島根県の沖合約60㎞に位置する壱岐諸島の海士町(あまちょう)が熱い!
私が知るだけでも複数回マスコミに取り上げられており、その斬新的かつ大胆な行政改革が全国から注目されています。
コンビニエンスストアがない…ショッピングモールもない…島根県本土から船で2、3時間かかる離島の暮らしは都市に比べ、明らかに便利ではないにも関わらず、人口約2400人のうち、島外から移住してきた人は1割に及び、その多くが20代から40代の働き盛り!
少子化で統廃合寸前だった高校にも、全国から生徒が入学し、2012年度から異例の学級増となっているのです。
島で育てた隠岐牛やブランド化した「いわがき・春香」なども都市の市場で高い評価を得ているのですが、10年前は財政破綻や過疎化の危機にひんし、「島が消える」寸前だったとのこと…
その窮状をどのように脱したのか…
その立役者は、役場を「住民総合サービス株式会社」と位置づけ、大胆な行財政改革と産業創出に取り組んできた山内道雄町長なのです。
また、隠岐諸島の島前地域で唯一の高校である県立隠岐島前高校は、少子化と過疎化で2008年度には生徒数が30人を切っていました…このままでは高校は統廃合され、島の子供たちは15歳で島外に出なくてはいけなくなる…だったら、島外の子供たちを高校へ呼ぶしか存続の道はないと…「島前高校魅力化プロジェクト」が立ち上げられます。
具体的には、難関大学進学を目指す「特別進学コース」や地域づくりを担うリーダーを育てる「地域創造コース」などを新設、島外からの“留学生”に旅費や食費を補助する制度を作ったところ、この取り組みは評判を呼び、2012年度からは異例の学級増、2013年度も45人が入学、島外からの生徒は22人にもなっています。
この他にも山内町長が実践されている様々な活性化事業を紹介したいところですが、あとは是非ネットなどで検索していただくとして、町長さんの生き様が垣間見える取り組みを1つご紹介します。
ある行政関係者が、島の視察で海士町の高校を訪れ、案内役をかってでられたのが町長さんで、一通り説明が終わると…
「皆さん、最後に手をつないで“ふるさと”を歌いましょう!」
と声をかけられたそうでう。さらに
「1つお願いがあります。歌詞を1カ所だけ変えてください。3番の『志をはたして いつの日にか帰らん』というところを『志をはたしに』と変えて歌ってください。」
そして視察者みんなで“ふるさと”を大合唱し、町長の志を共感したとのことです。
♫ふるさと(海士バージョン)♫
兎(うさぎ)追いし かの山
小鮒(こぶな)釣りし かの川
夢は今も めぐりて、
忘れがたき 故郷(ふるさと)
如何(いか)に在(い)ます 父母
恙(つつが)なしや 友がき
雨に風に つけても
思い出(い)ずる 故郷
志(こころざし)を はたしに
いつの日にか 帰らん
山は青き 故郷
水は清き 故郷 ♫
若いうちは、学業のため仕事のため、ふるさとを離れることもあるでしょう…
それでも都会で培った知識、経験、技能は必ずふるさとで役に立つ。
あなたの志を達成するためにふるさとに帰って来てください。
そのための環境整備は、私がしっかりします!
といった山内町長の生き様が感じられる替え歌だと思います。
山内町長に会ってみたくなりました。
そして山内町長のような志を立てられる政治家になりたい…いや、なります!