レクサス妄想

愛は、コンタクトレンズに似ている

すぐ近くに落ちていても、なかなか見つからない。
時に、四つん這いになって、必死に探した後、自分で踏みつけて壊しているのを発見する。


　いや、別になんでもないんです。はい。


　で、本題。
　まあ、貧乏人のひがみなんだけどさ、セルシオとか、高い車に乗ってるヤツって、運転が荒い気がしない？

「なんや？　自分、なにさらしとんねん！！　わいは、セルシオや！！！　いてまうぞ！！　おらっ！！！！」

　って、感じで、ぶっ飛ばしている気がするんだよね。
　おいら、この世からセルシオがなくなったら、交通事故って、２割ぐらい減ると思ってるんだけど、どうだろう？

　そこで、気になるのが、トヨタが８月から高級ブランドレクサスを始めるってことなんだよね。
　なんだか、高級感を売りにするとやらで、最近街のあちらこちらに、馬鹿デカいレクサスの建物が出来つつあるよね。
　セルシオもさ、Lexus LSと名前を変えて、レクサスで販売するようになるんだけど、高級感とやらで裕福層の金持ち心をくすぐると、奴ら、ますます調子づいて運転マナーが悪くなるんじゃないの？

「なんや？　自分、貧乏人か？　お前ら、よー聞けや、信号なんか関係あれへん、全ての道はレクサス優先なんや、止まらんか、ボケ！」
的な状態になるんじゃないかと、妄想したりするんだよね。


　ところでさ、高級感が売りのレクサスに、おいらみたいな見るからに貧乏人が行ったら、どういう扱いをされるんだろうね？
　想像するに、きっとさ、店に来ている、金持ちの優越感を満たす道具にされるんだろうなぁ...。

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　レクサスにおそるおそる入る、おいら。
　店員は、一瞬、露骨に嫌な顔を見せた後、おもむろに、にこやかに微笑み、入り口のおいらのところへ近づいてくる。
　そして、店の中で商談をするお客に向かって、声を出す。
「みなさん、ご覧ください！　今、身分をわきまえぬ、愚かな貧乏人が、ご来店されました！　みなさん、盛大な拍手をお願いします！」
　薄ら笑みを浮かべながら拍手をする店員と客。
　店内の客が注視する中、店員がおいらに声をかける。
「お客様、本日は、いかがされましたか？」
　たじろぐ、おいら。
「................」
「お客様がお探しのお車は、パッソ、あるいは、中古のカローラでしょうか？」
　店内のあちらこちらから、押し殺した笑い声が聞こえる。
　おいらの答えを待つことなく、店員は話を続ける。
「大変申し訳ございません。あいにくですが、お客様がお探しの車は、当店にはございません」
　店内の笑い声がだんだん、大きくなる。
「................」
「ですが、お客様。幸いにも、我々の系列店が、お客様のようなご身分の方の為に、パッソを販売しております。わざわざ、身分不相応な当店にいらっしゃったお客様の勇気と無知に敬意を表しまして、パッソのオプション５万円値引きクーポンをご用意いたしました」
　店員は胸ポケットから１枚のクーポン券を取り出す。
「................」
「本日は、これを差し上げますので、何卒、早急にお引取り願えますでしょうか？」
　店員、わざとらしく、クーポンを落とす。
「どうぞ」
　店員はおいらに、床に落ちたクーポンを示した。
　落とされたクーポンを拾うおいら。
　店員は、そのおいらを指差し、再び、大声を張り上げる。
「皆さま、この卑しい男をご覧ください！　たかだか５万円のオプション券、しかもパッソのクーポンのため、皆さんがお歩きになる床に、膝を突いております！」
　店内が爆笑に包まれる。
　店員は、店の扉を開け、おいらに退出を促す。
「さあ、お客様、あなたにお似合いのパッソが待っております。早急にお引取り願いましょうか？」
　半ば、つまみ出されるようにして、店を出るおいら。
　おいらがクーポン券を拾った床に、店員たちがせわしげにファブリースを噴射している...。

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　きっと、こんな扱いをされるに違いない。はぁ....。

　ま、そんな、貧乏人な僕ですが、僕にも夢があります。
　もし、宝くじがあたったら、吉野家で、”牛皿”と”ごはん”を別々に注文し、自分で一つに合わせるという、無駄に高い牛丼を食べてみたいです。できれば、”牛皿”を２枚注文して、”特盛”なんかを注文している貧乏人どもに、ブルジョアというもの凄さを見せ付けてやりたいです。

　以上、今日の妄想でした。