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殉教者へ捧ぐ ~後藤健二氏への追悼~

2015年02月02日 | 四方山話
 ISILイスラム国に殺害された後藤健二氏はクリスチャンだったそうです。信仰と信念と使命感が彼を突き動かしていたのでしょう。その最期は悲惨極まりないむごいものでしたが、彼は間違いなく殉教者なのだと思いました。

 イエスは十字架の上で臨終の際にこう言われました。

「エリ、エリ、ラマ、サバクタニ」

 わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか。


 長い間、この言葉の真意が理解できませんでした。この言葉は旧約聖書の詩篇22章からの引用なのだそうです。神から与えられた試練のために今まさに死にゆこうとするものが天を仰ぎ、神を賛美する言葉です。殉教された後藤健二兄のために詩篇22章を捧げます……。



わが神、わが神。
どうして、私をお見捨てになったのですか。
遠く離れて私をお救いにならないのですか。
私のうめきのことばにも。
わが神。昼、私は呼びます。
しかし、あなたはお答えになりません。
夜も、私は黙っていられません。
けれども、あなたは聖であられ、
イスラエルの賛美をすまいとしておられます。
私たちの先祖は、あなたに信頼しました。
彼らは信頼し、あなたは彼らを助け出されました。
彼らはあなたに叫び、彼らは助け出されました。
彼らはあなたに信頼し、彼らは恥を見ませんでした。

しかし、私は虫けらです。人間ではありません。
人のそしり、民のさげすみです。
私を見る者はみな、私をあざけります。
彼らは口をとがらせ、頭を振ります。
「主に身を任せよ。
彼が助けだしたらよい。
彼に救いださせよ。
彼のお気に入りなのだから。」

しかし、あなたは私を母の胎から取りだした方。
母の乳房に拠り頼ませた方。
生まれる前から、私はあなたに、ゆだねられました。
母の胎内にいた時から、あなたは私の神です。

どうか、遠く離れないでください。
苦しみが近づいており、助ける者がいないのです。
数多い雄牛が、私を取り囲み、
バシャンの強いものが、私を囲みました。
彼らは私に向かって、その口を開きました。
引き裂き、ほえたける獅子のように。
私は、水のように注ぎだされ、
私の骨々はみな、はずれました。
私の心は、ろうのようになり、私の内で溶けました。
私の力は、土器のかけらのように、かわききり、
私の舌は、上あごにくっついています。
あなたは私を死のちりの上に置かれます。
犬どもが私を取り囲み、
悪者どもの群れが、私を取り巻き、
私の手足を引き裂きました。
私は、私の骨を、みな数えることができます。
彼らは私をながめ、私を見ています。
彼らは私の着物を互いに分け合い、
私の一つの着物を、くじ引きにします。

主よ。あなたは、遠く離れないでください。
私の力よ、急いで私を助けてください。
私のたましいを、剣から救い出してください。
私のいのちを、犬の手から。
私を救ってください。
獅子の口から、野牛の角から。
あなたは私に答えてくださいます。
私は、御名を私の兄弟たちに語り告げ、
会衆の中で、あなたを賛美しましょう。

主を恐れる人々よ。主を賛美せよ。
ヤコブのすべてのすえよ。主をあがめよ。
イスラエルのすべてのすえよ。主の前におののけ。
まことに、主は悩む者の悩みを
さげすむことなく、いとうことなく、
御顔を隠されもしなかった。
むしろ、彼が助けを叫び求めたとき、
聞いてくださった。

大会衆の中での私の賛美は
あなたからのものです。
私は主を恐れる人々の前で私の誓いを果たします。
悩む者は、食べて、満ち足り、
主を尋ね求める人々は、主を賛美しましょう。
あなたがたの心が、いつまでも生きるように。
地の果て果てもみな、思い起こし、
主に帰って来るでしょう。
また、国々の民もみな、
あなたの御前で伏し拝みましょう。
まことに、王権は主のもの。
主は、国々を統べ治めておられる。
地の裕福な者もみな、食べて、伏し拝み、
ちりに下る者もみな、主の御前に、ひれ伏す。
おのれのいのちを保つことのできない人も。
子孫たちも主に仕え、
主のことが、次の世代に語り告げられよう。
彼らは来て、主のなされた義を、
生まれてくる民に告げ知らせよう。
(詩篇22章)


「どくろ」と呼ばれているところに来ると、そこで彼らは、イエスと犯罪人とを十字架につけた。犯罪人のひとりは右に、ひとりは左に。
そのとき、イエスはこう言われた。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです。」
彼らは、くじを引いて、イエスの着物を分けた。(ルカ23:33-34)

 



 後藤健二氏の遺志が憎しみを越えて、海を越えて、人々の心につながって行きますように。心からお祈りしています。


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