか!このブログやってる年月よりロズベルグのF1キャリアのが短いのか!

しかしながら、ひたすらびっくりする一方で、ロズベルグの決断がなんとなく分かるような気もします。F1で最強のクルマを手にしてタイトルを争うというのはレーシングドライバーならまさに願っても無い状況ですが、同時にとんでもないプレッシャーに晒されるワケです。「このクルマで勝てなかったらお前もうダメだ」と言われているに近い状況ですからね。

そしてロズベルグの場合、チームメイトがルイス・ハミルトンというこれまた物凄い才能を持ったドライバーなワケです。特にこの3年間、メルセデスは「1強」といって良いレベルで突出した力を持っていたワケで、実質タイトルを争う相手はハミルトンただ一人。当然ながら、2人の対決は常に注目されるコトになります。しかしハミルトンは恐ろしく強く、世界の注目を集める中で2年連続でタイトルを奪われてしまった。

これはやはり、レーサーとしては非常に消耗する状況だと思うんですよ。世界が注目する中、ただ一人のライバルに、2年連続で負けてタイトル逃すっていうのは。ハミルトンとは同い年で長い間競い合ってきた関係ですし、ミハエル・シューマッハがチームメイトだったときは3年連続で勝った(年間獲得ポイントで上回った)という自負もあっただろうだけに、なおさら。

近年だとレッドブルが非常に強かったときにベッテルのチームメイトだったマーク・ウェバーも似たような立場だったと言えるかもしれませんが、ベッテルとウェバーは年が離れていたし、チームも若くて勢いのあるベッテルを優先する姿勢を示していたので、ウェバーはある意味心理的にどこか割り切っていたんじゃないかとも思うんですよね。

一方ロズベルグは、なんとかハミルトンを上回ろうと3年間タイトルに手を伸ばし続けた。それでも、心のどこかで「速さではハミルトンに適わない」という思いがあったんじゃないか、という気もするんですよね。メルセデスでタイトル獲得のチャンスが巡ってきたならば、おそらくそれは最初で最後のチャンス……そういう思いがあっての、「初タイトル直後に引退決断」だったように見えます。

形としてはロズベルグの「勝ち逃げ」ですが、見方を変えるとこれはハミルトンに対する「敗北宣言」にも見えてしまいます。ハミルトンは3度タイトルを獲得してもまだまだ勝ちたがってるし、それができると思っている。でも、ロズベルグはそうは思わなかった。ひょっとしたら、1982年にタイトルを獲得したものの、その後はタイトル争いに絡むことなく引退した親父、ケケ・ロズベルグのコトも少し思ったりしたでしょうか。

「もちろん最初は子どもの憧れみたいなものだった。でもやがてどんどん本格的になり、真剣に目指すようになった。(達成できて)今はとにかく幸せだ。それと同時に、言った通りすごくタフな1年だった。それをまた繰り返すことは僕にはできない」

via: 「難しい決断ではなかった」とロズベルグ | Mercedes | F1ニュース | ESPN F1

ともあれ、これでマッサ、バトン、ロズベルグと長いことF1を盛り上げてきたドライバーが一気に姿を消すことになります。メルセデスの後釜が誰になるのか気になるところですが、まーパスカル・ウェーレインが一番有力というコトになるんでしょうか。ちょうど来季のシート決まってなかったし。

WEBではアロンソやベッテルがメルセデスに売り込み掛けてるんじゃないか、なんて冗談とも本気とも付かない言説が飛び交ってますが、ハミルトンという「最強」ドライバーをキープしている限りは、メルセデスが敢えて他所から大物ドライバーを慌てて連れてくる必要性は薄いと思うんですよね。それにアロンソもベッテルも来季はまだ契約が残っているワケで、連れて来ようと思うと契約で揉めに揉めて高い違約金払ったりするコトになるでしょうし。

ロズベルグF1電撃引退余波。後任は「自由に開かれている。急がない」とチーム代表

ともあれロズベルグ、ひとまずお疲れ様。今後どうするのかわからないけど、きっとレーサーは続けるんだよね??

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プリウスのシフトレバーを疑問視する声に対する疑問

最近、Twitterで「プリウスのシフトレバーの配置は間違えやすく、プリウスがコンビニに特攻するのはこれが原因じゃないか」と指摘してる人を見かけました。……てか、この話なんか前にも聞いたコトあるなぁ、と思ったら、今年の頭にも別の人が似たようなコト呟いてたのがTogetterにまとめられてて、私もはてブしてました。なんてこったい。

高齢者がプリウスでドライブとバックを間違えてしまう原因は「シフト」にあるのではという指摘が新しいと話題に - Togetterまとめ

この時の私、はてブのコメントで『そもそも、プリウスのDとRを間違えて事故った事例がどんだけあんのかが気になる』と書いているんですが、結局今でも言いたいコトは同じになりますね。プリウスでドライブ(D)とバック(R)を間違えた結果の事故、っていうかプリウスそのものの事故率が他車種に比べて有意に高いという統計資料を見たコトが無いので、結局これは個人の印象論に過ぎないと思うワケです。

コンビニに突撃するのはシフトを間違えたせいなの?

プリウスが事故っているシーンを良く見る、という方もいらっしゃるでしょうが、なにせべらぼうに売れているクルマなので、絶対数で言えばプリウスが多くなるのは当然というコトになります。問題は、路上を走っている何%のプリウスが事故を起こしているか、という話で。

コンビニにクルマが突撃する事故に関しても、ニュースを見ると大抵「アクセルとブレーキを踏み間違えた」という話なんですよね。ドライブとバックを間違えた、というケースは正直記憶にありません(無いとは言わないけど)。当然、ペダルの踏み間違え事故はシフトレバーとはなんの関係もありません。踏み間違え事故に関しては、このブログでも以前記事を書いたりしてます。

アクセルとブレーキのペダル踏み間違え事故を減らすにはどうすりゃいいのか

MT車の感覚でドライブとバックを間違えるの?

上にリンク貼ったTogetterは、プリウスのDレンジのポジションがマニュアル(MT)車のバックギヤのポジションと同じだから、MTから乗り換えた高齢者が間違えるという指摘なんですが、そもそもこれまでずっとMTに乗ってきて、初めて乗り換えたAT車がプリウスだったっていうお年寄りがどんだけ居るのかっていう話で。いや確かにたまーに居ますよ、「俺はマニュアルじゃないとダメなんだ」とか言ってATを頑なに拒むおじいさん。

しかしですね、そういうおじいさんの心のよりどころだったクラウン・ロイヤルサルーンのMT設定も2000年頃には消滅してるんですよ。15年以上前ですね。MTからダイレクトにプリウスに乗り換えたおじいさん、どんだけ居るんですか?

そういうじいさんが居ようが居まいが、紛らわしいのには変わりがないっていう向きもあるかもしれません。……んが、そもそもペダルの数から違うクルマを運転するのに、MT車の感覚をそんなに引きずるもんでしょうかね。それにもしバックに入れたつもりでドライブに入れてしまったとしてもですよ、通常バックギヤに入れたら鳴るハズのブザーが鳴らない、ブレーキから足を浮かせたら前に動く……その時点で間違いに気付いてもう一度ブレーキ踏むよね?

前に進んだからパニクってアクセルを踏んでしまうかも、なんて言う人も見かけましたが、ブレーキから足を浮かせた時点で車両は前に進むんです(プリウスもクリープ現象を再現するようになってます)。もう一度そのまま足を降ろせば済む話です。そこからアクセルに足を動かして誤踏みしたりします?

シフトレバーの位置でギヤを判別できないと危ないの?

最近Twitterで見かけた方は、プリウスのシフトレバーはDレンジやRレンジに入れたあとにレバーが元のポジションに戻ってしまい、レバーの位置で今DレンジなのかRレンジなのかが判別できない、という点を問題視してました。しかしですねー、これ言い始めるとプリウスだけの問題じゃなくなってしまうワケです。電子制御でシフトを動かす、シフトバイワイヤを採用している車両は多くコレに該当してしまうので。フィットハイブリッドもプリウスとよく似たシフトですけど、こっちは叩かれませんねぇ、ふしぎー(棒読み)。

ハイブリッド車|タイプ・価格|フィット|Honda

メルセデス・ベンツはコラムシフト型のシフトバイワイヤを採用しているんですけど、これなんてレバー自体がステアリングの裏に隠れてて超絶わかりにくいですね、大変だー(棒読み)。

ウチはメルセデスのA180ですが、これ割とすぐ慣れちゃうんですよ。覚えるべきは下に引くとDレンジ、上に上げるとRレンジ。ボタンを押すとP。こんだけ。プリウスも一緒ですね。今どのレンジに入っているかわかんなくなっちゃったら、もう一度同じ操作をすれば良いのです。Dレンジに入っているときにもう一度Dに入れる操作をしたって害はないですから。メーターのインジケータを見るまでもありません。

もちろん、ちょっとした慣れは要りますよ。しかし、60代後半のウチのかーちゃんもすぐ慣れちゃいましたからねぇ。プリウスの操作系が分かりづらい!って言ってる人は、大抵乗ったコト無い人か、普段は違うクルマ乗ってて時折プリウスに乗る人が多いような。

シフトバイワイヤの車両が増えてきているのは、シフト制御の幅が広がるからです。物理的にシフトレバーが固定されず、レバーはただのスイッチに過ぎないため、車両を制御するコンピューターが「危険だ」と判断したらシフト操作をキャンセルできたりするワケです。ウチのA180だと、センサが故障した状態でDレンジに入れ、アクセル踏んだら自動的にニュートラルになったりとかね(難儀したけどさ)。

今後の自動運転車両への展開なんかを考えても、シフトバイワイヤの技術は欠かせないものです。伊達や酔狂でこうなってるワケではありません。

蛇足ですが、こういうクルマのインターフェイスって当然ながら開発責任者が個人の独断で決めているワケではなく、社内のデザインレビューを何度も経て、エライ人(社長・取締役クラス)のレビューも経て、必要に応じてユーザビリティテストも経て、世に放たれるワケですからね。

それでも、プリウスと同じようなシフトバイワイヤのインターフェイスを採用したクルマがいろんなメーカーから出ているワケでして、それがどういう意味を持つかというのはちょっと考えてみても良いかもしれません。「そいつらが全員無能なのだ!」と主張したいなら、まぁ止めはしませんけど……。

しかし「自分が間違えそうになったんだから危険に決まっている!」という方は、自分は危ないと思った、という個人の印象論レベルならいざ知らず、「だからプリウスは事故を起こすのだ!」なんてとこまで主張するならば、それ相応の根拠となるデータを用意していただけないでしょうか。じゃないと、どうにも腑に落ちないんですよ。

とはいえ

自分の印象が世の中の真実だ!って人はこんな記事読まないだろうし、読んでも自説を曲げることはないんだろうなぁ……。

あ、ちなみに私はプリウスを買いたいと思ったコトはまったくありません。もちろん、シフトレバーが気に入らん!なんて理由で無いコトは確かです。レンタカーで3代目プリウス何度か運転してますけど、全然間違えなかったし問題だとも思わなかったよ。

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F1[16] アブダビGP 決勝

12月を目前にして今シーズンのF1も終幕……長いシーズンでしたホント。F1アブダビGP決勝。

ロズベルグ初戴冠

ロズベルグ決めましたね。もしプレッシャーでスタート大失敗こいたら……とかハラハラしながらスタートを見ていましたが、ハミルトンと共に非常にスムーズなスタート。その後いろいろあったレース展開ながらもミスを犯すこと無くレースをまとめ上げ、結果として4戦連続となる2位フィニッシュでタイトルを決めました。

「残り全部2位でもチャンピオンになれる」状態になったアメリカGPから、ホントに全部ハミルトンが勝って全部ロズベルグが2位という展開になっちゃったワケですが、しかしこの安定感は評価されて然るべきでしょう。夏休み明けは3連勝を含む4勝、2位4回、3位1回というスコアですからね。

速さで言えばハミルトンに見劣りしたのも事実ですし、スペインでの同士討ち以降成績がフラフラと下降線を辿ったときは「コイツもうだめやろ」と思ったりもしましたし、これまでのロズベルグなら実際ダメだっったと思うんですよ。それが夏休み明けの華麗な復活劇。

もちろん、ハミルトンのPUになぜかトラブルが頻発したり、一時期ハミルトンがスタートで失敗しまくってたという部分に助けられたのはありますし、この先ロズベルグが何度もハミルトン倒してチャンピオンになるかというとそうは思えない(失礼)んですが、しかしそういった諸々のトラブルやミスも引っくるめて、1年で一番多くポイントを稼いだドライバーがチャンピオンなワケです。

親父のケケ・ロズベルグだって1982年、1勝でワールドチャンピオンになってるんですからね。9勝を挙げたニコにチャンピオンの資格が無いワケありません。初タイトルの重圧の掛かったこのレースも、見事にコントロールしてみせました。ニコ、F1初のドライバーズタイトルおめでとー!

ハミルトンの執念

そして何より今回のレースで一番物議を醸したのは、ハミルトンの「ペースコントロール」ですよねぇ。ハミルトンにしてみれば、ロズベルグがスタートでミスをせず、一度フェルスタッペンの後ろになったもののオーバーテイクして再び2位に上がってきた時点で、もはや自分のチャンピオンの可能性は「ほぼ」無くなったワケです。

で、普通ならね、ここで気持ちを切り替えて、このレースに勝つことに集中するんじゃないかと思うワケですよ。まぁしゃーないと。しかしハミルトンはチャンピオンを諦めなかったんですよねぇ。後ろのレッドブルとフェラーリを追いつかせれば、「何か」起きる可能性は増す。それが何%の確率かはわからないけど、なにも考えずにプッシュするよりも、可能性は増す。

既に3度のタイトルを獲得しているハミルトン、そこまでやらなくても良いじゃん……と思うんですけど、やっぱり何度もタイトルを獲得するドライバーって違うんですよね、思考回路が……。例えわずかでも可能性があるならタイトルを狙いに行く。それが後で遺恨を残すコトになるかどうかなんて関係無く。

レース後ハミルトンは、「危険なことやアンフェアなことは何もしていない」とコメント。チームは既にコンストラクターズタイトルを獲得してるのだし、あとは自分とニコの勝負。自分がレースをリードしていて、タイトルを狙うためにペースをコントロールした。レースを失う恐れがあるとは一度も感じなかった。

Hamilton insists race was ‘clean and fair’

記者会見で「そうは言ってもセバスチャンが違うタイヤで迫っていたことは多分知ってたよね?そのタイヤアドバンテージで追いつかれる恐れはホントに無かったの?」みたいな質問をされても、「リスクを感じたことは一度も無かった」とバッサリ。

ハミルトンにしてみれば、リスクもクソも無かったんじゃないかと思うんですよね。万一追いつかれて自分までオーバーテイクされたとしても、何もせずにそのまま勝つよりマシだと。タイトルを獲得する可能性を最大限に追求するべきだと。

……とはいえ、チームからは「ペースを上げろ」と命令されている状況でも、己のタイトルへのわずかな可能性を賭けて突っ張るってね、これはスゴイ執念だなと。それが良い悪いはさておき、世界の頂点を何度も極めるというのはそういうコトなんだな、と。そしてこれは多分、セナやミハエル、そしてベッテルなんかにも共通する因子なんですよねきっと。

そしてレース後のコメントで「自分も彼の立場なら同じコトしたと思うよ、チャンピオンシップに勝つためならトライすべきだ」と言った男が……、

I think Lewis was trying to back us up, and I probably would have done the same, you have to try these things to win a championship.

via: Max Verstappen : Sunday in Abu Dhabi - team by team

マックス・フェルスタッペン、君は大物になるよ。……そして組織を束ねる立場であるトト・ウォルフは頭を抱えるワケです。

ハミルトンの駆け引きにチームのトップが苦悩。今後のために対策を講じると明言

しかしこの決勝レースでのハミルトンの態度、レース開幕前のメカニック交換に関するほのめかし……ハミルトンは、暗に「チームはロズベルグがタイトルを獲ることを望んでいた」と言いたげな感じがしますね?

そのほか

バトンのラストレースはリタイヤと残念な結果でした。縁石に乗っただけであんな足がひん曲がるとは思えないので、元々疲労が蓄積していたのでしょうか。ホンダで初優勝を遂げ、後にワールドチャンピオンを獲得した男の最後としてはちょっと寂しいレースとなってしまいましたが、本人は満足げだったのは何よりです。

もう一人引退レースを迎えていたマッサは見事9位入賞。こちらはそりゃあもう言うまでもなく満足げですよね。ドライバーズランキングではボタスに32ポイント差を付けられてしまいましたが、ラスト5レースで見るとボタス5ポイントに対してマッサ12ポイント。最後までコンスタントに入賞を重ねてみせたのはお見事でした。来年頭の鈴鹿ファン感にはゲストで来るみたいなので、それはそれで楽しそうですね。バトンも呼んでみては?

レースの最初でスピンして、終わったと思いきや1ストップ戦略で表彰台争いを演じるポジションまで復活したフェルスタッペンはお見事でした。べらぼうにプッシュするだけじゃなく、タイヤマネージメントもかなりのもんなんですよねぇ、彼……。

そして2度目のピットストップを引っ張ってスーパーソフトにスイッチし、怒濤の追撃で表彰台に上ったベッテルも久しぶりに良いレースできましたね。3位に入るのはモンツァ以来。ライコネンはオーストリア以降表彰台が無いので、フェラーリの夏休み明けの表彰台はベッテルの2回だけなんですね。まぁ終わりよければ……ではありますが、今年のフェラーリはやはり期待外れだったと言わざるを得ないかと。今回は上手いコト作戦がハマりましたが、毎戦狙ってこういう戦略立てられるようにならないとねぇ……。

ヒュルケンベルグとペレスは7位・8位に入ってフォースインディアはチームベストとなるコンストラクターズ4位。3強に次ぐポジションなんですから大したもんです。コースによって得意・不得意が分かれるウィリアムズに対して、コンスタントにポイントを積み上げられたのが大きかったですね。来年はヒュルケンベルグが去りオコンが加入しますが、これが吉と出るか凶と出るか……?

そしてマクラーレンのアロンソは10位、なんとか入賞。トータルのドライバーズランキングも10位。マクラーレンにとっては昨年に比べれば大きな進歩を遂げたシーズンと言えるでしょうが、アロンソにしてみれば今シーズン1度くらいは表彰台を拾いたいシーズンだったでしょうね。来年はトークン制が廃止されるのでホンダPUの伸びしろには期待したいですが、むしろマクラーレン側の体制は大丈夫?アロンソもシャシー側を心配するコメントしてましたけど。

長いシーズンだったし、またメルセデスがぶっちぎったシーズンでもありましたが、ロズベルグとハミルトンというタイプの違う二人がそれぞれのスタイルで戦い、そして新たなワールドチャンピオンが生まれたという結末は悪く無かったんじゃないかと思います。

……んが、そろそろ勢力分布が引っ掻き回されてもいい頃。レギュレーションが大幅に変わる来年、どんなマシンが登場してどれだけの速さを見せるのか、来季の開幕が既に楽しみだったりもします。ホンダさん頑張りましょうマジで。

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F1[16] アブダビGP 予選

いよいよと言うかようやくと言うか、これが今シーズン最終戦にしてタイトル決定戦。F1アブダビGP予選。

ハミルトンの正確さ

まぁそうなるだろうとは思っていましたが、ハミルトンがポールポジション獲得。

って言ってしまうと一言で済んでしまうんですが、ただこのタイトルのかかった大一番で、Q1~Q3まで安定してトップのタイムを叩き出し続けるっていうこの安定感、正確なドライビング。ポールを獲得したラップもまったく力んだ様子もなく、スムーズにラップをまとめてロズベルグよりコンマ3秒速いタイムを出しているんですよねぇ。

Onboard pole position lap - Lewis Hamilton, Abu Dhabi 2016(動画)

やっぱり精神的に強くなってますねぇ、ハミルトン。一方で初タイトルに挑戦するロズベルグはやはり緊張を隠せない様子。これはまぁロズベルグが小心者ってワケでもなく、F1初タイトルの重圧を目の前にすれば至ってマトモな反応ではないかと思います。かのミハエル・シューマッハだって94年初タイトル獲得時にはプレッシャーからわけのわからんミスしてるワケですし。

立場的に優位なのはロズベルグの方なんですから、彼にとっての敵はハミルトンではなく自身の内にあるプレッシャーなんでしょうね。それを如何に押さえ込んで、良いスタートを決めるか。スタートさえ決められれば、あとはある程度落ち着いてレースをマネージメントできるんじゃないですか。レッドブルやフェラーリとの差はそこそこあるし。

もしロズベルグがスタートで失敗したら……どうなっちゃうんでしょうねぇウヘヘヘヘ。

そういやハミルトンが木曜記者会見で、今季ロズベルグとメカニックの入れ替えが行われたコトについて、なんか含みのある発言をしていたみたいですね。

ハミルトン、F1メカニックのスワップについて「真相は10年後に出す回顧録に書く」

10年後には皆忘れているような気がしないでもないですが、しかしこのレース開幕前にこんな発言をするって、なんかロズベルグにプレッシャーかけにいってるような気も。ロズベルグ優位とはいえハミルトンも絶対タイトルを諦めてはいないでしょうし、決勝でもロズベルグを下位に突き落とすためになにか仕掛けを用意してたりして……?

予選後記者会見で「ニコの表彰台についてはコントロールできないと思うけど、明日のプランは?」と聞かれたハミルトン、予選3番手だったリカルドに対して「彼はいつも『ウィナー、ウィナー、チキンディナー(ギャンブルや勝負事に勝ってチキン料理が食べられる)』みたいなコト言ってるから、明日は彼がそれに似た何かを言うようなコトが起きて欲しいね」とコメント。

これを聞いたリカルドは「僕に勝って欲しいの?」と返して、ハミルトンは「いいや!セカンド、セカンド、チキン……2位の場合は何になるの!?」と言い、リカルドが「そんなの無いよ!」とオチを付ける一幕もあったようです。

LH: (中略)Yeah, I’m hopeful… when he [Daniel] was just talking there… he usually says ‘winner, winner, chicken dinner’… is that right, is that your saying? I kind of want him to be saying something similar to that tomorrow.

DR: You want me to win?

LH: No! Second, second, chicken… what’s the second one!?

DR: It doesn’t exist!

via: FIA post-qualifying press conference - Abu Dhabi

フェラーリは悪くはないようですが

1-2位を独占したメルセデス、セカンドロウはレッドブルが……と思いきや、3番手リカルドの後ろにはフェラーリの2台が入ってくる形に。それもライコネンが前。どうも最後のアタックでベッテルの前を走っていたフェルスタッペンがターン11でタイヤをロックアップさせてしまったようで、タイム更新ができなかったみたいですね。

んで、ベッテルはフェルスタッペンのマシンが邪魔になったりはしなかったものの、その白煙を見て集中力が乱れてしまいタイムをロスしたとコメントしてますね。しかし、テレビ中継で川井ちゃんが触れてましたが今季の予選はこれでライコネンがベッテルに対し11勝10敗なんですねぇ。

どんなマシンでも安定してラップを刻むライコネンに対して、ベッテルはフィーリングがバシッとハマれば手の付けられない速さを発揮する一方、なにか微妙に噛み合わないと調子を崩していっちゃうイメージ。レッドブルでの最終年と、今年のベッテルの姿はなんとなく被って見えます。

4度のワールドチャンピオンではあるものの、なんかこう成熟してない感じもあるんですよね、ベッテル。ハミルトンが今とても成熟して脂ののった状態であるだけに尚更そう見えるのかもしれませんが。

フェラーリ勢に間に入られちゃったものの、レッドブルは周りがウルトラソフトスタートなのに対してスーパーソフトスタートなので、ここが決勝でどれだけ影響が出るのか楽しみなところ。

そのほか

今回はタイトル決定戦であると同時に、長年F1で存在感を示してきたフェリペ・マッサとジェンソン・バトンのラストレース(バトンは若干言葉を濁してましたが)。2人とも印象深いドライバーだっただけに、ラストレースも最後まで走り切ってくれるコトを望みます。マッサは10番手、バトンは12番手と2人ともポイント狙えるポジションですしね。

あと、「なんでオコンのシートが決まって俺のシートが決まらねーんだコノヤロウ」と不満を漏らしていたウェーレインが最終戦で予選16番手。一方のオコンが20番手止まりなので、意地を見せた格好ですね。ウェーレインは現在メルセデスを通してザウバーとも交渉しているみたいですが、実力があるのは間違い無いドライバーなので、ぜひどこかのシートを得て欲しいものです。グティエレスよりも余程良いと思うよ(?)。

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