ひろきち劇場NEO

ソフトウェア開発から写真、旅行、ダイビングまで寄せ鍋風にお届けするブログ。ええダシが出てる・・・かな

ETWEST 組込み総合技術展 2008 - 特別基調講演

2008年06月08日 | ◆仕事
6月5日(木)13:00-14:00 5号館2F 国際会議ホールで行われた特別基調講演デジタル家電に見る組込みソフトウェアの10年の総括と次のステージを聴講してきたのでそのメモから抜粋する。

■拡大するデジタル家電
 DTV、DVD/BD、DSCが急成長。3つ足して3億台。
 日本メーカーのシェアが高くカーナビ70.8%、ビデオカメラは91.9%。
 
■コスト比重の変化
 コストの比重が製造から開発へシフト
 テレビの場合アナログ時代に5%だったソフト開発コスト比率がデジタル化で50%に
 ユビキタスへ向けまだスタートライン

■三大競争
 1)激烈な開発競争
 2)熾烈な時間競争
  商品ライフサイクルの短命化
  ムーバでは36ヶ月→P904では8ヶ月
 3)想像を絶する価格競争
  価格半減期は13年から6年へ(テレビの場合)

■デジタルネットワーク大変革
 この10年で激戦。
 組込みソフト開発が爆発、ソフトが納期の責任を負うことに。
 組込みソフト開発リーダーの力量が問われている。

■組込みソフト開発におけるリーダー像
 アーキテクチャを再構築する力
 事業戦略を分析し紐付け出来るリーダーへ
 新ビジネスモデルに紐付け出来るアーキテクトがいるか?
 第一期:1976年~ デジタル制御家電における「プロジェクトマネージャ」CMM
 第二期:1996年~ デジタルAV家電における「プラットフォームアーキテクト」CMMI
 第三期:2006年~ ネット家電の時代においては???

■松下電器における事例紹介
 Uniphier、LINUXシステムでソフト資産の共通化→効率5倍以上
 DPIMにおける戦略的開発推進

■これからの組込みソフト開発リーダー
 グローバル事業戦略:グローバル標準採用
 アライアンス:オープンソース、外部資産の活用
 ネットワーク:その国・地域に適したネットワーク
 環境対応:規制・省エネ
 安全-品質設計:国情を配慮したフェールセーフ

 リーダー像:「グローバル事業戦略型システムアーキテクト」
       収支を遵守したグローバル納期必達
       グローバル事業戦略/商品戦略を見据え、
       経営者に適切な設計戦略を提案する

■経営と技術をつなぐ4つの視点
 利益・コスト
 時間
 品質
 環境

■まとめ
 プラットフォームアーキテクトの確立
 継続的なプロセス改善
 経営指標で語れるソフトリーダー
 新課題(グローバル事業戦略、環境問題など)への提案力
 ↓
 リーダー育成力が問われている
 組込みソフト産業推進会議に期待

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<感想>
全体の話としてはよく分かるのだが、現実問題として会社側が求めるリーダー像はレベルが高すぎる。システムアーキテクトも経営戦略も誰でもやれる仕事ではない。両方とも非常に高い専門性を求められる役割であり、一部のエリートがこの基準を満たすことが出来る。さらに一人のリーダーがこれらのスキルの両方を備えるというのは現実離れ感がある。実際のところは経営、企画、開発のそれぞれがお互いの領域を意識しながら補完し合う形で進めて行くのではないだろうか。


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