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今回の記事は『つぐない』(2007年、監督:ジョー・ライト)です。
近代文学の最高峰と言われるイアン・マキューアンの『贖罪』を映画化した作品です。
これぞ映画という名作でした。タイトル「つぐない」に込められた意味の重さが深く胸に刺さりました。
■内容紹介
1935年、夏のイングランド。
政府官僚ジャック・タリスの屋敷では、小説家を夢見る末娘のブライオニーが休暇で帰省する兄とその友人を自作の劇で歓待しようと準備に追われていた。
一方、大学卒業後の身の振り方が定まらず鬱屈した日々の姉セシーリアは、ある出来事をきっかけに使用人の息子ロビーへの愛を自覚する。
ところが、ロビーにほのかな想いを抱いていたブライオニーは、些細な行き違いと嫉妬心から姉とロビーの関係を誤解してしまう。
そして少女は罪を犯してしまう。
無垢なゆえに犯した過ち……。
この過ちが、愛する男女を引き裂き、過酷な運命へと追いやってしまうことを少女は知らなかった。
一生をかけて償わなければならない罪があった。
命をかけて信じ合う恋人たちがいた。
■感想
最近は映画レビューをだいぶ早めに書いてます。
『つぐない』は4/16に観たばかりの映画です。
次の日早いことも考えず、レイトで観てきました。
映画の内容からでしょうか? 映画館は女性が多かったです。
(レディースデイということもあるんでしょうがレイトだからそれ程関係ないでしょう。きっと)
では感想です。
『つぐない』は実に映画らしい映画だったと思います。
重厚なストーリー。
美しい映像。
僕が持ってるこれぞ映画というイメージにピタリの作品でした。
特に映像面の美しさは特筆ものです。コレとか。
実に映画らしく、美しい画面演出ですよね。
罪を犯してしまう物語の主人公ブライオニー。
彼女は3人の役者さんが、それぞれの年齢の役を演じています。
各年齢でけっこうな変わりようですが、確かに面影があります。
ブライオニーのチャームポイントはあのほくろなんですね。
3人の中で印象が強烈に残るのはやっぱり少女時代役を演じていたシアーシャ・ローナン。
とても素朴な感じの美人さんです。
多感な少女役を存在感溢れる演技で演じていました。
この子も将来、大物演技派女優になってそうな予感をバリバリ感じます。
ブライオニーの姉、セシーリア役はキーラ・ナイトレイ。
もの凄くキレイです。
パイレーツカリビアンのエリザベスとはまた、ひと味違った美人ぶりです。
(ちなみに僕はパイレーツシリーズは第1作しか観てないです。かなりの話題作だったのに何故だろう?)
気高くて芯の強そうなセシーリアがとっても魅力的でした。
セシーリアのロビーに対する真っ直ぐな愛は深く心を打ちます。
ロビー役は若手実力派のジェームズ・マカヴォイ。
彼は『ナルニア~第1章~』でタムナスさん役を演じてます。あの赤いマフラーのフォーンの。
今回はびっくりするぐらい違う役柄です。
とってもかわいそうな役でもあります。
無実の罪で戦場に送られてしまうロビー。容赦のないの状況に追いやられてしまったためにすっかり心が荒んでしまいます。それでも彼の純粋さは失われてはいない。戦場で子供たちの亡骸を見て涙を流すシーンは感動しました。
ただひたすら恋人のもとへと帰ることを想い続けるロビーは、後半になるにつれ切なさが募ってきてどうしようもなくなる。
セシーリアとロビーの愛が深く、また2人が辿る運命の過酷さゆえに、ブライオニーが犯した罪がとても残酷なものとして胸へと突き刺さってきます。
それが深い深い罪の意識としていつまでも残る。
ブライオニーはこんな気持ちをずっと抱えて自責の念に駆られながら生きてきたのでしょう。
自分の初恋の相手を、大好きな姉を、私は引き裂いてしまったのだ。
彼女が辿る贖罪の人生の重さ、その一端を感じることができる映画だったと思います。
内容はそうとうに重いので、観る方はご覚悟の上で。
映画データ | |
---|---|
題名 | つぐない |
製作年/製作国 | 2007年/イギリス |
ジャンル | ドラマ/戦争/ロマンス |
監督 | ジョー・ライト |
出演者 | キーラ・ナイトレイ ジェームズ・マカヴォイ シアーシャ・ローナン ロモーラ・ガライ ヴァネッサ・レッドグレーヴ ブレンダ・ブレシン パトリック・ケネディ ベネディクト・カンバーバッチ ジュノー・テンプル ピーター・ワイト ハリエット・ウォルター ミシェル・ダンカン ジーナ・マッキー ダニエル・メイズ ノンソー・アノジー アンソニー・ミンゲラ、他 |
メモ・特記 | 原作:『贖罪』(イアン・マキューアン著、新潮社) PG-12指定 ↓受賞 2007年 アカデミー賞 ・作曲賞 2007年 ゴールデン・グローブ ・作品賞(ドラマ)、音楽賞 2007年 米国アカデミー賞 ・作品賞、美術賞 |
おすすめ度 | ★★★★ |
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