因果一如

㈱HIRO建築設計、代表者のHIROと申します。ちょっと個人的、ゆるーいけどディープな話題を書いていけたら…と思います!

伝説の山に登る

2017-06-22 15:18:53 | 日記
昨日はフザけちゃいましたが今日はひさしぶり真面目に長文を書きます!(笑)




そう、少し前の話になりますが、吉井町にある「八束山(やつかやま)標高452.3m」っていう山に登りました。



牛伏山(490.5m)、朝日岳(443m)とならんで西上州吉井三山とも言われますがなにしろ小一時間もあれば登れる低山なのでマイナーって言えばマイナーな山です。

自宅からさほど遠くないのでトレーニングに…と深く考えずとりあえず登ってみたのですが、入り口には朽ちた祠がいっぱいで「千と千尋の神隠し」のオープニングの様相。



美味しそうなものが出てきても(ブタになっちゃうので)絶対食べないぞ、と心に決め一人登りましたが、なかなかどうして普通に気持ちのいいキレイな山でした。





で、家に帰って八束山ってゆうネーミングが気になって、調べてみたのですが、個人的にちょっと興味をそそる、歴史ロマンかきたてられる、面白そうな山だって事に気づきました!
(歴史オタクのやばい癖が!)



ちょっと話は脱線しますが、ここから聞いてください。(興味ない人はスルーでいいですよ)

西暦711年に建てられた「多胡碑」ってゆうのがあります。八束山と同じ吉井町池というところにあります。
これも以前ブログでも書きましたが見にいったことがあります。



実は、この碑には当時の弁官庁からの命令で「多胡郡」の範囲を定めた件と統治者を「羊」という者にまかせる、ということが記載されており
国の特別史跡、いずれは世界遺産にも登録されるかもしれない有名な碑です。



実は日本史には空白の100年というのもあり、300~400年くらいの史実は抜けていて、それ以後出てきた史実としては歴史的にも貴重な資料なんだとか。
個人的にはワンピースのポーネグリフみたいなもんかと思っておりますが(笑)


と、話はふたたび脱線しましたが、ここで言われた「羊」というのは諸説あるものの「多胡羊太夫(たごひつじだゆう)」ではなかろうか、というのが有力でして、この羊太夫についても様々な神話じみた伝説が残っています。

これも諸説、というか他にも色んな話がある…っていうかありすぎるので気になる人は個人的に調べてみてください
(羊太夫伝説、でググればいっぱい出てきますよ)

色々要約すると、羊太夫は身長2m50ほどの大男だったそうで、神通力を使って当時の都(奈良?)と上野国(群馬)を日帰りしていたという話です。
従者には、神通力を使う八束小脛(やつかこはぎ)という空飛ぶ珍獣?がいたり、羊太夫を乗せて250km(想定)で走れる名馬、権田栗毛(ごんだくりげ)の話も。

あるとき、羊太夫が昼寝をしている八束小脛(やつかこはぎ)の両脇を見ると羽が生えていたので、いたずら心から抜いてしまったが、以後小脛は空を飛べなくなってしまい、羊太夫は参内できなくなった。朝廷は、羊太夫が姿を見せなくなったので、謀反を企てていると考え、軍勢を派遣し、朝敵として羊太夫を討伐した。
落城間近となった羊太夫は、金の蝶に化して飛び去ったが、池村で自殺した。八束小脛も金の蝶に化身し飛び去った、っていうのがおおまかな昔話の概要。(一部、ウィキ…コピペで・汗)

で、八束山…そう、この八束小脛(やつかこはぎ)という従者から来たネーミングであると同時、羊太夫が最期にこもった八束城があった場所であるとも言われています。

その伝記を裏付ける、こんな石も。



ホントかウソかともかく、八束山という名前だけに限らず、この辺りにはそんな逸話から1500年近く経てもなお昔話の舞台であることを証明する名称が残っています。

もちろん多胡という地名もこの八束山付近に残っていて麓の小学校は多胡小学校です。少し離れますが安中市中野谷という場所には多胡姓を名乗る40軒ほどの集落があり(実はその中の多胡様邸で何年か前仕事させてもらいましたが)その集落の神社の名が羊神社!一昨年(羊年)には参拝者もいっぱい訪れた神社ですが、何を隠そう祀られているのは羊太夫です。名馬権田栗毛を調教したと言い伝えのある場所には吉井町馬庭(まにわ)という地名がついています。そこから少し鏑川を下ると、羊太夫が朝廷に滅ぼされた際、羊太夫の7人の妻女らが輿(こし)に乗せられ葬られたと言われる七輿山古墳(藤岡市上落合)があります。

他にも数えきれないほどの逸話であったり地名に昔話、伝説では済まされない何かが残っていることに驚かされます。
そんな物語に思いをはせつつ、登ってみると…八束山、なかなかどうして趣のある山だな、と思ったりなんかしました。




※ここに書いたことは殆ど事実を基にした個人的な見解で書いたものなので学術的な裏付けは無いですよ(汗)半信半疑…これぞロマンってやつです(笑)
コメント
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