白夜に咲く卯の花 

お気楽隊長疾黒と、多くの個性豊かな奴らの明るく切ない物語。訪問してくれた人は、コメント下されば遊びにいかせて戴きますね

9 足蹴

2007-01-20 19:38:37 |  一章  夢 
「・・・・で、お前はいつまでここにいるつもりなんだ?」
「ふぁ?ひゃってまひょんひょ」
疾黒は、頬を膨らませながら答えた。
「汚ねえ!!口に食べ物含みながら話すな!ていうか 人の部屋でなに勝手に飯食ってんさ?」
「いや・・・・それは・・・」
疾黒が急に悲しそうな顔をする
「な・・・戻りたくないのか?どうした?お前らしくもない」
出雲が少し心配そうに疾黒を覗き込んだ
疾黒は一瞬にやりと笑うと 出雲の顔めがけて口に含んでいた酒を故意に噴いた
出雲の顔がびしょぬれになる




「この乱暴もの」
「うるさいわ阿呆、ほんとに何しにきたんだお前は」
「乱闘」
「阿呆」
疾黒は頭を痛そうに抑えながら自分が噴いた酒を雑巾でふき取っていた
「・・・またあの夢をみた」
「・・音のない世界・・だったか?」
「・・今まではなー・・・」
「今まで?」
「そ  今日は、最後のほうだけだけど、声が聞こえたんだ」
出雲は腕をくんだ
「んー・・・なんていってたんだ?覚えてないのか?」
「・・・・・覚えてない」
「お前らしいな、」
「うるさいやい はぶあっ 踏むな!濡れる!」
「少し進展があったならいいじゃねえか 」
「・・・まあね  踏まないで 痛いから」
出雲は煙管に火をつけた
「・・俺が思うに・・・・その夢ってのはさ」
疾黒が顔をあげた
「何?  ていうか踏まないで 痛いから」
「お前の記憶の再現なんじゃないか?なんども同じ夢をみるってことはそういうことなんじゃ」
「俺、あんなところいったことないよ? ねぇ、そろそろ足どけて くるしいよ」
「・・・・欠けてる記憶の部分なんじゃないか?あんたの覚えてない昔のあんたの記憶」
「・・・・昔の俺ね・・・なんか思い出してはいけない気がする・・・・なんでだろ・・・・ていうかさ、出雲」
「なんだ?」
「あし」
「足?」
「どけて 痛いから 痛い」
「しかたねえな」
出雲は足をどかした
「このドS出雲」
「死ぬか?阿呆」
「やめときまっす♪」

疾黒は立ち上がった
「ありがとな 話し聞いてくれてー んじゃぁそろそろかえるわ、 茆音におこられるかんなぁ  しーゆー」
疾黒はそういうと、三階の窓から飛び降りた
「・・・・」

しばらくして、下から疾黒の声が聞こえた 
「南の方角ー!多分三人ー!」
「おうよー。じゃあなー」
「しーゆー」
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馬鹿がふたり・・・・なかいいんでwすよかれらは

8、 勝者

2007-01-17 22:35:34 | Weblog
「どーだどーだ!みたか出雲っ」
疾黒はあっという間に倒してしまたらしい  余裕の笑みを浮かべ、出雲に手を振っていた
「いっずっもー♪すまーん!勝ち残ってしもたー  ・・・・・・」
疾黒が笑顔のまま倒れた。

「!?疾黒!?」
驚く出雲の目の前で、疾黒は動かなくなった。

外傷はまったくなかった。

疾黒が倒れてしばらくしてから、倒れた人々のなかから一人の少年が立ち上がった。かなり細身で、顔は真っ青 戦いになれていないのだろう。いままでやられたふりをしていたようだ
少年はあたりをみまわす。戦いがおわったとおもって安心しておきあがったらしいのだが、立っていたのは彼一人だった・・・・つまり
「おめでとうございます。勝ち残ったのはあなたですね?騎兵隊隊長の地位を与えましょう」
彼が勝者となってしまったのだ。
「え?・・・・僕が?無無無理ですよっ僕には気配を無にすることしか能がないんです!」
「・・・・決定事項なので・・」
あきれる出雲の脇に連合軍総隊長が現れた
「出雲・・・・勝ち残ったのはこいつか?・・」
「あ・・・はい。でも・・・不戦勝みたいで」
「あれほどの殺気のなかで気配を消せるなど・・・なかなかできることではない。・・こいつは勝ち残りだ。権利を与えよう」
「・・・・・」
少年は顔を真っ青にしていた
「あと始末は頼んだぞ、出雲。 こやつらが目覚めたら、帰るように伝えておいてくれ」
「はい・・」
総隊長は 小刻みに震える少年をつれて建物にはいっていった

「・・・・」
出雲は複雑そうに二人の背中をみた
「・・・行ったか?」
「・・・やっぱりな。ばればれなんだよ阿呆」
「へへ・・・よっこらせ」
倒れていた疾黒が頭をかきながら体をおこした
「出雲・・・あの少年は大丈夫なのか?」
「いや・・・・大丈夫だ。めでたく騎兵隊に所属することになるだろう・・。」
出雲の表情は曇っていた
「ふうん・・・・」

空には、不穏な空気が漂っていた

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ちょっと暗かったかな・・・・

7 実力

2007-01-15 23:35:08 |  一章  夢 
「ふああ」
疾黒は戦禍(とはいっても 危険なものではないのだが)の真ん中で大あくびをしていた
「何油断してんだぁ?とったぁ!!」
疾黒の背後に、重武装をした人間が飛び掛った
「重くなぁい?その甲冑」
「あれ?」
そのひとは、背後から襲ったはずの疾黒の声が背後から聞こえたことに驚き、振り返る。
ドスッ
という鈍い音とともに、その人は白目をむいてぶっ倒れた
後ろで
「絶対動きにくいってこんなの着てたら。しかも強度なしときた、まったく無意味ってな。あっはっは!」
拳を構えた疾黒が爆笑していた・・・
「こいつ!素手で一人たおしちまったぞ!?」
近くにいた青年が驚く、そして彼は、
「先にみんなであいつを倒しちまおう!」
十数人から賛同の声があがる。
「行くぞー!!・・・・・」
それが青年の最後の言葉となった 青年はうつぶせに倒れていた
「へへへ・・・・・何?みんなそんなに俺のことみつめんなよ♪照れるだろ♥」
疾黒の発言に、周囲の人々は怒りを覚えたようだ
「馬鹿にしやがって!」
「おい!みんなあいつからやっちまおう!!」
「いまだけ団結だ!!」
武器を持った人々が、疾黒に一斉に襲い掛かる
「そーんなに俺にちかづきたいのかー♪もぅ、俺ってモテるねぇ・・・」
疾黒はのんびりと拳を構える
「・・・・ごめんよ、やっぱ俺、戦うの好きだからまけらんないわー!」
どうやら出雲にむけて発した言葉らしい。

「・・あの阿呆・・・でも・・・・」
木陰で出雲が苦笑していた
「・・・腕だけは落ちていないみたいだなぁ・・・」
出雲の視線の先では、白目を剥いた人々の山に片足をかけて、きめポーズをとっている疾黒の姿があった
「・・殺してないだろうなあいつ・・・・加減をしらないからな・・」
出雲はあきらめたように言葉をもらした」

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意外な一面・・・・さてさて いったい誰が勝ち残るのでしょうか・・・・?馬鹿街道まっしぐら

隊長ー

2007-01-14 20:52:02 | 卯の花の独り言
疾黒隊長です。パソで書いたからしにそ。。。ペンタブほしいよー

6 欠伸

2007-01-13 20:11:40 |  一章  夢 
「部屋を出る前に、好きな武器を選んで持って出てください  いつも使っているものに近いものでいいですよ」
それぞれ、銃を扱うものはゴム弾を 刀を扱うものは相応の長さの木刀などを持っていった。
疾黒が出口に差し掛かった
「好きなものを持っていってください」
「・・・出雲、俺もやらなきゃだめか?」
「・・・全員参加が決まっていますので」
「・・お前ここにいると堅いよなー・・・」
「次が詰まりますのではやく進んでください」
「ちぇっ・・・わかったよ  やればいいんだろやればー」
疾黒は出雲から 短い木刀を受け取った
「・・・疾黒隊長?あなたの刀はもっと長いはずですがよいのですか?」
「ふあ?いいんだよ、どうせつかわねえし」
明らかなやる気のなさをアピールし、疾黒は会議室を出て行った


――連合軍基地  第一鍛錬所

鍛錬所には たくさんの武器を持った人が集まっていた。
明らかにごつい甲冑をみにつけている者、身軽そうな格好をしているもの、木刀を反対に構えているものもいた。
「しばらく体慣らしでもしていてくれ、10分後からはじめる」
出雲は全体にそれをいうと、木の上でくつろいでいる疾黒のもとへ向かった


「疾黒」
「なんですか?『出雲副隊長』。」
疾黒は木の上から、茶化すような言い方で返事をした
「今はだれもみていないから問題ないよ。」
「・・・はあー・・お前つかれねえ?それさ」
「もーなれた。」
「おっこらせっと」
疾黒は出雲の前に飛び降りた「・・で、なんのようだい?」
「・・・負けるきか?この戦い」
「あれがたたかいだあ?ただのお遊びじゃねえか、かるくこの疾黒様が潰してやろうかな」
「やめい」
「なんでだよ。さっき全員参加っていったやんけ。やるからには負ける気ないかんな」
「・・・勝ち残ったら騎兵隊だぞ?お前が地位とかにこだわるようには見えんが・・・」
「地位なんかいらんよ。でも負ける気しないから」
「特攻隊のようなもので、どうせ使い捨てにされるのが関の山だろ?それでいいのかおまえは?・・いまの地位失ったらお前はまた昔のように・・」
「黙れ」
疾黒の表情が急に冷たくなる
「・・・・俺にはもともと居場所なんかない、どこにいようが同じこと・・わかったような口をきくんじゃねぇ。」
「!・・・・すまない・・・」
「・・・・なんてな、ちょっと切れてみたりしたりしてーあっはっは! 大丈夫だ、戦いに負けずに試合に負ければいいんだろ?」
「?・・・どういう・・・」
「ま、俺の活躍を指くわえてみてるんだな、出雲  あっはっはっは!」
疾黒は笑いながら集団のほうへ歩いていった

「・・・・」
取り残された出雲の額に 冷や汗がにじみ出る
(・・さっき疾黒の表情は・・・・あのときとおなじ・・・・あぶなかった・・・)
汗をぬぐい、疾黒の後を追う。


出雲の姿をみた群集は、いっせいに静かになった
「一斉にたたかい、最後までたっていたものが権利を得られる わかったな?」
皆がうなずく
「では・・・・・初め!」

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5 空気が読めない男

2007-01-11 20:52:18 |  一章  夢 
「・・・およびですか隊長?」
出雲の前には 黒髪の男が座っていた
「ああ、今日のことだが・・・」
「・・・?」
「・・来るんだろう?あのお騒がせものが・・」
「あ・・西軍の疾黒隊長のことですか?・・・たぶん来るのではないかと・・・」
男は歪んだ笑みを浮かべる
「では、今日は面白いものが見れそうだな・・・・」


会議室は、各軍の代表者であふれかえっていた。
「ていうかよ・・・なんでこんな急に会合なんか開くんだ?」
「しらないよ どうせまた新しい指令とかだろ?わざわざ呼ばなくてもいいものを・・」
会議室では、代表者たちによる談話が繰り広げられていた
「だからよー、」
「! 静かに、総隊長のおでましだよ。」
皆がいっせいに席に着く。

正面の入り口が開き、中から連合軍副隊長である出雲が姿をあらわした。
さきほど疾黒と話していたときと違って、真剣な表情をみせていた
「はじまるのが遅れてしまってすまない、私情により総隊長は出席できないとのことだ。では、これから会合をはじめたいと・・・・・」

ドガン!

左サイドの扉が乱暴に開かれた。
「・・・遅れて申し訳ありません!・・・・・て まだ始まってなかったみたいな?」
厳粛な空気をぶっ壊したのは誰かと 皆が視線を向けるその先に立っていたのは・・
「ラッキーだね、 出雲副隊長、もしかして俺のこと待っててくれたんですか?いやあ、ありがたいっす♪」
いうまでもない、だらしないにへら顔に ぼさぼさの銀髪 背中に一本の長刀を背負った男   
疾黒だった
「・・・疾黒隊長、はやく席に着きなさい」
出雲があきれたように言い放つ
「へいへいーすんませんねぇ」
疾黒は周りからの鋭い視線を気にすることなくそそくさと自分の席についた

「・・・・それでは、全員そろったところで、始めますよ」
ざわめきが消える
「皆さん、表へでていただきたい」
「?」
全体から、妙なざわめきがうまれる。
「理由を説明するが、 今、この連合国が隣国に大きな攻撃を仕掛けようとしていることは知っていると思う。そこで・・・あれ?隊長?」
いつの間にか、出雲の隣には総隊長が立っていた
「出雲・・・さがっていろ 私から話そう・・・・今日集まってもらったのはだな 隣国との戦いのときの連合軍直属の騎兵隊をつくるためだ。いまから一斉に戦ってもらう。 ああ、もちろん死んだりはしないさ 、木刀やゴム弾を使ってもらう。」
「・・・勝ち残ったらどうなるのですか?」  どこぞの代表が尋ねた
「最後に残った軍隊長には、騎兵隊の隊長となってもらいたい・・・・・もちろん高い地位も与えよう」
「やりましょう!」
「この国のために、みんな早く外にでるんだ!」
最後の 地位 という言葉にか、会議室中の人が喚起した
・・・・ただ一人 大あくびをしているやる気のない男を除いては


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もっともっと、いろんな人に読んでいただきたいな・・・とおもう今日この頃
一人疾黒を暴走させるこの頃  

ではまたじかいー

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4 夢と炎と・・

2007-01-10 22:42:34 |  一章  夢 
・・・あぁまただ・・また同じ光景・・
・・・再びまたあの夢がやってくる 

レンガのような壁を持つ家がみえる。
煙突からは、白い煙。いいにおいがしてくる。
・・・イイにおい?どんな匂いなのだろう?自分にはわからないが、いい匂いらしい。
澄んだ青空に、白い雲がぽつぽつと浮かんでいる。周囲には、今にも壊れそうな家々、水簿らしい格好をした人々があるいていた。
でも彼らはとても明るい、たのしそうな表情をしていた。
「よぅ ××、今日も元気か?!」
私はすれ違った男性から声をかけられた。やはり顔がみえなかった。一体だれだったのか?
「・・・だよな・・・で・・・・・な・・・・・・・あい・・・」
? こちらもやはり何を言っているのか、まったく聞き取れなかった。周囲の人も何かをはなしているのに、聞こえない。
音のない世界・・ここはどこなんだろうか

・・・・?

焦げ臭い・・なんの匂いだ?・・・火事?

何軒かさきの民家が 炎を上げて燃えていた。
なんでいままで気づかなかったのだろうか?・・・とにかく火をけさなくては
俺はその民家に向かう

民家の前には人だかり。
相変わらず音はないが なにか騒いでいる様子だった
「大丈夫か?中に人はいるのか!?」
周りの反応はない。 俺のことが見えていないのか?でも、そんなところに集まっていては危険だ・・・
「はやくここから離れるんだ!危険だよ」
やはり無反応だ。声すらも届かないらしい

俺は無理やり人ごみのなかに突っ込み、火元から離そうとした

「ほぁばっ! ・・いてぇ・・・・」
すり抜けてしまった 俺は勢い余って、地面に顔から突っ込んでしまった
触れない 音もない 
ここはいったいどこだっていうんだ?


「離せっつってんだろ!!このなかにはまだ・・・・」


突然 少年のような叫び声が聞こえた
「誰だ?!」
俺は顔を上げた



「誰だ!?」
疾黒は飛び起きた。 辺りには 草原が広がっていた。そして、すこしはなれたところに、見慣れた薄気味悪い連合軍基地がみえる
「・・・・・夢・・か・・」
疾黒はぼさぼさになった髪をいじりながら、ぼけっとした顔であたりを見回した
「・・・・・えーと・・・」
疾黒は時計をとりだす  
「・・・・」
顔からサーっと血の気が引いた


もうすでに 会議開始時刻から10分以上が経過していた



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少しまじめな展開になってますね次回も若干真面目系だとは思いますが、また彼がやってくれると思いますのでこうご期待ってことで(笑)
ご意見ご感想お待ちしております

3 出雲

2007-01-09 23:07:07 |  一章  夢 
雲ひとつない青空・・・ひとつだけ、大きな青い天井の隅っこに 小さな白いくもが浮かんでいた
そんな快晴のなか、高くそびえる灰色の連合軍本部は 見る者すべてに妙な威圧感を感じさせる
門番他、警備の兵士以外の人影がみあたらない中、一人の銀髪が正面門に向かって走ってきた。
「・・あぁぁ・・・遅刻だ 遅刻決定だぁ・・門番さん」
「はい?」
「・・もう・・はじまってますよね?」
門番は はぁ? といった表情をした。
「・・いえ 一時間後からですが・・・?」
「へ?・・・」
「茆音に騙されたな、疾黒」
疾黒は背後から打撃を食らった。前につんのめる
「いっ・・・・誰だよ!!・・・あ  なんだ出雲か・・まさかお前も時間まちがえたとか??」
「ばーか、俺はここの所属だろ わすれたんか阿呆」
「・・おお そうだった  そうだ、久しぶり出雲ぉ」
「変わんねえな阿呆」
出雲は 苦笑すると、会合までの時間 疾黒を散歩に誘った

「どうだ?最近は」
「・・さぁな・・・いまのところ、こっちは何事もないが・・」
疾黒は 普段あまり見せない真面目な顔をしていた
「どーせなんかやましいことでもあるんだろ?」
「・・・・」
「だから急に会合なんて開くんだろ?」
「・・まあな・・まあ、それも今日の会議でわかることだろう 実のところ、俺もあまり知らされていないものでね。うちの隊長は何をしようとしているのか・・・」
出雲は口からタバコの煙を吐いた その煙はゆっくりと 消えいきながら薄暗くなった空へと吸い込まれていった。
「出雲副隊長!隊長がおよびですよ」
「?だれだ?あの人はぁ」
「誰って・・俺の部下だよ、阿呆   ああ!今行くよ!! 」
出雲は疾黒に微笑をみせ 声がしたほうへと歩いていった
「ほんじゃぁ またあとであいましょーねー」
疾黒はいつものだらしない笑みと、手をブンブン振りながら見送った。

「・・・あと三十分か・・・仮眠だ 仮眠」
そのまま疾黒は草むらに仰向けにたおれこんだ。 
静かに吹く風が、草原をやさしく揺らしていた

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今回短めですいませぬ。次回はちょっとだけあの馬鹿隊長が 真面目になるかも・・・(笑)

2 やる気のない銀髪

2007-01-07 21:56:55 |  一章  夢 
「あれ・・?茆音、隊長はどうなされました?」
兵士が、部屋から出てきたーーにたずねた 
「日課をやったらでてくるってさぁ だからもうすこしまってってねぇ」
「・・はい・・・ながいんですよねえあれ・・」
茆音はいつものことさ と笑い、兵士も微笑を浮かべた
しかし、その微笑も次の瞬間 苦悶の表情へと変わった。
「はばっ・・・」
勢いよくあいた 疾黒の部屋のドアが、兵士の顔面に直撃したようだ。
「あり?茆音、まだいたんか?・・?あり?あー・・・これ、オレがやったの?」
「いえす、ゆーでぃど(yes you did)」
茆音は首を縦に振った
「あっはっは悪い悪い」
「・・・今日も絶好調ですね 隊長・・」
兵士は鼻を押さえながら 軽く頭を下げた
「よくねたからなー。」
「そんな能天気でどうするんですか・・今日は上との会合があるのでしょう?間に合うんですか?」
いままでへらへらと笑っていた疾黒の表情が 笑顔のまま固まった
「あと30分ではじまるんだなぁ」
茆音が楽しそうにつぶやく
「・・・・・場所は?」
「連合軍本部・・」
「やべ・・もう行くわっ 茆音、鵺禾に謝っといてくれ!」
疾黒は二階の窓から飛び降りた
「ちょっ・・」
「・・・だいじょーぶ 死なないからぁ」
茆音は不機嫌にそういうと、さっさと自分の部屋にもどってしまった
一人取り残された兵士は、
「この隊は・・ほんっと平和だなぁ・・・」
青空をみあげ、ぼそっとつぶやいた

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ーーの名前を 茆音 とあらためました

一、夢 (1、寝坊)

2007-01-05 01:56:12 |  一章  夢 
こまめに更新するために、短く区切ってあげていきます
居場所とはなにか
帰るべき場所とは何か
生きるとはなにか
命とはなにか
知らなくてはいけないことなのか
知っていることとはなにか
彼らはしっているのか
何を知っているのか
なぜ知っているのだろうか


レンガのような壁を持つ家がみえる。
煙突からは、白い煙。いいにおいがしてくる。・・・イイにおい?どんな匂いなのだろう?
自分にはわからないが、いい匂いらしい。
澄んだ青空に、白い雲がぽつぽつと浮かんでいる。
周囲には、今にも壊れそうな家々、水簿らしい格好をした人々があるいていた。でも彼らはとても明るい、たのしそうな表情をしていた。
「よぅ ××、今日も元気か?!」
私はすれ違った男性から声をかけられた。顔がみえなかった。
一体だれだったのか?
「・・・だよな・・・で・・・・・な・・・・・・・あい・・・」
? 何を言っているのか、まったく聞き取れなかった。周囲の人も何かをはなしているのに、聞こえない。

音のない世界・・ここはどこなんだろうか


「・・!疾黒!おきんしゃいっ」
「う・・・乗るな・・くるし・・」
「おきんしゃい」
「わかった・・・から・・・どいてくんさい」
疾黒は自分の上に座っていた少女をどかし、眠そうに目をこすりながらしぶしぶ起き上がった。
「みんなが困ってたよ、『今日の指令を出してくれないと困りますので・・・』って」
栗色の髪と瞳を持った少女がからかうように言う
「・・・?だって今・・・・なんじなんか?」
「・・・」
少女は無言で窓のカーテンを開けた。
青々とした大空に、太陽は空高くのぼっていた、もう昼時であった
「・・おっと。・・なんでみんな起こしてくれんかったんか?」
疾黒がぼさぼさのあたまを掻きながら 
「・・ひどいなあ
「いやいや、みんながんばってたよ?みんな寝ぼけた疾黒に殴られてかわいそうだったから、あたしがおこしてさしあげたのさぁ」
「・・・おっと。あとであやまらんとなぁ・・もう少ししたら行くと伝えといてくれんか、茆音」
茆音と呼ばれた少女は、
「あいあいさぁ~」
ふわふわした足取りで、外へ出て行った

「ふう・・」
なんだったのだろうあの夢は・・昔からたまに見ることがある夢・・
そして、なぜか行ったことのある気がする・・
レンガ造りの家が並ぶ町並み 清々しいほどの青空 貧しいながら(多分)楽しそうな人々・・・
毎回この夢を見るときは 同じ光景が浮かぶしかし、今回は今までと少し違った。今までは まったく音のない世界だった今回は わずかだが声をかけられた記憶がある。内容はつかめなかったが・・・
「おっと・・はやくいかんとまた茆音におこられるかんなぁ・・」
疾黒はベッドから、トン と降りて棚を開いた。棚の中は、ごちゃごちゃとしている。
適当に詰め込まれた軍服、順番のわからなくなってしまった書類の山、得体の知れない置物・・・彼は正装である軍服を無理やり引っ張り出した 当然、ほかのものも一緒に引きずり出される
疾黒は あちゃー と声を漏らしながら 軍服を羽織ったそして 机の上にある一枚の写真のようなもの(こちらも紙の山に埋もれているのだが)に向き合い 一言
「・・おはよう 行ってきます」勢いよく、部屋のドアを開けた
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