daiozen (大王膳)

強くあらねばなりませぬ… 護るためにはどうしても!

片輪のエミール⑦

2011年08月05日 | 社会問題を考える

見た目は片輪でなく、機能面をみると平均以上のお子の場合、(笑)
あなたの赤ちゃんがこの条件に当てはまる場合、いかがですか?
いわゆる世間の言葉で「五体満足」の意です…満足なさいますか?
産院で「そろってますよ」と教えられた瞬間、笑顔が室内に弾ける。
元気であればそれで十分ですって、親の気持はよく分かります。
手に負えない腕白坊主が怪我してさえも、親は心配するものです。
バカ息子とののしりながらも、元気であって欲しいのが親心。

走れメロス…悪王の前に帰ってこれたのはメロスの意志の力だし、
ともかく、この世に生れてこれたのは赤ちゃんの意志の力である。
母親は赤ちゃんの誕生を力いっぱい応援したのは事実でしょうし、
その母親を陰で支えたのが父親であったことも、事実に違いない。
家族も医師も看護師さんも、周囲のみんなも応援したに違いない。
そんなこと知ってか知らずか、母親が特別大すきな赤ちゃんです。
命がけで赤ちゃんを支えたのは何せ、母親ですから当然ですよ。

ともあれ必死の思いで生れてきた赤ちゃんであることは信じたい。
そのことを信じられたら、「やっと生れることが出来て満足できる」
信じられたら母子共に「生れただけで儲けモノ」と思えるだろうし、
家族も生れただけで儲けモノと思ってくれる優しさで包んでくれて、
持参金なしでも家中に大歓迎される新妻みたいに幸せだろうし、
戦地から手足を失って帰ってきた大事な息子を抱きしめるように、
そこにいるだけでみんなに大歓迎されるなら、生れた甲斐がある。

そういえばあのジョニーは手足も声も聴力も目も失ったんだっけ。
ミミズのように皮膚の触感だけで外界と通じていたジョニーだった。
ジョニーは厄介者の扱いで実験棟の一室に転がされていたとか。
政治家に戦争に行かされて爆弾で飛ばされたということでしたね。
赤ちゃんもジョニーのように多くの危険に遭遇しながら生れたんだ。
生きる気力を失くしてしまったら、到底持ちこたえることはなかった。
これは私の思想…あなたはもっと素晴らしい思想を持ってるかも。

私たちは生れるまでが試練であり、この瞬間を結果として生きる。
今この瞬間への到達を最大の感謝の想いで迎え、満足している。
つぎの瞬間へ命を届けるこの五体に、少しの不満でもあるものか、
私はこの五体に、この思想の上に、新たな図面を描きつづけたい。
新たな図面は当然ながら、この一瞬に始まる歴史になるのです。
満足の、五体満足の、最大に恵まれた命のそれは新たな旅立ち。
善いスタートを切らなければ…それは誰もが思ってらっしゃること。

ともあれ、善いスタートを切れたのも、善い思想を持ててこそです。
元気が出て、勇気が出て、楽観的で諦めない、粘り強さが身上か。
そんなことを思います。

なお、次回で「片輪のエミール」は終わりそうな感じです。



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