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暗いところで待ち合わせ / 乙一

2005-10-24 19:45:00 | 読書
乙一さんの『暗いところで待ち合わせ』です。
まずは内容紹介から。

視力をなくし、目が見えなくなったミチルはひとりで暮らしている。
目は見えないが自分の家で暮らす分には不自由はない。
自分を助けてくれる友達に連れられ、家の外に出かけることはあったが
自分ひとりで外に出ることは不安でできない。
ミチルは一日の長い時間、家でただ横になって過ごすことが多かった。
毎日、静かに変化のない日々を送っていたミチルだが
ある日から自分の家に
「自分以外の誰かがいる」と
思うようになった。
目が見えないから姿を見ることは出来ないし、声を聞いたわけでもないのだけれど
確かに自分以外の誰かの気配がするのだった…。

目が見えないことからたくさんのことをあきらめ静かに暮らすミチルと
孤独だけど優しさと意志の強さを持ったアキヒロの2人が
この『暗いところで待ち合わせ』の主人公たちです。
内容紹介ではアキヒロについては全く触れてないけど
彼もかなりの主人公です。
物語はミチルが少しずつ変化していく様子とアキヒロの事件についての話が
とても奇妙な設定のもと、描かれています。
とても面白いです。
アキヒロの目的は気になるし、ミチルの感じている不安や悲しさには切なくなる。
そしてこの2人の奇妙な生活がなんとも面白い。
アキヒロとミチルは2人とも、とても好きです。
物語後半にアキヒロがミチルに対してとった行動にはとても心打たれました。
読んでてグッときました。
この話は乙一さんの作品では初めて後半の展開が読めました。
今まではいつも、してやられたり
という感じで驚かされてたんだけど
今回はやっぱりという感じ。
それでも話の面白さは本当にすごい。
さすがは乙一さんでした。

『暗いところで待ち合わせ』、とても面白い作品です。
かなりのおススメ作品です。


『暗いところで待ち合わせ』 / 乙一 / 幻冬舎文庫
ジャンル:小説(ドラマ/ミステリ/恋愛/見えない)
メモ:2006年映画化
おすすめ度:★★★★
は最大で5つです)


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