雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

蝙蝠

2011年03月28日 | ポエム
 蝙蝠こうもり

夕焼けの終わった
青い世界を
お前達は

自由に飛び回る
そんな
時間が大好きで
うきうきする

僕の心のように‥‥

(1974.12.13)



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クッキー

2011年03月25日 | ポエム
 クッキー


きみの焼いたクッキーは
ひとくち食べると
きみの笑顔の味がする

きみの焼いたクッキーは
ひとくち食べると僕の知らない
きみの涙の味がする

(1976)


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夜の街で

2011年03月22日 | ポエム



 入道雲

青い空にひろがる
白い雲の国よ!
いつか僕もそこに土地を買って
お前たちといっしょに
気ままな旅をしたいなあ

(1974.7.20)

 夜の街で

暗い夜の街を
人々は話をしながら通りすぎる
肩が触れあった人の
顔も見えない
赤いネオンの光に
話し声がいつまでも心に響く‥‥

(君の笑顔が見れますね
また
あしたから‥‥)

暗い夜の街を
人々は話をしながら通りすぎる
ぼくはひとりベンチにすわって
そんな人々の流れを見ている
何を考えようかと
考えながら‥‥

(1974)
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恋占い

2011年03月19日 | ポエム


 恋占い

きみの涙は ゆきになって
真っ暗な僕の街に
降りしきる

僕は
ゆきに濡れながら
(きみはどうして泣いているの)
と、問いかける

きみの街はとても遠くで
僕の心は届かない
それにきみは
トランプ占いに
夢中だった

(1975.3.4)


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三月

2011年03月17日 | ポエム




 三月


あんなに身近だったはずの春が
今は遠い世界の出来事のようだ
たくさんの思い出が
いったいどれが
一年前のことで、どれが
二年前のことか
まるでそういう時間を無視して
ちぎれた日記帳を読むように
瞬間的に浮かんでくる

春は大急ぎで歩いている
まったく僕と関係なく‥‥

それでも鳥の美しい声がすると
思わず 木立を探している
それでも白い木蓮の花を見ると
思わず 立ち止まっている

(1974.3.28)

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