何年前だったか?
ある週末の朝、仕事現場へ向かう地下鉄のガラガラの車内。
鬼才シンガーソングライター・オノ親一にばったり会った。
「映画を撮っているんですよ」
彼は言った。
それから数年が経った昨年、彼の映画が完成、公開されるとの噂。
年が明けアンコール上映の情報(Tさん情報ありがとう)。下北沢で鑑賞。
タイトルはオノ親一氏のオリジナル楽曲と同じ「そろそろ音楽をやめようと思う」。
夢・年齢・生活の間で揺れ動くミュージシャンとその妻を中心に描いたストーリーだった。
監督・脚本をこなしたオノ親一氏の人がらを感じる、ホッとさせられるお話で、楽しませてもらった。
鬼才シンガーソングライターは多才だったんだね!
地下鉄で出会った時だったか、ライブの時だったか。
オノ親一氏に聞かれたものだ
「イチロッカーさんは音楽をやめようと思ったことはありますか?」
「無い」
俺は答えた。
・・・・・
ひどい演奏をした夜
誰もお客さんの居ない夜
音楽の無力を感じた夜
そんな時
音楽をやめてしまいたい
いや
いっそ死んでしまいたい
そう思ったことは何度もある
でも俺はギター弾くのを
やめられないんですよ
そういう自分の
そこのところだけは
よく知ってる