伊方原発の廃炉のために

2006年から「伊方原発のプルサーマル問題」として続けてきましたが、伊方原発の廃炉のために、に15年に改名しました。

エネルギー基本計画へのパブコメを提出しました

2018-06-17 22:29:20 | ん!ピークオイル時代を語ろう

 もうずっと昔から、パブリックコメントを出して、無視され続けてきたその、もう一回を重ねるものになったかと思います。

6月17日〆切りとのこと。

HPから http://bit.ly/2KGiDop にアクセスして送信する方法で、以下の3件ほど提出しました。

提出意見

エネルギー基本計画の中で、核燃料サイクル計画の破綻を認め、脱原発を実現する方向に大きく方針転換を図るべきである。

 核のごみ問題は完全に行き詰まっているという現状を認めることが出来なければ、あと何十回計画を作り直そうが、国のエネルギー政策をまともなものにすることはできない。

結果として国際的なエネルギー政策にも乗り遅れ、産業競争力も衰退を続ける道へとただ突き進むだけとなるだろう。
 重厚長大製造業のお偉方は、これまでの日本の少子化、人口減少社会化を全く見過ごしてきて、社会自体が持続不可能な縁に来ている今日、それらの失敗し続けてきたお偉方の首をすげ替えて、エネルギー基本計画を新しい方向へ推し進めなければ未来はない。

 核のゴミ問題は、未完の核燃料サイクルのあらゆる過程で困難と不都合が生じており、とうとう、30年前の日米原子力協定では例外的に認められていたにも拘わらず、30年掛かっても核燃料再処理工場の稼働にまで到達していないため、米トランプ政権からは余剰プルトニウムの兵器への転用を危惧され、協定の存廃をテコに新たに横やりを入れられる事態が生じている。(6月10日の日経新聞記事はその走りである。)

 もちろん、日本政府にはこの余剰プルトニウムを使って独自に核武装をするというオプションは存在しない。そうである以上、現在有る余剰プルトニウムについては米国と共同して、一緒に地中に希釈処分するために米国に提供するという仕組みを新たに作り上げるしかないだろう。(米国NGOのUCSエドウィン・ライマン氏の提案方式。)

 プルサーマルが復活しつつある(なのでプルサーマル炉で余剰プルトニウムを消費できる)、というような論点は実態を見ない不毛な論である。
例えば再稼動を一時始めた伊方原発3号炉は、3年計画で導入するための初年度の1/3のMOX燃料を2010年に装荷した後、16年の再稼動時にも新たなMOX燃料を入れることが出来ていない。過去の燃焼実績がないため、311後において装荷量を増やすことを愛媛県知事から拒否されているため、実質的にはプルサーマル計画は復活していないのである。
もちろん伊方3号機は広島高裁での仮処分で差し止めを喰らっており稼働出来ない現状である上、他の3県からも別々の仮処分訴訟を起こされており、いわゆる司法「リスク」があって、プルサーマル計画は復活できていないのである。
 このプルサーマル計画が実行に移され始めた時期であっても、プルトニウムのバランスは在庫が膨れ上がる一方であり、だからこそ六カ所村の再処理工場は実際には操業できないのではないかとも見られている。


 プルトニウムはどうするのか?
 このような問題点に対する、唯一今、中立的な解決策の提案として出ているのは、日本学術会議が311の後提言した、使用済み核燃料の直接処分への方針転換と、実際に開始するまでの数十年から数百年にわたる暫定保管を続けるというものである。
 既存の原発の核のゴミはこの方式の方が、再処理工場、第二再処理工場と作り続け、高速炉という未完の技術の完成を前提とする行く先のない泥沼の前進をするよりも、脱原発のための最小負担での撤退の道を探るのが、本来福島原発事故を発生させた官製民営の原発政策推進の責任を負う日本政府の採るべき道である。

 

提出意見 経済学者ケインズが紹介したとされている逸話「経済とは美人コンテストのようなものである」があります。
つまり自分自身が美人と思う人ではなく、美人とはどんな人かという世間の概念に従って動くものであるという趣旨の話。エネルギー政策もこれと同様に美人コンテストであると言える。

 世界の他の国々が、最良のエネルギーシステムとして想定するものに従って、エネルギー政策が定められ、そこでの普及技術が他者との共通の言語となるのである。
この点で、日本のエネルギー政策はこれまでのところ、世界の中で孤立、ガラパゴス化してきたと言わざるを得ない。

 国際的な動向と調和したエネルギー基本計画に全面的に改定するべきである。その改定を3年後、4年後に先送りするのではなく、直ちにゼロから審議を仕切り直すべきである。

 特に、再生可能エネルギーの国際動向を国内の変革につなげるための計画が今回のエネルギー基本計画に入っていないのは致命的である。

 またその国際動向の背景要因となっている「地球温暖化対策」の位置づけしかり、2000年代における「ピークオイル問題」対策しかり、最近では「ピークオイルデマンド」という論説が海外では流行りであるが、現行のエネルギー基本計画の中にこれに対応する章も、概念自体も入っていない。

 産業技術総合研究所に勤める太陽光発電の研究者櫻井啓一郎氏 (@kei_sakurai) が6月15日のツイートで紹介しているのは、独ジーメンス社が蓄電技術の価格低下予測に従ってガスタービン事業の売却に動いているという情報だった。また、「なぜこれまでの太陽光発電の普及予測はことごとく外れたのか」という国際会議セッションについての連投発言も重要である。

 同様な世界各国の再生可能エネルギーの普及進展の状況は、例えば東京新聞でも6月3日から7日にかけて5回シリーズ「原発のない国へ 世界の現場から」でも報道されている。

 これらの海外の動静を踏まえた中身に全面的に切り替えること、従来の路線を踏襲するためだけであれば、閣議決定などの日程を確定する必要はないので、審議会の有識者委員なども全面的に差し替えて、ゼロから再生可能エネルギーを主力にするための最短経路を議論してそのための政策を導入することを目指すべきである。
提出意見 今後、原発の新増設をしないことを確約する文言を入れてください。

 私は愛媛県松山市に在住していますが、松山の西68kmの土地に上関原発計画がいまだにくすぶっています。
今回のエネルギー基本計画案の中に、原発の新増設の文言が入っていれば、中国電力はこの上関原発の敷地埋立工事を再開する予定、とされていました。

建設に10年単位の時間がかかる新設計画を諦めさせるためには、原発の新増設をしないことを確約することが一番の近道です。

愛媛県には地元伊方原発があり、折角1号、2号も廃炉が定まって、四国全体は残る伊方3号機1機だけとなって脱原発の光が見えてきたところで、原発の新増設をされれば、たまったものではありません。

福島原発事故の反省を示し、原子力への依存を極力下げることを掲げるのであれば、原発の新設を断念すると明記することが当然です。
 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿