Philips Hueを買い足して、間接照明っぽくしてみた話

先日、首を長くして待っていたF1の開幕戦が行われたんですが、しかしよくよくこの先の開催予定を見てみると、今までの遅れを取り戻すかのごとく超過密なスケジュールが組まれており、7月と8月でF1が無い週末がそれぞれ1回ずつしかないという有様なんですよね。ほいでもって最近の私、ブログの更新頻度が落ちまくっているもんですから、このままだとこの先2ヶ月くらいF1のコトしか書かなくなる可能性もあるワケです。F1のある週末はF1のコトを書く、というのがこのブログの唯一定まっているルールなので。

しかし2ヶ月以上もF1のコトしか書かない、というのも偏りすぎな気も……というコトで、意識的にF1以外のネタも入れていきたいな、と思ったりもするんですが、最近になってリモートワークが終了してふつうに出勤するようになっちゃったもんですから、平日に時間が有り余っているというワケでも無かったりします。なので、平日には時折さらっと簡単なネタを……。

……というのが前振りで、最近のちょっとした買い物ネタ。

Philips Hue

2年半くらい前に、Amazon Echoを買った勢いでPhilips Hueのスターターセットを購入したんですが、最近久しぶりにフルカラーランプを買い足しました。

あと一緒に、800円くらいの安い陶器製ソケットも購入。

このソケット、安物ではありますが、一応オン・オフスイッチも付いています。簡単なヤツですけど。
Philips Hue

ほいで、これにHueを取り付けまして、
Philips Hue

テレビの裏に置いてやりますと、
Philips Hue

簡易的な間接照明のいっちょあがりです。
Philips Hue

なぜか世の中、テレビの裏に間接照明を仕込む人がけっこう居て、自分もなんとなく真似したくなってやってみたんですけど、確かにテレビって壁際にあって、照明を隠すのにちょうどいい大きさで、かつ映像を見ているときに後ろで光っているとなんか良い感じ、という三拍子揃った存在なんですね。しかもフルカラーランプなので、無駄に青くしたり赤くしたりできます。特に意味はありませんが。

ちなみに、しばらく前にはリボンタイプのHueも購入してベッドの下に貼り付けておりまして、こちらもフルカラーなのでベッドの足下を無駄に青くしたり赤くしたりできます。
Philips Hue

これはビジネスホテルなんかによくある、ベッド下のフットライトを見て、これ真似したら面白くないだろうかと思ってやってみたんですが、意外と悪くないです。

他に間接照明仕込むとしたら、カーテンレールの上なんかもありがちじゃないかと思うんですが、電源コードの取り回しがめんどくさそう&まめに掃除しないとホコリまみれになりそうだな……。あと、せっかく間接照明にしてオシャレっぽくしようと試みても、常時部屋が散らかっているのでムードもクソもありません。てか、仮にムードがあったところで自己満足以上の意味はありません。

あ、映画を観たりするときはちょっと良い感じですね。

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F1[20] オーストリアGP 決勝

フェルスタッペンが早々に姿を消したあたりでは「あーもうこれ退屈なレースになっちゃうな」と思ってたんですけど、終盤に嵐のような展開が待っていました。F1オーストリアGP決勝。

予想外すぎる表彰台

ポールのボタスがそのまま勝ったのは想像の範囲内として、浮上のきっかけなんて無さそうだったフェラーリのルクレールが2位、そしてマクラーレンのノリスが開幕から表彰台に載ってくるのは予想外すぎました。ていうか、チェッカーを受けるコトができたのは全20台中のわずか11台。これだけマシンの信頼性が高くなった近年のF1においては、記録的なリタイア率といえます。

そんな荒れたレース展開だったので、ルクレールやノリスの表彰台は運に恵まれたところももちろん有ったワケですが、それ以上にドライバーの力も光りましたね。ルクレールは「F1でのベストレースのひとつ」と自画自賛、特に最期のセーフティカー明けからの猛プッシュは凄かったですねえ。マシンのポテンシャルはやはり今ひとつだったんですが、腐らずミス無くペースを維持し、最後の勝負所を外さずきっちり仕事をしてみせたところは、ホントに「エース」の貫禄を感じます。しょうもないミスしてスピンした挙げ句、レース後に「スピンしたのが1回だけで良かった」とマシンの不安定さを愚痴っていたベッテルとは次元が違います。

'I'm happy I spun only once', says Vettel after describing Ferrari as undriveable in Austria | Formula 1®

ノリスもルクレールには先に行かれてしまったものの、ハミルトンの5秒ペナルティを受けて最後の最後に猛プッシュ、ファイナルラップにファステストを叩き出してハミルトンの5秒以内にねじ込んできたのはシビれました。これが火事場のバカ力というヤツか。若いドライバーだと、ともすれば力が入りすぎてミスしてしまいそうなシチュエーションですが、お見事でしたね。ノリスは史上3人目に若い年齢での表彰台フィニッシュ(1位はフェルスタッペン、2位はストロール)……ってことは、イギリス人ドライバーとしては最年少のポディウム。ある意味、母国の先輩であるハミルトンが舞台を整えてくれた感じ?

表彰台以外もわりと予想外

トップ3より下に目を向けてもなかなかの予想外ぶりで、予選では存在感の無かった(失礼)ルノーのオコンが復帰初レースで8位ポイントゲット。そのオコンよりもさらに予選で低迷していたジョビナッツィが9位。ホンダ勢で唯一ポイントゲットしたガスリーも、予選から5つポジションを上げての7位フィニッシュ。てか、ジョビナッツィがちゃっかり(?)ベッテルより前でフィニッシュしてるのウケますね。

ハミルトンは5秒ペナルティを喰らって4位フィニッシュがやっとという状態で、予選・決勝ともにペナルティに翻弄されるレースとなってしまいました。アルボンとの接触は確かにハミルトンの方に非があるとは思いましたが、レーシングインシデント扱いかなーと思っていたので、サクッと5秒ペナルティが出たのは少々驚き。しかし、それでアルボンが救われるものでもありませんが……。

アルボンが2度目のセーフティカーのタイミングでソフトに履き替えたのはギャンブルだけど面白い作戦でしたよね。川井ちゃんが言っていたように、もし後ろの集団がみんなステイアウトを選んでいた場合、4つくらいポジションを失う恐れがあったので、レッドブルもなかなか豪胆だなあと。結果的にマクラーレンの2台とルクレールもピットに入ったので、1つポジションを失うだけで済みましたけど。もしハミルトンとの接触が無ければ、ホントにアルボン優勝もあったかもしれない。

アルボンは急いで仕掛けるコト無かったのでは、という見方もありますが、レッドブルがストレートでメルセデスを仕留めるのはかなり困難であり、仕掛けるならコーナーの立ち上がり、それもできればハードタイヤがまた十分に暖まっていないタイミングが望ましいワケで、そういう意味では早々に仕掛けにいった判断は正しかったように思います。ホント惜しかった……。

逆に、ペレスにしてみたらレッドブルのこのギャンブルはちょっと恨めしかったでしょうね。これによりマクラーレンとフェラーリもピットに入り、逆にアルボンの前を走っていたペレスはピットに入り損ね、結果的に新しいタイヤを履いた後続にやられてしまったワケなので。セーフティカーが連発するレースでは、こんな風に「前を走っているほうが損をする」シチュエーションも生まれてしまうんですよねえ。

同じ場所で2週連続開催ゆえの面白み

来週もまたここレッドブルリンクでのレースが開催されるワケですが、ある意味同じ場所で2週連続開催されるがゆえの面白さというのも出てきそう。というのは、このサーキットの縁石は毎年いろんなマシンのトラブルを引き起こすコトで有名なのであり、今年もメルセデスが深刻なトラブルを抱えていたようなので。しかも、ボタスとハミルトンの2台とも。

"The situation was pretty serious, right away from the start," Mercedes team principal Toto Wolff said when asked by Autosport about the issues. "We saw it started with issues on Valtteri's car, but it was something that can be an instant kill. Then it started on Lewis's car. We didn't really know what it was.

via: Bottas: Austria GP win not easy as Mercedes feared "instant kill" gearbox issue - F1 - Autosport

レースの序盤から問題が見えていて、しかもそれが即死レベル(instant kill)だっていうんだから穏やかじゃありません。それが縁石によって起きる振動と関連していると見て取り、両ドライバーに「縁石を使うな」と支持していたワケですが、そうなると次のレースでも同じ問題が起きる可能性は大いにあります。

もちろんチームとして対策を入れてくるでしょうが、果たして次のレースではメルセデスの2台が最初から最後まで縁石をゴリゴリ使ってかっ飛ばせるのか?というのは興味をそそるポイント。

もちろん、早々にフェルスタッペンを電気系のトラブルで失ってしまったレッドブル・ホンダ陣営も急いで対策をしなければならない立場ですが、次も同じサーキットゆえまた同じトラブルが出るかも知れない、でもじっくり対策を考えている時間も無い……てな感じで、各チームの対応力が問われるシチュエーションは興味深いですね。同じサーキットで連続開催なんて退屈でしょう、なんて思ったりもしましたが、これはこれでアリかもしれない。

フェラーリはメルセデスよりマシンの信頼性はありそうですが、いかんせん絶対的なスピードが無い。決勝でのルクレールを見ると、コーナーではまだ勝負する余地が多少なりともありそうですが、ストレートが遅い。ビノット曰く、予選でポールから1秒遅れているうちの3割はコーナリング、7割がストレートだと。

"If I looked at yesterday's qualy, compared to the pole, we are missing a second," Binotto said.

"Of the second, three-tenths in cornering, in what I was just speaking about. But then there is still seven-tenths on the power unit on the straights.

via: Ferrari losing 0.7 seconds per lap in F1 power unit performance - F1 - Autosport

これは正直急いで対策を入れる、なんてレベルの話ではなく、ビノット曰くエンジン開発は凍結されているし、ドラッグ対策もすぐにできるものではない、と。今回はレース展開のアヤとルクレールの奮闘で2位をもぎ取れましたが、次はそう上手くはいかないでしょうねえ……。

あ、あとライコネンのタイヤ脱落事故を起こしたアルファロメオは5,000ユーロ(約60万円)の罰金みたいですね。

Alfa Romeo handed €5,000 fine for Raikkonen wheel incident | Formula 1®

この手の事故だと、過去にはもっと高額な罰金が科されていたような気がするんですが、コロナ渦の状況で手心が加えられたんですかね?ただ、もし同じミスを繰り返したらもっと高くなるんでしょうけど。

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F1[20] オーストリアGP 予選

予選も始まって「あ、ホントにF1が開幕したんだなあ」と感じる一方、やはりどことなくしっくりこない雰囲気を感じたりもして……F1開幕戦、オーストリアGP予選。

今年もドイツの科学力は世界一なのか

開幕前はレッドブル・ホンダがかなり速そうだ、という評判が立っており、これメルセデスとガチンコ勝負いけるんじゃね?くらいの勢いだったワケですが、フタを開けてみたらメルセデスの0.5秒落ちという衝撃。Q1、Q2まではそれなりに競っている感じでしたが、Q3でメルセデスが恐らく予選用のエンジンモードを使ったのか、ポーンとタイムを突き放して見せました。1周が短く、大きなタイム差が付きづらいこのサーキットでの0.5秒差はなかなか衝撃的……。

ポールを獲得したボタスとフェルスタッペンのアタック比較動画を観てみると、どこで遅いというよりも、全体的に遅れている感じしますね。だからこそやっかいなんですが。

HEAD-TO-HEAD: Where Bottas had the edge over Verstappen in qualifying

ただ、昨年のタイムを見直してみると、ポールを獲得したルクレールに対して、フェルスタッペンは0.4秒遅れではあったんですよね。そしてさらにスタートで出遅れてしまってもなお優勝したコトを考えると、まだメルセデスの勝利と決めつけるのは早計かもしれません。

昨年もフェルスタッペンはミディアムでのスタートからハードタイヤに切り替えて勝利しており、実はメルセデスも昨年はミディアムスタート。そして比較的涼しかったという金・土に比べて日曜日の決勝は暑い気温が予想されているみたいなので、決勝レースペースがどうなるか、がカギを握りそう。メルセデスのアンドリュー・ショブリンの見立てでは、ソフトとミディアムでそこまでレースペースに差はないというコトなんですが、ここが注目ポイントですね。

We've also got Max starting on the Medium compounds which will go a bit further than our Softs, but in terms of pace, we've not seen much difference between the tyres.

via: Andrew Shovlin, Trackside Engineering Director : What the teams said - Qualifying in Austria | Formula 1®

なお、フジテレビNEXTの中継で川井ちゃんが指摘していた最終アタックでのハミルトンのイエローフラッグ無視?の件、審議はされたみたいですけどお咎めナシってコトになったみたいですね。

今回のハミルトンの疑惑についてスチュワードが映像を見直したところ、イエローフラッグとグリーンライトのパネルが同時に提示されていたことが判明したとして、この件については不問とすることを決めた。

via: ハミルトン、黄旗無視の疑いで呼び出されるも不問に | Mercedes | F1ニュース | ESPN F1

これとは別に、Q3最初のアタックの最終コーナーでトラックリミットを超えたとして、タイム抹消となってます……が、2回目のアタックでこのタイムは上回っているので、ハミルトンの順位には影響は無し。

そういや、なお燻っていたDASの問題についても、レッドブルの抗議が却下されたコトで合法であるコトが改めて確認されたみたいですね。これでとりあえず、メルセデスとしては憂いなく決勝に臨めるワケです。

Mercedes DAS system ruled legal as Red Bull protest rejected | Formula 1®

そういや、何気にボタスはこのオーストリアでポール獲得するの、3度目になるんですねえ。ボタスは他に複数回のポールを獲得したサーキットが無く、オーストリアは相性のいいサーキットなのかも。ただ、優勝したのは1回だけ。

思いの外悪いフェラーリ

フェラーリは開幕前からマシンのパフォーマンスの悪さを公言しておりましたが、そうはいっても予選が始まればある程度は帳尻合わせてくるんじゃないのー?という気もしていたんですよね。ただ、ベッテルがQ2ノックアウト、ルクレールも7番手がやっと、という有様を目にすると、これは重傷だなと。

川井ちゃんが、フェラーリのタイムが昨年よりも悪化しているコトを指摘していましたが、 確かにルクレールのタイムは昨年より1秒近く落ちてます。これは結構衝撃的。実はフェルスタッペンのタイムもわずかに昨年のタイムより遅いんですけどね、まあフェラーリほどでは無いというコトで……。

予選後のコメントでは、ベッテルは「セッション最後までクルマに自信が持てなかった」、ルクレールは「僕らがチームとしてできることは、元気を出して前向きになることだよ。簡単じゃないけどね」、ビノットは「予選結果にガッカリしていることを否定しても仕方無いだろう」みたいなコメントをしており、チームとしても「想像以上に悪かった」というムードがアリアリと。

ベッテルはマシンがかなりドラッギーだ、と言っているみたいですけど、やはりどうしても昨年のフェラーリのPU疑惑が頭をよぎりますねえ。あれだけ直線が速かったマシンが、今年ここまで遅くなるの?っていう。

どちらにせよ、この雰囲気を見ると今年のフェラーリがチャンピオンシップに絡む可能性は限りなく低そうですね。シーズン中に挽回しようにも、シーズン自体が短いし(ていうか、最終的に何戦になるのかもわかってないし)。そうなると、ボタスなりフェルスタッペンなりに頑張ってもらわないと、ハミルトン圧勝のシーズンになりかねない……?

変化するセカンドグループの勢力図

セカンドグループはまずマクラーレンが良い仕上がりですね。ノリスの予選4番手はちょっとした驚きで、レッドブルの間に割って入ってみせました。マクラーレンが予選トップ4に入るのは、2016年のこれまたオーストリアGPで、5番手タイムから3番グリッドに繰り上がったバトン以来かな?繰り上がりを除外すると、たぶん2014年のソチでバトンが4番手に入って以来……。まさに、マクラーレンにとってはしてやったり、という感じでしょうね。

昨年から見えている傾向として、ノリスは予選が速い一方、決勝で着実にポイントを積み上げるのはサインツという感じがするので、今年のノリスの課題は決勝での安定感でしょうか。もし獲得ポイントでサインツを上回るコトができれば、ノリスは「来年のフェラーリドライバーに勝った男」としてさらに株を上げるコトになるんでしょう。

マクラーレンに続くのがレーシングポイント。2台揃ってのQ3進出を達成、去年のオーストリアは2台揃ってQ1ノックアウトだったコトを考えると劇的な進歩と言えます。メルセデス・コピーだと散々揶揄されたマシンですが、津川さんは「中身はちゃんとレーシングポイント」と擁護してましたね。

レーシングポイントが2台揃ってQ3行くのはいつ以来だろう、と思ったら、レーシングポイントとしては初になるのかな?まあなにせストロールが予選遅……いやさちょっと苦手なコトもありますしね。フォースインディア時代含めると、2018年のアメリカGP以来ですかね?やっぱり、ペレスとオコンのコンビは強かった。

この2チームがセカンドグループの先頭を走り、その後ろにルノーやアルファタウリが続く、という格好になりますね。しかし、アルファロメオは結構厳しいですねえ。2台とも、ウィリアムズのラッセルに負けてるし。昨年のオーストリアは。2台揃ってQ3進出できていたのに……。アルファロメオも、フェラーリ同様昨年から大きくタイムを落としてしまっているチームですねえ。そういう意味でいうとハースもなあ……あれ、みんなフェラーリPUだなあ……。

ウィリアムズのラッセルは昨年から0.8秒くらいタイムを伸ばしているので、そういう意味ではウィリアムズにとってはポジティブな状況ですね。開幕前にメインスポンサーを失うなんていう悲劇もあって、チームがどうなるかわからなくなってきていますが、さすがにウィリアムズの名前が失われるのは避けて欲しいなあ……。

WE RACE AS ONE

F1は「WE RACE AS ONE」というスローガンを掲げ、COVID-19や人種差別といった問題に団結して立ち向かう、というアピールをしてますね。開幕戦から各チームのマシンやコースにそのロゴを掲出したり、マシンの一部をレインボーカラーにしたり、あと「End Racism(人種差別撲滅)」というロゴも見られたり。

レインボーカラーは多様性の象徴としてLGBT運動で用いられていますが、LGBT運動で使われているのは6色なのに対し、F1のそれを見ると10色くらいありますね。これは、人種的なものとかより多くの多様性を象徴しているってコトでしょうか。

Formula 1 launches #WeRaceAsOne initiative to help fight challenges of COVID-19 and global inequality | Formula 1®

(余談ですが、レインボーカラーがLGBTの象徴として使われているというのを知ったきっかけは、Apple Watchの「プライドエディション」バンドでした。現在愛用中)

んで、どうもオーストリアGPの決勝前に、BLM運動への賛同を示すためにドライバーたちが片膝をついてアピールしよう、という話があったようなんですが、結果として片膝をつくのはドライバーの自由意志に任せる、というコトになったようで。

その詳細を語ったルノーのダニエル・リカルドは「昨日のドライバーの話し合いでは基本的に・・・、もちろん僕たち全員が100%これを支持しているし、人種差別を終わらせないといけないと思っている。誰ひとりとしてこのアイデアに反対する人はいない。僕たちみんながサポートしている。一部のドライバーにはそのお国柄的に難しいものがあるんじゃないかと思うんだ。ひざまずくことの意味だね。僕らがこれをやろうとしている理由は、純粋にブラック・ライブズ・マターをサポートしたいからであって、それ以外は何もなく、政治的なこともないんだけど、ドライバーの出身国によっては微妙な違いがあって、受け取られ方にも少し違いがある」とコメントした。

(中略)

「みんなの意見を聞いた。誰かが悪く言われるようなことにするつもりはないし、自分たちがいいと思うことをやるつもり。特定の方法でやらなかったからとか、ひざまずかなかったからといって、その人が裁かれたり、非難されたりすることはない。僕たちの意図はこれを支持するということであって、もしかしたらそれをみんなで示すかもしれないし、その中で誰かがそれ以上のことをしたいというのなら、その人はそうするかもしれない」

via: ドライバーが反人種差別運動支持の表現方法について議論 | Formula 1 | F1ニュース | ESPN F1

これはこれで良いコトだと思います。それぞれの国・個人による考え方の違いはそれはそれで尊重されるべきだし、片膝をつくコトを強制していたのでは、それはそれで多様性を蔑ろにしていると批判されても仕方ないでしょうしね。ただ、どんな国であっても人間は差別をしてしまう生き物だし、それは国に関係なく皆で考えるべき問題なのは確かなのであって、その部分だけ同意できれば、あとは各々のやり方で問題に向き合っていければ良いのだと思います。「こうしなければいけない」って話になると、ポリコレ棒や自粛警察みたいな話になるのであってね。

とはいえ、F1が基本的にヨーロッパ至上主義的な文化で歴史を重ねてきたモノであるのも確かなので、こうしたアピールの先に、F1自体がどう変わっていくのか、それともアピールだけで終わっちゃうのか、というのは注目したいところ。

しかしなんだ、フジテレビNEXTの中継ではこの「WE RACE AS ONE」の話題には触れようとしてませんけど、それってなんか意図的なものなの?

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F1[20] オーストリアGP……が本当に始まった

ついに2020年シーズンのF1が開幕しましたね。……正直、もう感覚が狂いすぎて、これが開幕戦と言われてもピンとこないし、例年の「F1開幕戦」というものに感じるワクワク感もかなり薄れてしまっているのですが……。ただ、こんな状況になっちゃってる時点で、どう転ぼうが記録に残るシーズンになるのは間違い無いですし、今年勝利を収めたドライバーにとっても特別な体験になるんでしょうね。

ハミルトンなんかは、Black Lives Matter運動のことも含めて「今年勝つことは特別な意味を持つ」みたいなコメントしてますね。

ハミルトン、社会が変わろうとする年のタイトルは「特別」 | Mercedes | F1ニュース | ESPN F1

ハミルトンの所属するメルセデスは、チーム全体としてBLM運動への賛同を示すためにマシンのカラーリングとレーシングスーツまで黒くしてしまう徹底ぶりで、しかもこれオーストリア限定のカラーリングではなく、シーズン通してこれで行くみたいですね。なんか往年のザウバー・メルセデスを彷彿とさせるものがありますが、これを契機にモータースポーツの世界でも何かが変わっていくんでしょうか。F1も「世界選手権」を名乗ってはいるものの、人種的な多様性は皆無と言っていいレベルですしねえ。モータースポーツの場合、そもそもお金的な意味でも参戦する障壁が高すぎるので、この状況を変えていくのは容易ではないでしょうが……。

ハミルトンはヘルメットもBLM仕様にしてる徹底ぶり。

Hamilton unveils new black F1 helmet design with BLM message - F1 - Autosport

環境問題についてもそうですけど、ハミルトンはこうした世界的な社会問題に対して積極的な意思表明をするようになってますよね。他のF1ドライバーがあまりそうしたコメントを出さないコトを考えると、ハミルトンの姿勢はともすれば「浮いて」見えてしまう恐れすらありますが、今F1で一番勝っているドライバーがこうした発言を積極的にするのは良いコトだと思ってます。環境問題にしろ、人種差別の問題にしろ、F1だって見て見ぬ振りをできない問題のハズですしね。

そのメルセデスが搭載しているDAS(Dual Axis Steering system)について、FIAは「今シーズンに限って合法」というジャッジをしていますが、レッドブルはさらにこのシステムについての確認をFIAに求める構えがあるようで。

But questions marks are expected to remain over how DAS complies with F1's parc ferme regulations that limits what teams are allowed to change with the set-up of their cars following the start of qualifying.

Teams may look to lodge a protest on the grounds that adjusting the toe angle of the front wheels through the movement of the steering wheel does not fully comply with this rule.

via: Red Bull seeks clarification as Mercedes tests DAS in Austria F1 practice - F1 - Autosport

要は、システムとして合法なのはともかくとして、予選開始後のマシンセットアップを制限するパルクフェルメルールに違反するんじゃないの?というワケです。FIAとしては「来季からは使っちゃダメ」としたコトで手打ちにしたい感じがアリアリですが、この問題まだ燻るんですかねえ。ただ、こうしてレッドブルがしつこくメルセデスを揺さぶろうとしているのは、それだけ今シーズンに対する本気度が高いというコト?

トト・ウォルフは「ルールの十分な明確化を求めるのは良いことだが、今この状況下で日曜の夜を喧々諤々の議論で終わらせたくはない。レッドブルとクリスチャン(・ホーナー)はきっと正しい行動を取ってくれるだろう」……と「空気読めよ」的な発言してますね。これはこれで悪役っぽいですが。

“It’s the first race. I think on one side, it’s fair enough to seek clarification, on the other side we are aware that we don’t want to end up with a big debate on Sunday night. So I think Red Bull is going to take [and] Christian is going to take the right actions.

via: F1 must avoid post-race protest over DAS legality - Wolff · RaceFans

メルセデスの対抗馬としても今年はレッドブルが最有力、とされていますが、一方のフェラーリは実に弱気。

“I think it’s going to be a very challenging season for us,” said Charles Leclerc in an FIA press conference at the Red Bull Ring today. “It’s definitely not going to be easy.

“We still have this question mark and we still need to wait for qualifying to be absolutely sure of what we say, even though we are 99% sure that we will be struggling more than last year.”

via: F1: Ferrari "99% sure" they will struggle more than last year · RaceFans

ルクレールが言うには、昨年より苦しむのは99%確実だというワケです。一応、予選にならないと確実なコトはわからないとも言ってますが。確かに金曜フリー走行の段階ではまだ実力はわからないですが、それでもポンとタイムを出してきたメルセデスに対して、フェラーリの出遅れ感は否めないですねえ。

フェラーリの話でちょっと驚いたのは、チームとベッテルの間でそもそも2021年に向けた交渉が行われていなかったという話。これはベッテルのコメントによるものですが、ビノットから連絡が来て、一方的に契約を継続するつもりは無いと言われたとか。

The four-time world champion, who turns 33 on Friday, said: "It was obviously a surprise to me when I got the call and Mattia [Binotto, Ferrari team boss] told me there was no intention from the team to continue.

"We never got into any discussions."

He added: "There was never an offer on the table and therefore there was no sticking point."

via: Sebastian Vettel: Ferrari driver ‘surprised’ the team did not want to keep him - BBC Sport

フェラーリチームとしては、もう最初から交渉の余地は無かった、というワケです。そのわりに、以前チーム側のコメントを聞いた限りだとさも交渉はしていた風でしたけどねえ。イメージ悪化を気にしたのか知りませんけど、しかしこうしてベッテルにぶっちゃけられては意味無いのでは……。

そしてベッテル、今季のチームオーダーに関しては「理に適っているものなら従うけど、自分のために戦っているワケでもあるのだから、シャルルを楽にしてやるつもりはないし、今まで同様これからも戦い続けるよ」みたいなコメントもしてますね。

Vettel will follow team orders if it makes sense but won't "make Charles's life easy" · RaceFans

早々(かつ一方的)にベッテル放出を決めてしまったフェラーリですが、今年はマシンの調整に加えて、2人のドライバーの手綱さばきにも昨年以上の苦労が見込まれそう。ただ、もしマシンの戦闘力が優勝を狙うには程遠いレベルなんだとしたら、チームメイトバトルも発生しないかもしれませんけどね?

フェラーリは2019年シーズンのパワーユニットの合法性についての疑惑があり、それをFIAとの二者間で「和解」したなんて話がありましたが、その内容は秘密とされ公開されていません。この件もまだ燻っているみたいで、トト・ウォルフはFIAからの説明を望むコメントをしてますね。

Mercedes still seeking answers over FIA/Ferrari F1 engine settlement - F1 - Autosport

自分のところの疑惑は封じ込めようとしながら、ライバルチームの疑惑は追及しなきゃいけないんだからF1チームのボスって大変ですね(?)。

金曜日の段階ではメルセデスが順当な好スタートを切った感じではありますが、予選に入るまでは正確な位置関係はわからないのがF1の常。レッドブルはスピンするシーンなんかもあってタイムも大人しめでしたが、これもどこまで伸ばしてくるのか。

セカンドグループでは、下馬評通りレーシングポイントの評価が高いみたいですね。マクラーレン、ルノー、レーシングポイントの位置関係が気になります。ハース、アルファロメオ、アルファタウリはその下になる感じなのかなー。んで、さらにその下にウィリアムズ。

ともあれ、ようやく開幕したF1、最初の予選を楽しみたいですね。

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金鶏伝説・明智光秀生存伝説までもが飛び出す脅威の山城(?)、大桑城に行った話

県外移動の自粛要請も解除され、なんだかすっかり緊急事態宣言前の雰囲気が戻ってきた感もありつつ、東京は相変わらずうさん臭い状況にある昨今、如何お過ごしでしょうか。私は先日、また岐阜の山城に行ってきました。岐阜市の北、山県市にある大桑城(おおがじょう)です。
大桑城

土岐氏の城として知られる山城ですが、なんでここに行こうと思ったかといえば、『麒麟がくる』がきっかけですもモチロン。クルマのナビでは「大桑城」が出てこなかったのですが、城のちょい南に「おおが城山公園」というのがあるので、ここを目的地として行けば問題ないでしょう。

登ってみる

公園には20台くらい駐められそうな駐車場があり、ここにクルマを駐めて登山道を上っても良いんですが、ここからもうちょっとクルマで山を登っていける道があり、その先にある「はじかみ林道登山口」の駐車場にクルマを駐めて上ったほうが、手っ取り早く頂上に辿り着けるようです。案内看板によると、公園からの旧登山道で頂上まで60〜90分(けんきゃくコース)、はじかみ林道登山口からで20〜30分(ゆったりコース)とのこと。

しかしここはせっかくなので、「けんきゃくコース」を登ってみます。
大桑城

「マムシ注意」の警告に道三ぽいイラストが描かれているのがポイントですね(?)。道三はこの城を複数回に渡って攻め落とし美濃を掌握しているワケで、まさにマムシには注意せねばなりません。
大桑城

ところどころ、岐阜城でも見かけたチャートの岩肌が見えますね。このへんの山ってみんなそんな感じなのな。
大桑城

登り始めてから30分弱、早くもバテ始める。しかし、容赦無く登り道は続く。なんかここ、ひたすら登りが続いてて、一息つけるようなポイントが無いんですけど……。あと私の場合、普段ウォーキングはしているけど、山は登り慣れていないので変に体力を消耗しちゃってるのかも。
大桑城

もう少し進むと、「番所跡」がありました。ちょっとだけ開けている場所で、確かにいかにも何かがあったところなんだな、というのはわかる。山頂までの行程のちょうど半分くらいのポイントになると思うので、ここでちょっと休憩するのが良さげ。
大桑城

そしてここ、「足下に石垣あり」っていう案内板があるもんだから、
大桑城

足下を覗いてみるとほとんど見えない。これ、斜面に降りないとわからないやつ。そして、足滑らせて斜面を落ちると這い上がってこれないやつ……。
大桑城

ちょっと休憩後、再び登っていくと、今度は「馬場跡入り口」がありました。
大桑城

ここにある古い看板、よく見ると「国盗り物語 ゆかりの地」って書いてあって、ひょっとして大河ドラマで『国盗り物語』が放映された当時(1973年)からずっとここにあるものなのかな……。
大桑城

ただ、馬場跡が山頂方面とは逆の方向だったので、ここではスルーしました。ていうか、結構息が上がっていたので、さっさと山頂まで行きたかったっていう。

そしてもう少し進むと、ごっつい岩と竪堀が見えます。
大桑城

ここ、道の両端が急斜面になっていて、そのどちらにも深い竪堀が掘られています。これはもう意図的にこういう造りになっているんですけど、道がかなり細くなっているもんだから、ふつうに歩くだけでもちょっとおっかないです。
大桑城

そしてなんかテレビで観たことあるような顔が……。そういや、NHKの歴史番組・『英雄たちの選択』でも紹介されてたんでしたっけ、ここ。
大桑城

このもうちょい先には、「霧井戸入口」と書かれた看板が倒れてました。これも『国盗り物語』由来か……。これも興味あるんですけど、ひとまず山頂目指したかったのでスルー。
大桑城

そして、ここでようやくはじかみ林道登山口からのルートと合流します。もう山頂近いのに。てことは、この新登山道経由で来ると、途中の番所だとか馬場だとか竪堀なんかをぜんぶすっ飛ばしちゃうんですねえ。この合流ポイントから竪堀とかは割と近いので、このルートから登る方は山頂だけでなく、ちょっと旧登山道方面へ降りてみるのも面白いかもしれません。
大桑城

んで、合流ポイントのすぐ先に「台所跡」と伝わる場所に出ます。こんな山城の台所って、果たしてどんな感じだったのか……。そもそもこの山、屋敷が建てられるような平坦な場所もほとんど無いような気がするんですけど、実際どれくらいの建物があったのか(基本的には皆、麓で生活していたんでしょうけど)。
大桑城

そして山頂までのラストスパート、ちょっときつい登りなんですが、ここはご丁寧にロープが張られています。ちょっと真田の砥石城を思い出しましたが、砥石城に比べればよっぽどラク。
大桑城

そして山頂……ってなんだコレは。
大桑城

どうも、昭和63年にここに設置された「ミニ大桑城」のようです。……ていうか、絶対天守なんて無かったでしょうこの城。しかも大きさとしては本当に「ミニ」で、特撮に出てくるミニチュアくらいの感じです。なんか扉も付いているんですが、中がどうなっているのかは不明。
大桑城

この「ミニ大桑城」のすぐ上が山頂です。麓から、だいたい1時間といったところ。
大桑城

山頂近くに、なぜか大桑城にちなんだクイズが書かれてました。なお、板の裏に正解が書かれています。
大桑城

ミニ大桑城が立っているあたりが一番のビュースポットになっており、あたりの地形が一望できます。下の写真中央やや手前のスペースがクルマを駐めた城山公園で、その右にある谷筋が城下町があったとされるエリア。この谷筋の入り口あたりに四国堀があった感じになるので、そう考えるとなかなかの規模ですね。今はかなりの田舎なんですが。
大桑城

んで、城山公園の上、奥のほうに見える山が金華山。写真を拡大すると、岐阜城の天守らしきものもチラッとだけ見えます。この位置関係なら、道三が大桑城を攻めようと軍を動かせば、その様子は手に取るようにわかりそうなモンですが、たぶんそこは大回りをするなりしたんでしょうか。

切り井戸の「金鶏伝説」

あとは来た道を戻るだけ……なんですが、ふと興味が湧いてしまい、登ってくるときスルーした「霧井戸(今は「切り井戸」と書くみたいだけど)」に言ってみるコトに。ただここ、通常の登山ルートから外れた場所を、かなり急な坂道を降りていかないと行けない場所にあります。

その急な斜面っぷりを写真に撮るのを忘れてしまったのですが、そんな余裕が無いくらいの斜面っぷりです。ここにもロープが張られているんですが、足下が柔らかい土なので滑りやすく、マジでロープが無いと詰んでました。降りるときもロープを掴みながら少しずつ降りたんですが、それでも足を滑らせてしまい、ロープを掴んだ腕で全身の体重を支える羽目に……。スニーカーではダメだ。

そしてそんな大変な思いをしながら辿り着いた井戸がこちら。
大桑城

……なんか想像していた井戸とちょっと違った。今でも水はそれなりにキレイには見えますが、昔は水量ももっと多かったりしたんですかね。そして案内看板によると、土岐頼芸が大桑城を追われる際、この井戸に家宝の「金鶏」を隠したという伝承があるんだとか。元日の朝、この井戸から鶏の鳴く声を聞いた者は長生きすると言われる……というんですが、そもそも元日の朝にここまで来るのが相当にチャレンジングだよ……。

ていうか、山の頂上近くに金鶏が埋められたみたいな話、平泉かどっかでも伝承として聞いたような……と思ったら、似たような話が日本のあちこちにあるんですねえ。

山または塚に埋められた金鶏が,多くは元旦に鳴くという伝説。長野県下伊那郡では,朝日松の根もとに長者が金鶏を埋めた塚があり,毎年元旦に鶏の鳴き声がするといわれる。このような伝説は日本全国各地に数多く伝えられており,元旦に鳴くもの,鳴き声を聞くことを吉とするもの,凶とするものなどさまざまで,長者伝説を伴っている例が多い。これは,早朝の鶏の鳴き声によって,その日1日またはその年1年の吉凶を占った習俗とかかわりがあるものと思われる。

via: 金鶏伝説(きんけいでんせつ)とは - コトバンク

似たような話がたくさんある、というコトは、大元となる話がなにかあって、それが何かを媒介に各地に広まってアレンジが加えられていったという想像もできるワケですが、一番古いのはどこなんだろう。平泉の金鶏伝説は、奥州藤原氏の黄金のイメージと結びついて「それっぽさ」があり、松尾芭蕉の『奥の細道』にも紹介されて有名になったようですが……。

誰かこういう伝承のルーツを調べている人いないのかな、とググって出てきた三重県のページによると、

このような伝説は、県内各地に残っていて、各「市町村史」や「民話集」などで部分的に紹介されたりしています。県内各地をまとめられたものとして恐らく唯一のものは、昭和三十八年に刊行された鈴木敏雄氏の『三重の金鶏伝説地』で、県下の百六五ケ所の金鶏に関する伝説地が書き集められています。

via: 6 三重県内の金鶏伝説

三重県だけで165カ所も金鶏伝説があるってどんだけだよ!そこまであちこちにあるってコトは、大元はそれなりに昔の話っぽい気がする……。うーん、気になる。

なお、切り井戸から再び登山道に戻る際にも、滑りやすい足場に苦労しつつロープと木の根を活用しながらなんとか登ったんですが、おかげで翌日上半身も筋肉痛になりました。

桔梗塚

山から下りてクルマまで戻ったあとは、まっすぐ帰らずちょっと寄り道します。
桔梗塚

山からほど近い、クルマで10分くらいのところに、なんと「桔梗塚」と呼ばれる明智光秀の墓があるのです。
桔梗塚

明智光秀は本能寺の変を起こしたあと、山崎の合戦で秀吉に敗れ、落ちのびようとしていたところを落ち武者狩りに遭って死んだとされていますが、例によって「実は生きていて、名を変えて天寿をまっとうした」という伝承があったりするワケですね。非業の死を遂げた歴史上の人物にはだいたい付きまとってくるやつ。

じゃあ、光秀はなんでこの土地にやって来たのかというと、なんと光秀が生まれた場所もここだから、というワケです。恵那にもあった「光秀公 産湯の井戸」がここにもある……!
桔梗塚

説明によると、光秀は土岐元頼とこの地の豪族の娘との間に生まれ、7歳のときに元頼が亡くなったことを契機に可児の明智氏の元へ行き、養子になったという話。なるほど、生まれたのはここだけど、そのあと可児へ行ったと言われれば「可能性はあるかもな」という気がしないでもありません。
桔梗塚

ただ、土岐元頼をググってみると没年が1496年とされ、明智光秀の生年を1516年だとしても20年の開きがあり、つじつまが合いませんね。また、さらに説明書きを読むと

近くの武儀川には、光秀を身ごもった際に母が「たとえ3日でも天下を取る男子を」と祈ったという行徳岩があります。

とあり、さすがにここまで来ると作り話の臭いがプンプンします。ていうか母上、生まれる前から光秀の「三日天下」を予言していたんですか……。

あと面白いのが、お墓に続く道に立っていたのぼり。なぜか、わざわざ「春日局(光秀の重臣 斎藤利三の娘)」なんて書かれているんですよね。
桔梗塚

こののぼりはちょっと古そうにも見えるし、ひょっとして大河ドラマで『春日局』をやってたときに作ったとか……(だとすると30年前ですが)?

徳川家光の乳母である春日局が光秀の重臣の娘だったというのも、「光秀生存説」を生むネタのひとつになっているワケですが(逆賊・光秀の重臣の娘が将軍の乳母になれるのはおかしい、実は光秀は生きていて徳川家に力を貸していたのだ、みたいな)、その場合よく言われるのは、家康の側近だったという僧・天海 が実は光秀だった、なんていう話ですね。これはなぜか日光東照宮に桔梗紋があるだとか、その日光に「明智平」という地名があるっていうところからひねり出された説なんですが、この山県市で伝わっている話はそれとはまた異なるストーリーのようです。

というのも、落ちのびてきた光秀がこの地で暮らして十数年後、徳川家康からの要請を受けて関ヶ原の合戦に赴くことになり、その道中に増水した川に押し流されて亡くなった、とされているのです。家康が関わってくるのは同じなんですが、こっちの話だとあっさり死んじゃうんですね。

ただ、明智光秀の生年を1528年だとしても、1600年の関ヶ原の合戦時点では72歳。この当時だと相当な高齢です。なんで家康が、そんな高齢の光秀に出陣を乞うたのか……ていうか、家康はここに光秀が住んでるってどうやって知ったんだ。まあ、それいったら光秀=天海説だとさらに無理があるんですけどね(天海の没年は1643年)。こういう話っていつごろから語られているものなのか、どういうきっかけで語られるようになるのか、っていうのは気になりますねえ。

明智光秀という人物は前半生はほぼ謎、本能寺の変を起こした動機も謎、その最期の瞬間も謎と、歴史上の著名人なのに謎だらけなもんだから、それをダシにいろんな場所でいろんな伝承が語られるようになったというのも、ある意味面白い話ではあります。それは光秀が政治家としては有能で、地元の領民からは慕われてたことの証明だったりもするんでしょうか。

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