最近アパレル業界、テキスタイルや小売業界の幹部の方とお会すると、
異口同音に厳しい市況の深刻な話を多く聞きます。
私も長年アパレル業界の現場におり、この手の話は日常茶飯事でした。
大阪の商売人の「どうでっか?」「さっぱりですは!」、「まあまあでんな!」
は、商売の挨拶の常習の言葉でした。
ほとんどが「今年の夏は雨が多くで、さっぱりダメですわ!」、「今年の秋は、残暑でワヤクチャですは!」、「今年は暖冬で・・・・!」など「天気」の話しだったり、「景気が悪るおますな!」といった「景気」のが市況の悪さを「天気・景気」で表現していました。
その他には、「今シーズンは、ファッショントレンドが無くて、新鮮なヒット商品が無く、お客さんの「買い気」がさっぱりですわ!と、お客さんの「買い気」も商売の挨拶言葉でした。
然りながら、商売の終わりには決まって「景気・天気や買い気の悪さを、やる気で頑張ってます!」の大阪商人魂の根性論で締めくくったものです。
「景気・天気・買い気」は時間と工夫で解決できるものです。
これらに比べて、昨今の状況は、少し様相が異なると感じます。
最近の資源問題や金融不安、環境問題、少子化、後期高齢者の問題などは、一朝一夕で解決するものでは有りません。
今ファッション業界で起きている厳しい市況は、この世界的で構造的な要因に加えて、日本のアパレル産業(ファッション産業)の「業界矛盾」に起因するものと考えます。
私は前々から、日本のアパレル・小売業界が、「日本固有の矛盾」の基に成長、発展をしてきたと考えています。
「日本固有の矛盾」とはアパレル業界の商慣習の矛盾を意味します。
川上・川中・川下の中で、長年ハビコッタ商慣習による矛盾に加え、川上・川中・川下間の混乱で発生した矛盾
*紡績・原糸メーカー・産元問屋・染加工・テキスタイルの川上業界の商慣習
*アパレル・ニッター・メリヤス・縫工場・付属問屋間の川中の取引慣行とOEM生産 とアウトソーシング
*百貨店・専門店・量販店・通販等の取引慣行とSPAやTVショップ、NETショップ等 の川下の取引実態
それらの矛盾は、下記のような商取引、商慣習が生まれ、「アパレル常識」になり、「一般的な産業界では非常識」と考えられる制度や取引条件、制度がアパレル業界に定着してしまった。
他者(社)依存と他者(社)犠牲のこれらの矛盾が、結果として、顧客へのヘッジにつながり、そのしっぺ返しをこれから受けざるを得なくなった。
この矛盾解消の取組み無くしては、この構造的な厳しい市況への対応はありえないと思われる。
次回からしばらくこの矛盾に対して、投稿してみたいと思う。
矛盾
①委託取引(買取委託?) ②値引制度 ③FA制度(派遣社員) ④インショップ ⑤売買契約書の無い取引 ⑥長期の手形取引 ⑦延勘定
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その他には、「今シーズンは、ファッショントレンドが無くて、新鮮なヒット商品が無く、お客さんの「買い気」がさっぱりですわ!と、お客さんの「買い気」も商売の挨拶言葉でした。
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