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白い部屋で月の歌を / 朱川湊人

2006-10-06 22:34:19 | 読書
今回の記事は朱川湊人さんの『白い部屋で月の歌を』です。
表題作+「鉄柱」(クロガネノミハシラと読みます。読めやしません…)の2作品が収録されています。


内容紹介
・白い部屋で月の歌を
私は尊敬する霊能力者の先生のもとで除霊のアシスタントをしています。
仕事は体内に霊魂を受け入れることです。
「誰にでもできることではないのよ」
先生はそうおっしゃってくれます。
だけど、人々は私を特異な目で見てきます。恐れと戸惑いがはっきりと現れた目で…。
私はそれが嫌でした。
そんな日々を送るなか、私はあなたと出会ってしまった。
あなたと二人、あの白い部屋で月の歌を聞くことができたのなら
どんなに幸せなのだろう。
けれど、それは叶わぬ願いでしょう。
私はあなたを忘れたくは、ない…。


感想
実はこの本はかなり昔に読んだ本です。
どういうわけかレビュー記事を書くのをずっと忘れていました。
(引越しとかがあって、ゴタゴタしていたからですかね。)
その為、内容紹介がかなり怪しいです。
だけどこの「白い部屋で月の歌を」の雰囲気は確かこんな感じだったと思います。
とにかく切ない方向へと話がどんどん進んでいきます。
最初と最後が繫がったとき、何とも言えない切なさを覚えました。

この本にはもう1つ「鉄柱」という話が収録されています。
どこか受け入れることのできない奇妙な土地へと移り住んだ一家の
恐怖を描いた話なのかな、
と思っていたら、意外な方向へと話は進んでいきました。
村人(あれ、町人だったかな?)の不気味さの原因は
後半に向け、少しずつ明かされていく秘密に起因しているんだなと
気づかされ、心理的に怖くなります。
人の「生きること」と「死ぬこと」について考えさせられた深い作品です。

朱川さんの話には人の持つ悪意というものを感じさせられる話が多いように
思います。
これって、静かに怖いです。
今作は2つとも人の持つ悪意というものを感じます。
それから、切なさ、やるせなさを感じさせる展開も僕は好きです。
穏やか文体で描かれる話もまた好印象です。



『白い部屋で月の歌を』 
/ 朱川湊人 / 角川ホラー文庫
ジャンル:小説(現代/ホラー)
メモ:第10回日本小説ホラー大賞短編賞受賞作品 (⇒ホラー大賞?
おすすめ度:★★★★
は最大で5つです)



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2 コメント

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ありがとうございます (九州っこ)
2006-10-08 10:53:57
ガーナ戦は何か物足りなさを感じている人が多いでしょうね

ガーナ代表の選手達は状況判断力に優れているから、落ち着いてシンプルにプレーしていたけれども、日本代表の選手達はよく走っていたが、余裕のないプレーをしていたと感じています

それが世界との差なんでしょうね!?

返信する
九州っこさんへ (ichi-ka)
2006-10-08 21:54:16
コメント、ありがとうございます。

10月4日のサッカー日本代表×ガーナ戦、日本は負けてしまいました。

九州っこさんの言うように、ガーナの選手達には落ち着きがあったように思います。

先制点を決められたのも大きかったのかな?

「油断することなく、落ち着いてシンプルにプレーできる」

これが徹底できるチームはきっと強いですよね。

日本代表にもそんなチームになってもらいたいな。
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