石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

今日の厚生労働委員会から

2013-03-21 23:36:12 | 活動レポート

「ええっ???」

と何度叫んだことでしょう・・・。いや、本当に疲れました。何の話かって? 今日、朝から終日行われた、参議院厚生労働委員会でのお話です。皆さん、不思議に思われるでしょうね、一体どうして厚生労働委員会で疲れるのかと・・・。決して、長丁場の委員会で疲れたんじゃないんですよ(笑)--- 政務三役の珍答弁の数々に疲れてしまったのですよ。

いくつか紹介しましょう。

まずは田村厚生労働大臣。安倍政権になって復活した経済財政諮問会議の下に「産業競争力会議」なるものが創られて、そのメンバーとなった民間議員たちが声高に「解雇規制の緩和」を訴えていることに対する見解を求められた田村大臣、なんと「日本は欧米諸国と比べても解雇規制が厳しいので、正社員の雇用がしづらくなっている」と答弁・・・。大臣、日本は欧米諸国と比べて解雇規制が厳しいなんて、誰に吹き込まれたんですか? 雇用保護法制は、むしろ多くの欧州諸国の方が厳しいし、日本でも解雇要件が比較的厳しいのは大企業の正社員ぐらいで、中小零細企業になると正社員でも解雇は普通に行われているし、非正社員の雇用保護が非常に弱いのは周知の通りです。OECD(経済協力開発機構)の国際比較でも、日本の雇用保護規制はOECD諸国の中でもむしろ弱い方にランクされています。

むしろ問題は、正社員と非正社員との間に大きな格差があること。つまり、非正社員に対する雇用保護が弱すぎることですね。

そして次も田村厚生労働大臣。安倍総理がTPP交渉への参加を表明したことを受けて、「TPPが労働分野に対していかなる影響を与える可能性があり、厚労省としてどういう対応を検討しているか?」という質問に対して田村大臣、「労働分野に関する交渉なんてされてないんだから影響なんて今の時点では分からないですよ」と。ん~、唖然・・・。まさか大臣、TPP交渉の24分野の一つに労働分野が挙げられていて、それも元々交渉対象でなかったのにアメリカの要求で加えられたことを知らないわけではありますまい? 今、どういう交渉状況になっているのかも分からずに交渉参加を決定したのでしょうか??

さらに、TPP交渉の結果として、いかなる産業分野で雇用に対する影響がどのように起こりうるのかを、全く厚労省として検討していないというのでしょうかね? いや、少なくとも民主党政権の時代にはそういう議論をしていたはずなので、厚労省も検討は続けているはず・・・。農業を含めて、雇用にどのようなプラス・マイナスの影響があり得るのか、その対策をどうするのか、そういう分析や議論をしっかりしていかないと、TPPがもたらすのは結局デメリットばかりという結果になりかねません。大事なのは、その分析の結果をきちんと情報開示して、当事者である労働者(労働組合)を議論に関与させ、一緒にこれからの対策を考えていくことなのです。

最後に、丸川珠代厚労大臣政務官。2月25日の日本経済新聞で、なんと信じがたいことに、ある派遣会社の全面広告に政務官として登場し、あたかも、昨年成立した改正労働者派遣法が「日雇い派遣を原則禁止したのは間違いだった」かのような発言をしていたことを追求され、意味のないしどろもどろの答弁に終始。特にその広告が、派遣労働者を「猫の手」(何の役にも立たないけどお貸ししますとでも言いたいのか?)にたとえて宣伝していたことに対して「派遣労働者に対する差別ではないか?」と問われた際、「知らなかった」し、「知ってから抗議もしていない」と説明。これにはもう野党委員一同が仰け反ってしまいました。

ということで、今日は新政権になって初めての本格的な厚生労働委員会での質疑だったわけですが、特に、雇用・労働問題の今後の成り行きが非常に心配になるやり取りでした。上述の産業競争力会議では、解雇規制の緩和、金銭解決の導入、ホワイトカラーエグゼンプションの導入、労働者派遣法の緩和など、日本の雇用をさらに柔軟化させるような話が進められています。厚生労働省には、その防波堤になって労働者の権利と利益を守ってもらわないといけないわけです。

政務三役には、しっかりとその役割を果たしてもらわないと・・・。来週の火曜日(3月26日)には、私自身が厚生労働委員会で質問に立つことになりましたので、引き続き、雇用・労働問題について政務三役の見解を質していきたいと思います。


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1 コメント

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違いを浮き彫りに (羽山治美)
2013-03-22 10:32:43
 石橋さんおはようございます。日本社会の根幹をなす雇用政策、金銭で全てが解決できる世にしたい、自民党の立ち位置を浮き彫りにしてください。そして民主党の立ち位置をきっちりと、国民の前に明らかにしてください。26日の質問期待しています。
桜の開花のスピード以上です。安倍のスピードに気をつけましょう。がんばってください。羽山治美
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