作曲家・ピアニスト/平良伊津美の音楽エッセイ

新しい音楽の形を模索していきます。

第26回 芥川作曲賞選考演奏会 8/28

2016-08-31 10:40:50 | 音楽
芥川作曲賞は、この1年に演奏されたオーケストラ作品の中から3作品、選ばれ、その中から1作が、芥川作曲賞に選ばれるもの。
また、2年前に芥川作曲賞を受賞された人の委嘱作品も演奏されます。

まずは、委嘱作品から。
鈴木純明作曲「チューバと管弦楽のための<1920>」
芸術に於いて、華やかな時代だった、1920年代の音楽を取り上げて、巧みに音楽に織り込んでいった作品。
ストラビンスキーや、ヒンデミット、シェーンベルクなどなど、色々な音楽が聞こえてきました。音色も大変綺麗で、引き込まれました。

そして、芥川作曲賞にノミネートされた三作品。

まず、渡辺裕紀子さんの「折られた…」
なんでも、初めて書いた、オーケストラ曲だそうです。初めて書いて、こんなに書けるものなのか。綺麗というより、ノイズが浮かんで聞こえてきた作品でした。

次に大場陽子さんの「ミツバチの棲む森」
ミツバチの生態系を音楽にした作品で、1.コロニー、2.ネオニコチノイド の2つに分かれている作品でした。
2が、同じ音型を繰り返して出てきます。音的には、聴きやすかったのですが、少し長いような気がしました。

最後に、大西義明さんの「トラムスパースⅡ」なんでも、Ⅰがあって、Ⅱがあって、どこから演奏してもつながっているそうです。
編成はぐっとしぼられ、少ない人数で演奏されていました。少ないなら少ないなりに、よく音が聞こえてくるもんだな、と思いました。

選考委員は、3人。小出雅子さん、法倉雅紀さん、三輪眞弘さん。
それぞれ、作品に意見していましたが、結果は、将来性という点で、渡辺裕紀子さんに、3人一致で決まりました。

色々勉強させてもらいました。私は、オーケストラ曲は、苦手ですが、書いてみたい編成があり、夢に思っています。
そういう日がきますように。
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