今回の記事は『星を追う子ども』(2011年、監督:新海誠)です。
「雲のむこう、約束の場所」「秒速5センチメートル」の新海誠監督が贈るファンタジー・アドベンチャー・アニメーション。
想像以上に良い映画だった。ストーリー良し、人物良し、アニメの絵も良しと三拍子が見事にそろってます。
物語にノスタルジックな切なさもあって心にグッと来る映画。
■内容紹介 ※goo映画より
山間の村で暮らす中学生・アスナ。
山の高台の秘密の場所で父親の形見の鉱石ラジオを聞くのを楽しみにしていたアスナは、ある日、見たこともない怪物に襲われ、不思議な少年・シュンに命を救われる。
シュンとの再会を楽しみにしていたアスナだが、シュンらしい少年の遺体が発見されたと聞く…。
その頃、新任教師の森崎から死者を蘇らせることのできる力を持つ地下世界・アガルタの話を聞き、森崎と共にアガルタを目指すことに…。
それは、”さよなら”を言うための旅
■感想
新海誠監督の作品、初鑑賞です。
僕はあまり知らなかったのですが、監督の新海誠さんは作品のクォリティーの高さから多くのファンを魅了しているアニメーション監督さんらしい。
彼の長編作品監督第1作である『雲のむこう、約束の場所』はスタジオジブリの『ハウルの動く城』を抑えてのアニメーション映画賞の受賞を果たしています。これは凄いな。
実際『星を追う子ども』の絵のクォリティーはとても高かったと思う。
前作『秒速5センチメートル』の評判がすこぶる良かったせいか、『星を追う子ども』の評価を調べてみると厳しい意見も少なからずあった。
けど、僕自身の感想を述べると十分に満足できたし、面白かったと思う。
この映画の公開は今年の5月でしたが、夏に公開したとしても、ジブリの夏映画に張る作品になっていたのではとも思ってしまう。
(実際は知名度の高いジブリが圧倒的有利なのでジブリが勝つんだろうけども…)。
『星を追う子ども』の話はとても面白かったし、ストーリーもとても良かったと思う。
その中でも良かったのが人物面の魅力で、主人公の明日菜はもちろん、シュンやシン、森崎先生、村の老人や明日菜の母親に至るまで出てくる登場人物すべてに魅力があった。それが物語の良さを相当高めているように感じた。
絵もとても綺麗でジブリを思わせる温かみのあるタッチは好みでした。
特に物語の背景となる風景描写は緻密で美しく、それでいてどこか懐かしさも感じさせる印象もあって良かった。
物語のテーマはおそらく「死と別れ」。
それ故、物語はシリアスな方向へと進んでいきます。
けれど観ていて心が暗くなる類の映画では全くなかった。
健気に前向きにがんばり、決して暗い感情を抱かない主人公・明日菜のおかげで暗い気持ちには一切ならない。
喪失を抱えたまま彼のいなくなった世界を生きていく。
遺された者は遺された者だけで精一杯生きなければならない。
それは悲しいことだけれどきっと祝福でもあるんだ。
映画が伝えてくるメッセージがなかなか重く心に沁みこんでいく。
観終わった後はけっこう切なくなってしまう。
それでも前向きな明日菜を見ていると「頑張ろう」という気持ちも沸いてくる。
良い映画だと思う。
↓下記ネタバレに繋がるので反転。
(後半、ミミ(明日菜の飼い猫)が明日菜についていかないシーンに感慨深いものを感じた。
そう。猫って不思議なもので飼い主に死の姿を見せないのだ。)
この映画、最初にちょっとだけ話題にしたとおり一部で酷評に近い厳しい意見が挙げられている。
確かに設定面の詰めの甘さはあったように思う。
地下世界アガルタについては世界観が終始曖昧だし、2時間という長さにまとめているため、話の展開が早く駆け足気味で唐突に感じるところもあった。
けど、そこまで深く考えず、単純に映画を楽しむのであれば十分面白い映画だと思う。
主人公明日菜にどれだけ感情移入できるのかも映画の評価の分かれ目なのかもしれない。
青春テイストが強く、シュンやシンに惹かれる明日菜の姿に思わずドキドキしてしまう。
↓貼り残し
⇒img1(明日菜)
⇒img2(シュン君)
⇒img3(森崎先生)
(★は最高で5つです。★:1pt, ☆:0.5pt)
■Link
+⇒公式HP(Japanese)
+⇒星を追う子ども - goo 映画
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「雲のむこう、約束の場所」「秒速5センチメートル」の新海誠監督が贈るファンタジー・アドベンチャー・アニメーション。
想像以上に良い映画だった。ストーリー良し、人物良し、アニメの絵も良しと三拍子が見事にそろってます。
物語にノスタルジックな切なさもあって心にグッと来る映画。
■内容紹介 ※goo映画より
山間の村で暮らす中学生・アスナ。
山の高台の秘密の場所で父親の形見の鉱石ラジオを聞くのを楽しみにしていたアスナは、ある日、見たこともない怪物に襲われ、不思議な少年・シュンに命を救われる。
シュンとの再会を楽しみにしていたアスナだが、シュンらしい少年の遺体が発見されたと聞く…。
その頃、新任教師の森崎から死者を蘇らせることのできる力を持つ地下世界・アガルタの話を聞き、森崎と共にアガルタを目指すことに…。
それは、”さよなら”を言うための旅
■感想
新海誠監督の作品、初鑑賞です。
僕はあまり知らなかったのですが、監督の新海誠さんは作品のクォリティーの高さから多くのファンを魅了しているアニメーション監督さんらしい。
彼の長編作品監督第1作である『雲のむこう、約束の場所』はスタジオジブリの『ハウルの動く城』を抑えてのアニメーション映画賞の受賞を果たしています。これは凄いな。
実際『星を追う子ども』の絵のクォリティーはとても高かったと思う。
前作『秒速5センチメートル』の評判がすこぶる良かったせいか、『星を追う子ども』の評価を調べてみると厳しい意見も少なからずあった。
けど、僕自身の感想を述べると十分に満足できたし、面白かったと思う。
この映画の公開は今年の5月でしたが、夏に公開したとしても、ジブリの夏映画に張る作品になっていたのではとも思ってしまう。
(実際は知名度の高いジブリが圧倒的有利なのでジブリが勝つんだろうけども…)。
『星を追う子ども』の話はとても面白かったし、ストーリーもとても良かったと思う。
その中でも良かったのが人物面の魅力で、主人公の明日菜はもちろん、シュンやシン、森崎先生、村の老人や明日菜の母親に至るまで出てくる登場人物すべてに魅力があった。それが物語の良さを相当高めているように感じた。
絵もとても綺麗でジブリを思わせる温かみのあるタッチは好みでした。
特に物語の背景となる風景描写は緻密で美しく、それでいてどこか懐かしさも感じさせる印象もあって良かった。
物語のテーマはおそらく「死と別れ」。
それ故、物語はシリアスな方向へと進んでいきます。
けれど観ていて心が暗くなる類の映画では全くなかった。
健気に前向きにがんばり、決して暗い感情を抱かない主人公・明日菜のおかげで暗い気持ちには一切ならない。
喪失を抱えたまま彼のいなくなった世界を生きていく。
遺された者は遺された者だけで精一杯生きなければならない。
それは悲しいことだけれどきっと祝福でもあるんだ。
映画が伝えてくるメッセージがなかなか重く心に沁みこんでいく。
観終わった後はけっこう切なくなってしまう。
それでも前向きな明日菜を見ていると「頑張ろう」という気持ちも沸いてくる。
良い映画だと思う。
↓下記ネタバレに繋がるので反転。
(後半、ミミ(明日菜の飼い猫)が明日菜についていかないシーンに感慨深いものを感じた。
そう。猫って不思議なもので飼い主に死の姿を見せないのだ。)
この映画、最初にちょっとだけ話題にしたとおり一部で酷評に近い厳しい意見が挙げられている。
確かに設定面の詰めの甘さはあったように思う。
地下世界アガルタについては世界観が終始曖昧だし、2時間という長さにまとめているため、話の展開が早く駆け足気味で唐突に感じるところもあった。
けど、そこまで深く考えず、単純に映画を楽しむのであれば十分面白い映画だと思う。
主人公明日菜にどれだけ感情移入できるのかも映画の評価の分かれ目なのかもしれない。
青春テイストが強く、シュンやシンに惹かれる明日菜の姿に思わずドキドキしてしまう。
↓貼り残し
⇒img1(明日菜)
⇒img2(シュン君)
⇒img3(森崎先生)
映画データ | |
---|---|
題名 | 星を追う子ども |
製作年/製作国 | 2011年/日本 |
ジャンル | アドベンチャー/ファンタジー/ドラマ/アニメ |
監督 | 新海誠 |
声の出演 | 金元寿子 入野自由 井上和彦 島本須美 日高里菜 竹内順子 折笠富美子、他 |
メモ・特記 | 特になし |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
■Link
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ichi-kaさんの感想を読むと見てみたい気になりました。
WOWOWで放映してくれる良いのだけどなぁ。
特に新海誠さんに拘っているわけではなかったので、この映画の
存在を知りませんでした。
DVDとかブルーレイが発売するのを楽しみに待ちたいと思います。
レビューあげるのが3か月ほど遅れているのがいろんな形でいろんな弊害を生んでいるような気がしてならない。
とても面白かった映画なのでぜひ一度ご覧になってみてください。
国内のジブリ以外のアニメ映画には絵は綺麗でもストーリーが微妙なイメージが少なからずあったんですが、この映画を観て考えが変わりました。
>憂鬱さん
僕も注目していた訳でななかった映画です。
ただbrogramのスタッフブログで話題に上がっていたので気になって観に行きました。
DVD発売は11月予定です。映画のDVDはあまり買ったことないのですがこれは買ってもよいかなと思えるぐらいお気に入りの作品です。