日々アマチュア

日々アマチュアのどたばた恋愛コメディー

ゴブンコ 4

2008-05-29 22:22:29 | book

四回目16~20冊目です。
ちょっと遅れました。
あと文学に混ぜ物をしてみました。


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16>ランドマーク 吉田修一 講談社文庫
沖縄の空港で飛行機内ように買ってすぐ読んだ。

大宮というリアルな情景と高層ビルの設計士と現場の鉄筋工とのねじれる関係。
そのねじれはメタファーとして高層ビルが螺旋構成になって雄々しいかたちで現れる。
ちょうどモード名古屋が頭にあるから全てが隣で起こっている情事。
バベルを意識した崩れる人間が主題。

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17>よくわからないねじ 宮沢章夫 新潮文庫

劇団「遊園地再生事業団」の作家・演出家によるエッセイ。
過去に「牛への道」「わからなくなってきました」も読み、もしかしたらこれも読んだ事がという感覚に。。
まあそれはどうでもいいとして、ほんとうにどうでもいいのだ。なんたって100円
変な芸人よりよっぽど笑えるよ。特には残らないけど。
赤瀬川源平に似てんだ



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18>グリーン・クリスマス 野中柊 集英社文庫

またまたよんじまった野中柊。
なんだかここまでくると、「確認」みたいになっちゃって全然入ってこない。。反省
ただいままでの中で一番軽く、しゅわしゅわしてる。
レビューになってないっすね、、、


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19>目に見えないもの 湯川秀樹 講談社学術文庫

まさかの湯川さん登場!日本初のノーベル賞ゲッター
本書は学術的なものだはなくエッセイのように平易な言葉で淡々と語られ、故に奥深い。
もちろんつっこんだ元素記号も出てくるから水兵リーベあたりを所持しておくと良い。
探求への思想はロックだ。人間かっこじゃないよ。

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20>これからの世界 星新一 新潮文庫

収録される短編の数21に気づいたら話が終わってる系。
子供の頃こういうのをよしとされていたなあと思いながら手に取り何気なく読むも。ぐへっ
グリム童話のそれと一緒か分からないが、結構ブラック。
でも全てが啓蒙的。独自の重力がスキップしながら、はいおしまい。
たまに思い出しながら読みたいなー

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やっぱり100円でフォーマットかけると、こんなバラツキがでる。
こっちのが脳みそがグルグルしていいと思っている。

行ってきましたomu-tone

2008-05-29 21:25:45 | music

5/23(fri)行ってきましたomu-tone 「3」リリースイベント at Super Deluxe

僕が始めて聞いたのは横浜のBankARTがハマトリのホスピタリティーをやったときの
Yokohama Omu-ningという曲。500円で売ってたので購入し、愛ポッドへ挿入。

それから、ちょっとぼーっとした時に聞いていたomu-toneがSuper Deluxeでやるとmattsuさんに
梅子にて教えてもらい。手帳にばっちり書き込んで行ってきました。
残念ながら一人でしたけど、それが会場の雰囲気と一緒に音楽を聴くにはよい状況でした。



とてもワクワクしてたわけです。それは会場がコンクリむき出しのSuper Deluxeだからで
BankARTやそういう古墳みたいな剛健な環境で見るOmu-toneというのは最高だろうなと、勝手に思い込んでので。

華奢な女子がコンクリートジャングルでマリンバ、トレモロ きゃー  で。


とてもよかったです。
また行きたいです。
次も会場に恵まれる事を祈ります。

ngy03 to MIE

2008-05-23 02:00:27 | architecture & travel
泊まっていた叔母の家が三重よりだったため、
最終日は近鉄(普通&急行)を乗り継いで。

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[伊勢神宮 外宮ー内宮]


外宮) まず木がでかい でかい 


内宮) 内宮の途中に現れる親水空間はきもちよかった


外宮) 外宮の御祭神 豊受大御神 古事記読んでてよかったー


内宮) H25年に式年遷宮を控える


近くにツクヨミやイザナギ、イザナミをまつる月讀宮がある。
時間の都合上断念。
ちゃんと参拝ルートを回った事はよかったと思う。
ちゃんと伊勢うどんも食べた。(なんだあのブヨブヨは)ゆずがついてるとおいしかったろうな


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[海の博物館] 設計:内藤廣建築設計事務所


いらっしゃいませー 


暑い日だったからエントランスの水盤は涼しげだった。


白と黒があるリズムで現れる(洗われる)


しばし、見入る


木立のようだ


センスかな。こういうのは


タール?焼き?


展示内容がちらり


構成的な庭


白の足下


なぜかふぐ


一番外をシャットアウトする蔵。貴重なものがいっぱい


重く、ワイン蔵のような空気が沈滞する


その重さを出た景色、密度濃い体験


のどかだね


一転して、荒々しさをお


ああ、船だ


いくつかの棟が振って配置されている


帰り際、振り返ると、紛れていた

旅の最後、一番遠くに行き見たのがこれでとてもよかった。
伊勢から向かう途中、寝過ごして走って一駅戻りバスに間に合ったり。
そのバスの中で地元のお客さんに紛れたり、疲れた体に染みた。
つい、写真をいっぱい載せてしまいました。

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帰りのバスは旅CMのそれのように、素晴らしい景色をくれた(鳥羽)。
このあとまた特急を使わないのろのろ電車で名古屋に戻り、ながらで夜行をした翌日学校。
最後がぎゅっとしていた分、帰ってからこの旅はいい感じで脳裏をよぎった。







ngy02

2008-05-18 02:26:50 | architecture & travel
昨日に続き、名古屋の模様を
追加します。

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[名古屋大学豊田講堂] 設計者/槇文彦


キャンパスーって感じがむんむんで


アプローチを登り見える雄々しさ


メイン立面を横からなめる。昔は演説とかあったのかな


ひじょうによろしい


名古屋市街地にビシッとアクシスが伸びる。槇さんの唯一の軸


おおらかな遊戯


コラージュの構成に後の槇さんを感じる


ホールの斜め


増改築後なのでキレイになっているアトリウム


ああ、モダンだなーと感じる


コンクリに写る木目に萌え


槇さんの処女作である豊田講堂
この後もいくつかあるけど、これを見れたのが旅の一番の喜びだった。
改築後キレイになっていて、今でもリアルに気持ちがいい。
西洋美術館のアプローチ、ピロティーのそれに似ていた。

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[名古屋大学 野依記念学術交流館] 設計者/飯田善彦/飯田善彦建築工房、名古屋大学施設部


紛れ込む


透過する


屋根の折り曲げ

平面がどうなんだろう。
見たときは、ああ紛れ込んでるんだと思っていた。
でも外壁の立体トラスとか妙に引っかかる。

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[名古屋大学 野依記念物質科学研究館] 設計者/飯田善彦/飯田善彦建築工房、名古屋大学施設部


刺さるボリュームの強調、メインファサードは微妙に窪んでいる


あそこなにかな、展望台?


20年後どうなっているか


非常のテラスはきれい


横の面


金属のメッシュ


反対の横の面


樹脂系のやつ


きれいだった。建って五年。
これから10年、20年と経った時この手の建物はどうなるのか。
みたい
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小さい頃、霊園の入口から祖父の墓までいっぱい歩いた気がした。
大きくなった今、その距離感の違いに一瞬迷い時間の経過を知る。
変わらないのは、墓参りの後に食べるみたらし団子とラムネ。
こういうのは本当に残って欲しい。






ngy 01

2008-05-17 04:31:16 | architecture & travel
先日名古屋に行って参りました。
おばの家にお世話になりながら、目的の墓参りのおまけでいくつか建物を見たので写真を載せます。

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[モード学園スパイラルタワーズ] 設計者/日建設計 施工/大林組




しゅるしゅるーの2つの景色


名駅側より


反対側より。(ドラえもんの映画にこんなビルが出て来た悪人の巣窟)




足下の二つの景色。

スパイラルは明日への上昇ばかり気にして、ぐるぐると人を巻き込む事をあきらめたかのように見えた。
コアチューブと回転するスラブと天女の衣。構成はいたってシンプルだ。

おもしろい写真のsite
http://www.geocities.jp/chilokulo/nagoyamodogakuentitle.html


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[Louis Vuitton ナゴヤ ミッドランド スクエア店] 設計者/ 外装-永石貴義建築設計事務所 内装-エリック・カールソン


市松の徹底


アルミのねじねじ


これぐらいの距離からだと見えない

アルミのねじねじは杉本貴司の彫刻を思わせ、なぜかやっちゃってるぶんフェテッシュが出た建物なのかな。
ねじねじの巻き具合で市松を作り出すのだろうが、なぜかウキウキしない。(一本で見た方がいいかな)

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[Louis Vuitton 名古屋] 設計者/青木淳建築計画事務所 施工/清水建設名古屋支店


道路またいだ側から見るのが一番面白い。あたしが歩くと建物が動く。


うっすらとうつりこむ名古屋の観覧車


裏まですごいキレイ

感動した。本来ブティックを見に行くなんて東京ではしないから、旅先での楽しみのウキウキ感。
名古屋でディテールの本を買い、ほうほうと勉強する。
この市松は引きで見てアクションを起こすから、なんというか都市みたいのへの交通もちゃんとある。

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よく言われる名古屋的なものがいいかわるいか、わたしにはわからなかったが
ただ、いい感じと言われるとそれが一番正しい表現だと思った。

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[大栄ビルヂング] 設計者/ポール・ルドルフ、山下司、納賀雄嗣

ビルヂング


上の方がとってもガンダム


街路からの引き込み、いやビルヂング


節度無き飲み屋が巣食う


階段かっこいい


ファサードパイプオルガンシンフォニックオーケストラ

なにもいうことはない、ただビルヂングなのだ。
随所に見られる半円のプランは、街路に対しては柔らかな接触を促し、内部にはポケットのような空間を作る。

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[名古屋市美術館] 設計者/黒川紀章建築都市設計事務所、名古屋市建築局

この格子はなんなんだといつも思う


まぜた構成


カルダーの彫刻が映える


これは開口と呼べない、呼ぶなら光だ


モエレてぃっくな巨大オブジェに感動

とにかくこの立体格子というのが度々登場するが、なんなのかわからない。
中の展示はモディリアーニで、これがとてもよかった。初めてかも近代の画家で感動したの。
あと敷地のある白河公園はとても豊かだった。市街地なのに公園でみんな遊んでた。

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[通風口] 設計者/?

斜に構える


仰ぎ見る

町中を歩いていて忽然と姿を現した通風口にとても感動した。
へ、へるつぉーくっ?
名古屋は地下鉄が色々走ってるからこういうのが急に出てくるのかな。東京にもこんな素敵なのあるかな。

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子供の頃、祖母のマンションの前にあるこの公園でよく遊んだ。
記憶に残る景色はそのまま私の目の前にあり、その瞬間カメラの絞りを開いたのだった。


ゴブンコ 3

2008-05-15 00:38:57 | book

三回目11~15冊目です。


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11>草原の輝き 野中柊 角川文庫
過去の家族関係に蓋をして生きる主人公の女性。
その女性を現実へと引き戻し、日常を支える夫。
その夫の教え子で問題アリな女の子。の間で進むストーリー。
殆どの描写は主人公の素敵なお部屋。(ぼくの前住んでいたアパートのトイレがすごく素敵でみなに自慢した感覚。)
そこでソーダ水のしゅわしゅわとともに主人公(なつき)と女の子(佐野佳奈子)の草原への旅立ちが始まる。
行ってしまえば逃避症状としての草原が女の子にとって、とても居心地のよい隠れがとなり主人公もそそられる。
行きたいけれど行っては行けないそんな場所。健全であるためには行った方がいいのか行かない方がいいのか。
やはり、野中柊のとても丁寧な描写(それは物だったり、部屋の間取りだったり)が光る。

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12>人魚姫のくつ 野中柊 新潮文庫
関内のBOOK OFFで100円
つづきます野田柊。
主人公の設定が美脚を誇るサーカス団の玉回しの花形スター。うける
Aランチ、Bランチ、Cランチ、と男を遊びわけた末の妊娠。
彼女は生まれた子供の父親が分からぬまま、子供を溺愛(この場合、死守に近いもの)する。
ある日来た一通の手紙に書かれた手鞠羊羹(コンドームみたいのにくるまれた羊羹、今はあるのかな)
Aランチから別れ際のルビーの指輪のプレゼント。
Bランチからのオルゴール。
そういった物によって自分を確かめるような女性のプライドのようなもの。
花盛りはいつだったっけ。あたしの青春どーこだ。お姫様のアフターストーリー。

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13>ジャンピング☆ベイビー 野中柊 新潮文庫
またよんじまった野中柊。
この話においても猫と外人の元夫という初期設定は変わらない。
村上春樹・龍におけるジャズとバーボンとなぜだかモテる男(とい3必要なのだろう。特に野中の小説は丁寧で精密だ。世界を作るのに設定がかなり重要だ。
気弱な白人アメリカ人の夫、その側にいるベジタリアンだったりの外れたアメリカ人女性、そしてザ・日本人女性(これは筆者本人の願望の権化と思われる。)。そのバーターとして両者の意見を当てはめる役として猫が登場する。
戸塚や鎌倉そしてモントリオール。バナナスプリットとバナナファッジ。あたりまえに服用する睡眠薬
帰国子女の子がたまに周りとのズレを確認するような。そんな感じ。
そういう距離をとる少女。異様に冷めてるんだ、


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14>街の座標 清水博子 集英社文庫
第21回すばる文学賞受賞。
まず気になるのは手法で。
大学で作家Aの卒論を書こうとする主人公の近所に作家Aが住んでいるという設定。
一冊しか読んだ事のない作家についての卒論なんてのは馬鹿げているにちがいないのだけど。
その嗅覚のようなものを完全に信じきって、下北沢の小田急と京王の交差をX,Y軸に見立て、
自分の頭の中で小説の世界と、小説家の位置と自分の位置を詮索する。
メタレベルを架空の脳内に作り出す。そのフィクションの迷路の中のシュルレアリスティック。
それは、どこかマグリッドの絵画のように。各々の縮尺を遊びながら展開される。

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15>カラフル 森絵都 文春文庫
森絵都は児童文学の人だ。
今回のカラフルも、重松清の爽やかな疾走感を持ちながらキーパーソンの名前がプラプラだ。
もうそれだけで十分である。いくらスリリングに事が運ぼうと現れるのはプラプラである。
その瞬間、ああこれは児童文学の人だ。という感情に支配される。
先月のユリイカで谷川俊太郎が児童文学の可能性を語っていた。
それはとてもいい文章で、まあ忘れたのだけれど。これを読んでてああそういう事かなと思う。
とにかくそういう事なのだ。児童文学という場合、大人目線だから大人への子供の目の提案という事になる。
思い出、それはノスタルジーを超えて世の中をハッピーにする力になり得ないだろうか。

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最近男性ものも混ぜ始めました。
女性ものをまとめて読んで森絵都という人の文学は心地よかったです。
今書店に新刊が並んでいますが、BOOKOFFに出てからにしようと思います。
野中柊をとても読みましたが、「飽きた」ってのが正直な所で。
そりゃあ短時間にこんだけってわけですが、アイコンが一定なので野中柊的なものは分かるのに。
いっこいっこがよくわからなってくるそんな感覚になるのです。




躑躅

2008-05-06 00:25:40 | web diary

この時期、街路沿いを一気に彩る躑躅。
つつじ
毎年何かしらでツツジの写真を撮っていた。
とっても手軽なお花見であるし、五本に分かれる花びら(正確には根元は一緒で先っぽがわかれている)は
ハイビスカスなどの華やかな雰囲気を持っているし、その色のバリエーションも魅力だ。




私達が街路樹として見ているのはヒラドツツジと言うものらしい。

花言葉「自制心」「節制」「恋の喜び」「初恋」「燃える思い」「上品」「明るい交際」

多すぎやしないだろうか。たとえ口説きの場面でツツジを差し出すメンズはおらんのだろうが。
まあ、たとえばこれの花言葉知ってる?って都合のいいものを選べるの。
ただ最後の「明るい交際」っていうのがとってもほほえましい。

普段虫はとてもうるさいけど、蜜を吸い受粉の手助けをする彼らはまっとうに仕事をしている。
そしてその「立派に仕事をしている」様と彼らの振る舞いを見ながら
「虫ってちっちぇえな」なんて意味があるようでない事をぼやく。

そういえば、僕の大学がある東京の港湾新興住宅地においては沿道のツツジが根付いていない。
というか横浜の緩急付けた坂道地形が作り上げた豊満なツツジ畑を眺めながら通学するとその差に落胆する。

いつの日かあの港湾地帯にちっちゃな公共を感じる様なツツジが沿道を賑わせる日がくるのだろうか。
これはにょきにょき建つあれら高層マンションと実は強く関係している植物なのかと思った。

ただ僕がツツジに深入りしすぎなのかもしれないが。

また

ゴブンコ 2

2008-05-04 02:46:00 | book
二回目いきまーす

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6>ヨモギ・アイス 野中柊 集英社文庫
-1 「ヨモギ・アイス」
著者の本を数冊読んだところで気づくアイコンの存在。
アイスクリーム、猫、アメリカ人の夫、フェミニズム、アメリカの片田舎の商店。
これらの周縁で話を進めていくのが常套手段。
そこには分かり合えない関係と言う事を強く印象づける意図が感じられる。
-2 「アンダーソン家のヨメ」
There is no place like home. from Wizard of Oz
このお話の場合前述のフェミニズムの部分が強く表れる。
あと分かり合えないズレってのも設定上かなり強い。
国際結婚ののち、アメリカの夫の実家でパーティー
そこで彼の家族や、昔の友達とのもみくちゃの様を執拗に描いている。
一応英語が喋れるちょっとすれた小柄で日本の女の子っぽいのが共通の主人公像みたいだ。

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7>チョコレット・オーガズム 野中柊 集英社文庫
名古屋駅で読んだ。
-1「チョコレット・オーガズム」
タイプの違う二人の女性。マユキとヒカルの根比べ。
いままでちゃんと生きて来たもん系のマユキの前を
幼稚園から大学までも一緒という奇跡によってつなぎ止められた
天真爛漫な偏食女、ヒカルは舞う。
二人の女性をぶつけて問う形。

-2「なつやすみ」
色々な事情でアメリカ人の父、日本人の母、と父の腹違いの子ジェニーとの生活をする少女・麻子のお散歩小説。
ショックによって言葉が話せない麻子の日常との接し方。
野中柊のアメリカは不自由な状況に強いたときの人間(特に女の子)であり
この話においても言葉を想いに、つまりカギ括弧無しで主人公の感情を進める。
そこにはピナ・バウシュの踊りにある様な、気持ちのいい重さを持ったコミュニケーションの真意がある。

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8>お縫い子テルミー 栗田有起 集英社文庫
-1 「お縫い子テルミー」
流しの裁縫屋、照美が島から新宿へ繰り出す。
流しという職業もそうだがとても軽やかなフットワークでストーリーと主人公の動きが進む。
片手には生活道具、もうひとつには生活道具
なんだか僕にはヒーローものの印象に似た爽快感が残るのだ。

-2 「ABARE・DAICO」
友達のおっちんに男としての憧れを持つ小松君の夏休み背伸び奮闘記
途中に出てくる猫のグーちゃんハーちゃんがグアムちゃんハワイちゃんって気づいた小松君はすごい。
自分を克服しようとしながらも局所局所で出来る奴を見せるように小松君は少しづつ
自分の中のドロドロと折り合いをつけていく。この著者の話は気持ちがいい。

ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/ー/


9>永遠の出口 森絵都 集英社文庫
第一章「永遠の出口」から第九章の「卒業」まで小3から高3までの紀子の物語。
章で分けられると各章にイベントや転機があてられる。
そして、その断章の積み重ねを読んでいくという事は読む事を楽しませる一つの手法である。
所々出てくる7,80年代のポップアイテムが脇腹をくすぶる。
最近読んだなかでは一番満足できるものだった。

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10>これからはあるくのだ 角田光代 文春文庫
短いエッセイ集。
くすっ。がいっぱい。
エッセイってのは昼間に読んだ方がいいね。

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ちょっとペース落として頑張りまーす。