今回の記事は『第三の男』(1949年、監督:キャロル・リード)です。
第二次大戦後のウィーンを舞台にしたサスペンス・スリラーの傑作。
出演はジョセフ・コットン、オーソン・ウェルズ。
オーソン・ウェルズは出演時間こそジョセフ・コットンより圧倒的に短いのですが、その存在感がとにかく強烈なものとして感じられました。
午前十時の映画祭上映作品。
■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
アメリカの小説家ホリイ・マーティンス(J.コットン)は、旧友ハリー・ライム(O.ウェルズ)からの仕事の依頼でウィーンを訪れる。
だが、ライムは自動車事故で死亡したと知らされる。
ライムの葬儀でイギリス軍のキャロウェイ少佐と知り合い、ライムが闇取引に関わっていた悪人だと聞かされるが、ライムとの友情を信ずるマーティンスは事件の真相究明を決意。
調査を進める中で、現場には行方も正体も不明な「第三の男」がいたことを突き止める。
だがさらに殺人が起こり、事件は複雑に展開していく。
たちきれぬ愛の想いを胸に秘め、
あのメロディと共に絢爛と甦る映画史上ベストワンの名作!
■感想
オーソン・ウェルズと言えば、かの有名なH.G.ウェルズのSF小説『宇宙戦争』をラジオ放送する際、当時としては異例な臨時ニュースを思わせるドキュメンタリー形式のドラマとして放送を行ったことと、ウェルズの迫真の演技により、フィクションが本物のニュースに間違われパニックを引き起こしたという逸話を聞いたことがある。
確か高校の頃に何かの授業で。
だからその名前はかなりインパクトのあるものとして記憶に残っていたのですが、スクリーンで(と言うか、映像として)オーソン・ウェルズを観たのは今回が初めてだった。
『第三の男』の主演はジョセフ・コットンですが、オーソン・ウェルズの方が強烈なインパクトとして心に刻まれます。
ウェルズのその存在感といい、眼光といい、役者としての雰囲気といい、その全てが強い。
ただならない役者として、その凄さを思い知らされました。
映画の物語はややスローリーに展開していき、正直若干の退屈さを感じました。
けれど、ウェルズ演じるハリー・ライムの登場辺りから面白さも奥深さも格段に増していった。
ウェルズのインパクトが強いのと、脚本自体も結末(真相)へ向けて走りだすので、その面白さは前半とは段違い。
もう一時も目が離せません。
特にラストの下水道のシーンは特筆で、マーティンスとハリーの対面のシーンが静かに脳裏に焼きつきました。
このシーン、セリフは一切ないのにとても印象深く残っています。
前回のカサブランカに引き続き、モノクロ映画を続けて観ることになった。
(1週間期間を挟んではいますが)
それで改めてモノクロ映画の美しさを感じることができたと思う。
色彩豊かな映像で魅せるカラー映画ももちろん綺麗で好きです。
けれどそれとは違うモノクロ映画ならではのクラシカルな美しさというものも確かに存在するんだなと思った。
『第三の男』では陰影のメリハリや構図に工夫が凝らされていて魅せられてしまいます。
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)
■Link
+⇒公式HP(Japanese)※午前十時の映画祭特設ページです。
+⇒第三の男 - goo 映画
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第二次大戦後のウィーンを舞台にしたサスペンス・スリラーの傑作。
出演はジョセフ・コットン、オーソン・ウェルズ。
オーソン・ウェルズは出演時間こそジョセフ・コットンより圧倒的に短いのですが、その存在感がとにかく強烈なものとして感じられました。
午前十時の映画祭上映作品。
■内容紹介 ※午前十時の映画祭ウェブサイトより
アメリカの小説家ホリイ・マーティンス(J.コットン)は、旧友ハリー・ライム(O.ウェルズ)からの仕事の依頼でウィーンを訪れる。
だが、ライムは自動車事故で死亡したと知らされる。
ライムの葬儀でイギリス軍のキャロウェイ少佐と知り合い、ライムが闇取引に関わっていた悪人だと聞かされるが、ライムとの友情を信ずるマーティンスは事件の真相究明を決意。
調査を進める中で、現場には行方も正体も不明な「第三の男」がいたことを突き止める。
だがさらに殺人が起こり、事件は複雑に展開していく。
たちきれぬ愛の想いを胸に秘め、
あのメロディと共に絢爛と甦る映画史上ベストワンの名作!
■感想
オーソン・ウェルズと言えば、かの有名なH.G.ウェルズのSF小説『宇宙戦争』をラジオ放送する際、当時としては異例な臨時ニュースを思わせるドキュメンタリー形式のドラマとして放送を行ったことと、ウェルズの迫真の演技により、フィクションが本物のニュースに間違われパニックを引き起こしたという逸話を聞いたことがある。
確か高校の頃に何かの授業で。
だからその名前はかなりインパクトのあるものとして記憶に残っていたのですが、スクリーンで(と言うか、映像として)オーソン・ウェルズを観たのは今回が初めてだった。
『第三の男』の主演はジョセフ・コットンですが、オーソン・ウェルズの方が強烈なインパクトとして心に刻まれます。
ウェルズのその存在感といい、眼光といい、役者としての雰囲気といい、その全てが強い。
ただならない役者として、その凄さを思い知らされました。
映画の物語はややスローリーに展開していき、正直若干の退屈さを感じました。
けれど、ウェルズ演じるハリー・ライムの登場辺りから面白さも奥深さも格段に増していった。
ウェルズのインパクトが強いのと、脚本自体も結末(真相)へ向けて走りだすので、その面白さは前半とは段違い。
もう一時も目が離せません。
特にラストの下水道のシーンは特筆で、マーティンスとハリーの対面のシーンが静かに脳裏に焼きつきました。
このシーン、セリフは一切ないのにとても印象深く残っています。
前回のカサブランカに引き続き、モノクロ映画を続けて観ることになった。
(1週間期間を挟んではいますが)
それで改めてモノクロ映画の美しさを感じることができたと思う。
色彩豊かな映像で魅せるカラー映画ももちろん綺麗で好きです。
けれどそれとは違うモノクロ映画ならではのクラシカルな美しさというものも確かに存在するんだなと思った。
『第三の男』では陰影のメリハリや構図に工夫が凝らされていて魅せられてしまいます。
映画データ | |
---|---|
題名 | 第三の男 |
製作年/製作国 | 1949年/イギリス |
ジャンル | サスペンス/スリラー/ミステリー |
監督 | キャロル・リード |
出演者 | ジョセフ・コットン オーソン・ウェルズ アリダ・ヴァリ トレヴァー・ハワード バーナード・リー ジェフリー・キーン エルンスト・ドイッチュ、他 |
メモ・特記 | 午前十時の映画祭上映作品 原作:グレアム・グリーン アカデミー賞:撮影賞(白黒)受賞 カンヌ国際映画祭:グランプリ受賞 英国アカデミー賞:作品賞受賞 |
おすすめ度 | ★★★☆ |
■Link
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カメラ(画面)を傾けたり、光と影を駆使した独特な緊張感ある構図がすばらしかった。
あの有名なチター(ツィター?)の音楽は良くなかった?
かなり効果的であったように、思うのだけれど。
リード監督には他に「邪魔者を殺せ」なんていう秀作もあるよ。
光と影を巧く使った構図は確かにすばらしくてかっこ良かったですね。
記事の感想ではすっかりスルーしちゃってますが、チターの音色が流れるエンディングシーンは、この映画における忘れちゃいけない素敵なシーンのひとつでした。
チターの音楽も効果的で、並木道で待つマーティンスを遠目から撮った独特の映像の何とも言えない感が余韻として残りました。
リード監督の映画、機会があったらまた観てみようかな。