HUNGRY FOR ROCK(METAL)!

HM/HR系の音楽について語る!

SHADOWS FALL/The War Within

2004-09-30 | 新譜レヴュー(2004年)
アメリカの「メタルコア」と呼ばれているバンドの4thアルバム。
最近徐々に出てきている、北欧メロディックデスメタルの影響下にあるアメリカンメタルバンドの一つである。となるとKILLSWITCH ENGAGEと比較してしまいがち(両者とも元AFTeRSHOCKというバンドのメンバーをかかえているということもあるので)だが、似て非なるものだ。
似ている部分はリズムの部分で、1曲の中で激しく展開していく。特にバスドラのパターンは複雑で、ドラマーは相当テクニックのある人だと思われる。突進していく際もパワフルで、このへんはハードコアの要素を感じる。
違うところは、SHADOWS FALLは思いっきりメタルテイスト溢れるリードギターをフュ―チャ―しているということだ。叙情的なフレーズやツインリードを随所で取り入れ、曲の中で効果的に機能させている。特に#1”The Light That Blinds”のソロ(メロディアスな展開からテンポが速くなってツインリードに入る展開がドラマティック)なんか、ヨーロッパの平凡なメロスピ・メロパワバンドのそれと比べて、よほどこちらの方がメタルバンドらしく、カッコイイと思う。
しかしまだ、改善してもらえればいいな、という点もある。
まず曲の差別化が弱い点。どの曲も基本はアグレッシヴなリズムにへヴィリフをのせながら突進し、サビでメロディアスな展開を挟んで、ギターの叙情的なフレーズを絡ませていく形式になっている。それはいいとしても、どの曲も音圧がほぼ同じ感じだということが問題。もう少しアルバムの中で緩急をつけるといったことを考えていいと思う。
さらにボーカリストが一本調子で、発音もあまり明確でない点。これが一番問題だ。歌詞カード追いながら聴いても何言っているかわからないことがある(自分にリスニング能力がないせいもあるが)。このへんは急な改善は難しいとしても、デスボイスで歌う際のヴァリエーションの強化は、すぐにでも取り組んで欲しいものだ。
悪い点も挙げてみたが、全体としては質は高いと思う。あとはMETALLICAの”One”みたいに、バラードパートが多めの展開で最後大爆発なんて、ドラマティックな曲をこのバンドが作れるようになると、一皮むけるような気がするのだが・・・。

    

次はJOURNEYだ!

2004-09-29 | メタル親父のぼやき(~2009年)
来月JOURNEYのライブに行く予定。
今年はIRON MAIDEN Festivalをはじめ、U.D.O.、IMPELLITTERI、ANTHEM、THRASH DOMINATIONと、自分にとってはかなり多くのライブを見た。今のところ年内に予定されているもので目ぼしいものがないので、おそらくこれが今年最後のライブになると思う。
ということで気合を入れて、予習していこうかと思う。とはいっても元々かなり聴きこんでいるし、カラオケでもJOURNEYはかなり歌ってきたので、歌詞はだいたい頭に入っているのだが。
予習で聴きこむついでといっては何だが、JOURNEYの旧譜のレヴューもぜひ書き上げていきたい。このblogのタイトルで「旧譜も扱っている」とうたっていながら、最近は開店休業状態だったので、旧譜レヴューの充実を考えていたところだった。これをきっかけに数を増やしていければと思う。

THRASH DOMINATION(9/26)レポート!

2004-09-28 | メタル親父のぼやき(~2009年)
結論からいうと予想以上に楽しめました。
以下バンドごとに簡単に様子を報告させてもらいます。なおセットリストは予習不足のため、知らない曲があったり、記憶が定かでない部分が大きいため、割愛させてもらいます。
(FLOTSAM&JETSAM)
このバンドに関しては予習ゼロで臨んだ(かつて2ndをリリース当時聴いて以来、全く聴いていない。)。しかし演奏はタイトでなかなか楽しめた。特にドラムの決めのフレーズで繰り出されるパワーヒットには結構シビれた。
ボーカルのエリック・AKはスラッシュ界には珍しい歌唱力抜群のシンガーで、バラードっぽいパートでは存分に良さを発揮していた。
さすがにこの時代まで生き残ってきたバンドだけあって、演奏力の高いなかなか魅力のあるバンドだと思う。しかしライブでのパフォ―マンスを考えると、後述する2バンドに大きく負けてしまっていると感じざるを得ない。特にフロントマンのカリスマ性に関しては、それを強く感じてしまった。比較した対象が凄すぎるからかもしれないが・・・。
(DEATH ANGEL)
演奏力があるバンドだということは初めからわかっていたので、その他に楽しめる要素があるかということに注目していた。
これがあった!
ボーカルのマーク・オセグエダである。その唱法や長いドレッドヘアの怪しい風貌はまるで呪術師だ。そんな外見のため圧倒的な存在感があり、ライブパフォ―マーとしてもグイグイバンドを引っ張っていた。これは意外な発見だった。
もちろん期待していたアンディ・ガレオンのプレイも良かった。プレイの中に「軽く流してる」と感じさせる部分がなく、技術だけでなくその辺りにも好感をもった。
選曲はニューアルバムから4~5曲と一番多く、あとは2nd、3rdを中心に演奏、1stからはほとんどなかったと思う。自分としては実は2ndが一番気に入っていて、今回そこから特に好きな”3rd Floor”と”Bored”を演ってくれたのが嬉しかった。
上記の2曲もそうだが、3rdなんかで聴けるファンクっぽいリズムの曲など、とてもスラッシュメタルの枠に押し込みきれない曲だ。そういった曲をライブでも難なくこなしており、このバンドの奥深さというものを実感した。
ただ一つ気になったのは、唯一オリジナルメンバーでないテッド・アギラーが、風貌も「普通の人」という感じで、パフォーマンスという意味でもバンドから浮いているような印象を受けてしまったことだ。新入りなので、仕方ないのかな・・・。
(OVER KILL)
OVER KILLの一番の魅力は、その音の振幅が広いことだと思う。
例を挙げると、3rdに収録の”Never Say Never”。走り過ぎない程度のリズムに、ザクザクのリフがからんでいく。そのリフが引いて、再び攻めてくるときの落差が最高なのだ。リフの攻撃力が強いといってもいいと思う。
3バンドの中でやはりリフは一番カッコよかった。速さだけでなく、重さ、キレとも抜群だった。
しかしOVER KILLの一番の凄さは、ボビー”ブリッツ”エルズワースの存在感だ。
完璧にビルドアップされた上半身を見せつけ、ときには走り回り、ときには咆哮し、正に「野獣」だった。フロントマンのパフォ―マーとしての存在感は3バンドの中では飛びぬけていた。
期待していたDD・ヴァ―二のブリブリの独特のベースはライブでもやはり魅力的。しかし存在感となるとブリッツに完全に圧倒されてしまった感じだ。しかしこれは致し方ない。それだけブリッツが凄すぎるのだ。
選曲もだいたい期待に応えてくれていた。最近のアルバムからはだいたい1曲ずつ、若しくはゼロ、4thから”Evil Never Dies”、”Elimination”、3rdから”Hello From The Gutter”、2ndから”Powersurge”、”In Union We Stand”、1stから”Rotten To The Core”というような選曲だったと思う。今月発売になった彼らのDVD”Wrecking Everything”の縮小版といった感じだ。古いアルバムからの曲が多めだったので、これはありがたかった。
そして最後にお約束の”Fuck You”。これは最高だった!さらにアンコールまであった。こんなフェスティバル形式だと時間を守るため、ないのが普通だと思っていたのでびっくり。演奏したのはAC/DCの”Dirty Deeds Done Dirt Cheap”。OVER KILLは多くの曲をカバーしてるが、この曲はやったなんて話は聞いたことがない。ちょっとラッキーかもしれない。

80年代後半、スラッシュメタルがブームになったとき、聴くに耐えないバンドも一杯登場した。特にいわゆるSLAYERタイプ(といっても当然本家の足元にも及ばない)は氾濫していたと思う。
15年ほど経過したが、模倣ではなく、個性があるバンドはやはり生き残った(若しくは復活した)。今回出場のバンドにはそれを強く感じた。これからもコンスタントにアルバムを発表して、健在であることをずっと証明していってほしい。たまたまこの年はスラッシュがちょっと盛り上がったなァ、なんて後で思うことは絶対避けたいものだ。
そのためにはぜひ「THRASH DOMINATION05」もぜひ開催してほしい。今度こそTESTAMENTを呼んでね!

二日酔い・・・

2004-09-25 | メタル親父のぼやき(~2009年)
のため24日は晩飯食べるころに、ようやく胃の機能が回復、それまで水分以外は口にできなくてかなり辛かった。
今月発売の新譜をまとめ買いしようと思ったが、それもできず。今日行ってこようかと思う。
予定ではEUROPE、GOTTHARDのベスト、SHADOWS FALL、TWILIGHTNINGあたりの購入を考えています。後は試聴機で聴いてから判断しようかと思っています。

THRASH DOMINATION直前!

2004-09-23 | メタル親父のぼやき(~2009年)
26日の川崎クラブチッタのほうに行く予定です。
今月はANGRAの新譜にハマッたりしていたので、ろくに予習できていない。
そんな訳で今回は歌う、叫ぶよりは、楽器の生み出すノリ、緊張感を楽しませてもらおうかと思っている。特にOVERKILLのDD.ヴァーニのベース、DEATH ANGELのアンディ・ガレオンのドラムには注目している。CDで聴いていても十分耳を引くプレイを聴かせてくれているが、ライブだともっと凄いハズ。この2人にはかなり期待している。

もしこのblogを見てくれた方で、24日の大阪、25日の川崎に行く人がいたら、ぜひ様子を教えてください。選曲についても簡単にで結構ですので、ぜひ教えてください。よろしくお願いします。

ANGRA/Temple Of Shadows

2004-09-22 | 新譜レヴュー(2004年)
ブラジリアン・メロディックパワーメタルの先駆者、ANGRAの5thアルバム。
今回もメロパワとしては最高品質の楽曲、演奏技術が聴ける。ただし今回のアルバムは完全にメロパワの枠を打ち破り、他の同種のバンドには真似できない才能の高さを見せつける出来に仕上がっている。
以下の点が今回の作品の大きなポイントである。
1.トレードマークともなっている民族楽器の導入は今回も健在。しかも前作以上に多く取り入れられているが、ただ曲中に取り入れただけでなく、メタルの音楽とうまく融合させ、決して違和感・不自然さを感じさせない。#7”The Shadow Hunter”ではフラメンコギターがかなり導入されているが、曲の重要なパーツの一部として完全に機能している。
2.歌メロが素晴らしい。典型的なメロパワバンドでは創造し得ないメロディの展開が多い(もちろん変に奇をてらっているわけではない)。ボーカルのエド・ファラスキもそれらを幅広い唱法を駆使して、印象的なものにさせることに成功している。#4”Waiting Silence”のブリッジなど、これをサビにもってこないとはもったいない、と思わせるほど美しい。
3.曲展開が複雑なものが多い(かといってプログレというところまではいかない)。それが曲をドラマティックなものにすることにも貢献している。
4.複雑なリズムが随所に導入されている。このリズムの上で展開される楽器陣の緊張感溢れるプレイが素晴らしい。#3”Angels And Demons”のイントロ部分なんて、まるでDREAM THEATERかと思うほど。
この中でも特に大きなポイントは、4.であろう。今までメロパワバンド群の中ではテクニカルなバンドだとは思っていたが、正直ここまでやれるとは思わなかった。この演奏力が生み出す緊張感は、装飾やスピードに頼る他のバンドには真似できないところだ。
今回のアルバムは聴いていて久々に鳥肌がたった。自分の中では今年度のベストアルバムの有力候補である。
しかしアルバム終盤、#10”Sprouts Of Time”~#11”Morning Star”~#12”Late Redemption”と続くところは、静かな立ち上がりから徐々に盛り上がる曲が連続し、少し飽きを誘う。曲単体としてはよいが、並びが問題だ。このあたりに今回の収録曲には少ない、イントロでガツンとくる疾走曲を入れて欲しかった。このへんが玉に傷かな。


ベテランバンドの復活

2004-09-21 | メタル親父のぼやき(~2009年)
いよいよEUROPEが復活、9月22日にニューアルバムをリリースする。
HPでかなりの曲を試聴できたので、一通り聴いてみた。
正直いって、かなり厳しい出来だ。
暗い雰囲気の中へヴィなギターリフが絡んでいく、正にグランジ、オルタナティヴの世界だ。歌メロに多少かつての面影を残すが、これは辛い。
80年代から活躍しているバンドが90年代になって自らの音楽のスタイルを捨て、グランジ・オルタナティヴに魂を売ったケースは多くあったが、成功したケースは皆無に等しい(いやゼロか?)。なぜ揃いも揃って、皆同じようなことを目指すのだろう?
レコード会社の圧力で、といったケースも中にはあると思う。
しかし多くの場合、かつてのスタイルで良質な曲を生み出す才能が、もう枯れてしまったというのが真実ではなかろうか。
バンドのメンバーはこう言うだろう、「僕たちは進歩しているんだ」と。しかしその結果が流行り(といっても最早過去のモノになりつつあるが)のモノのモノマネ。結局才能の枯渇、それが現代的要素を取り入れ、過去を知らないファンを引き込むことをバンドに目指させるということだ。
EUROPEは以前のスタイルで勝負すべきだった。80年代のバンドが次々に復活し、クラシックロックの人気が高まってきている今の時期であれば、「The Final Countdown」パート2でも十分成功できるはずだし、多くのオールドファンがそれを望んでいるはずだ。
もはや才能が尽きてしまったとしたら、非常に残念でならない。しかしライブでは古い曲も結構演奏しているらしいので楽しめるとは思うが、やはりアルバムでインパクトのあるものを出して欲しいものだ。

それに対して、才能の衰えをさして感じさせることなく復活したバンドもある。
JOURNEYである。
彼らは1996年「Trial By Fire」で復活したが、バラードが多いという批判はあったものの、メロディの美しさという点ではいささかの衰えもみせなかった。特に#1”Message Of Love”は80年代のJOURNEYそのもの。哀愁溢れるメロディがテンポよく流れる秀逸なナンバーだ。
この曲で実はギターソロに彼らの名曲”Separate Ways”のフレーズが挟みこまれている。もちろんファンサービスという意味合いもあろうが、ここに彼らの姿勢、過去を否定するわけではなく、それに則って進化していきたいという気持ちが表れているような気がする。
ベテランバンドたるもの、こうあるべきであろう。簡単に若者に迎合するのでなく、「おじんパワー」をみせてほしいものである。

そのJOURNEYが10月に来日する。
仕事の関係で日程が合わず、ライブに行くことは諦めてたが、なんと追加公演が17日に決定。
これなら行ける!と即チケットを申し込んでしまった。
今久々に昔のアルバムを引っ張りだして聴いているが、この季節に(といっても今日は暑かったけど)相応しい名曲が本当に多い。ライブも楽しみだ。


何とかしてくれ!

2004-09-19 | お知らせetc(~2009年)
更新がしばらく空いてしまった。
結構長め(自分にしては)のコラムを二本ほど書いたが、明け方近い時間に投稿したところ、二本ともgooのログインのページに戻ってしまい、書いたものが消えてしまうことに!
もう一回書く気力はないので何もアップできませんでした。
自分はこの時間帯がメインなのでこのままでは困る。原因を究明次第、元のペースで更新したいと思います。

ここ最近思うことあれこれ

2004-09-16 | メタル親父のぼやき(~2009年)
昨日VAN HALENのベスト盤のレヴューアップしました。
以前ここでも書きましたが、彼らの「5150」が自分をHR/HMの世界に導くきっかけになった。そんなわけで自分にとってはVAN HALEN=サミー・ヘイガー。とくに”Dreams”の天まで昇っていくようなメロディには聴いた当時猛烈に感動した覚えがある。
そのせいかデイヴ・リー・ロス時代の曲があまり好きになれない。もちろん”Jump””Panama”などのポップセンスに溢れながらも、きっちりロックしている楽曲が優れたものであることは認めるが、メロディに感動できるような曲は皆無に等しいと思う。
しかし今回のベストアルバム、車でずっと流していると結構気持ちよく感じた。デイヴ時代の楽曲が適度に軽く(いい意味でね)て、気楽に一人でドライブしているときの気分に非常にマッチするのだ。
実は免許をとってからまだ3年ちょっとで、自分で運転しながら音楽を聞くということに関してはまだ初心者。アメリカンロックは車で聞くのに向いている、と誰かから聞いたような覚えがあるが、それを今夏実感した次第。これからも車で聞くことで、良さを再発見できるようなアルバムがあるといいなぁなんて思ってしまった。

余計な話だが、”Dreams”はカラオケにもよく入っていて歌ったことがある。昔遊びでバンドをやっていてボーカルを務めていた頃、「スティ―ヴ・ペリーに声が似ている」と言われ(笑笑)高音に自信をもっていた自分であったが、この曲は全く高音が歌いきれなかった。やっぱりサミーは凄いボーカリストだ、なんて当時感じた記憶がある。


DREAM EVILからガス・Gが脱退。
こんなニュースがここ数日、HR/HM系のHP、blogを賑わせている。
このblogの「The Book Of Heavy Metal」のレヴューのところでも書いたが、ガス・Gはもちろんテクニックは優れているんだろうけど、まだHR/HMの歴史に名を残すような超一流の域に達していないと思う。自分にとってギタリストの判断基準は「いかに印象に残るプレイができるか」。マイケル・シェンカーやランディ・ローズのソロは音楽がなくても口ずさめるものが多くあるが、ガスのプレイに今のところ、そこまでのものはない。
だから今後のDREAM EVILの音楽に悪影響を与えるほどのことはないと思う。やはりこのバンドはフレドリック・ノルドストロームにスノーウィ・ショウ。彼らがいれば音楽が変わることはない。DREAM EVILの場合、ギタリストの魅力がウリではなく、正統派HMの世界観、楽曲がウリなわけなので、その点からしても問題ないと思う。
むしろ問題なのはガスの今後だ。FIREWINDの方に集中するらしいが、どうもこのバンドは楽曲が良くない。ガスはどうやら作曲能力に関しては、ギタープレイの実力と比べてかなり低いといわざるを得ない。このまま平凡なアルバムを発表していくうちに、シーンに埋もれて忘れ去られないか心配になってくる。
近年減ってきた華のあるギタリストであることは間違いない。だからこそ良質な曲を生み出してくれるパートナーが彼には必要だと思う。

VAN HALEN/The Best Of Both World

2004-09-15 | 新譜レヴュー(2004年)
デヴューして26年目を迎えるVAN HALENのベスト盤。
ボーカリストに再びサミー・ヘイガ―を迎えて、ニューアルバムを発表するらしい。今回のアルバムはサミーのボーカルによる新曲3曲を含んでおり、そこから新しいアルバムの方向性が占えるという意味でも、注目のアルバムといえるだろう。そこでまず新曲について分析すると・・・。
#2”It's About Time”はグランジーなリフからスタートし、嫌な予感が一瞬するが、歌が始まってみるとやはりVAN HALENらしい軽快なノリのいいナンバーに仕上がっている。エディ・ヴァン・ヘイレンのテクニカルなプレイも満載だが、この曲ではでしゃばり過ぎているうえにヘンな効果音のせいで、曲本来のノリの良さを損ねてしまっているように思う。#2”Up For Breakfast”は#1をさらに軽快にした、テンポのいいナンバー。これはなかなかの出来。#3”Learning To See”はグランジーで、ちょっと暗めのナンバー。エディのギターは相変わらずVAN HALENとしての個性を主張しているが、VAN HALENらしくない現代的(もはや過去の遺物になりつつあるか?)ナンバーだ。
新曲に関して総合的な評価をすると、グランジーなリフの導入がなされていているものの、サミーの作り出すメロディ、歌唱力に衰えはないし、エディのギターも彼にしか出せない個性あるプレイがしっかり聴ける。方向性としては問題なしといったところ。新曲には”Dreams”や”Love Walks In”路線のメロディラインの美しい曲はなかったが、ニューアルバムではその路線の曲もぜひ充実させてほしいものだ。
ベスト盤としての選曲には全く問題なし。サミーの曲とデイヴ・リー・ロスの曲が交互に並べられているという構成も個人的には非常に楽しめた。