1月6日(土)に大阪松竹座に行ってまいりました。
朝、体温を計ったらなんと37.8度の熱。
実は、前日からなんとなくだるく、全身あちこちの関節が痛かったので、
風邪かな~と覚悟はしていたのですが、38度近い熱とは・・・・
。
でもこんなことでくじけてはいられません!
体温計と保険証持参で、だるい体に鞭打って、出発しました。
風邪薬が効いたのか、
新幹線内での爆睡が効いたのか分かりませんが、
新大阪につく頃には熱も36度台後半まで下がり、
なんとか元気が出てきました。
でもそんな体調での観劇だったので、
あまりしっかり観ることは出来ず
感想も簡単なものになりますが、ご容赦ください。
まず昼の部の【勧進帳】。
藤十郎さんの義経がとても福々しく、
花道を出てきたときは博多人形のような美しさでした。
海老蔵さんの富樫は、名乗りからとても落着いた雰囲気でした。
確実にこの役を自分のものにしているという印象を受けました。
少し残念だったのは、弁慶との山伏問答の後半。
海老蔵さんは、テンポを速くして緊張感を高めようとしたのかもしれないのですが、観ている方には富樫が少しイライラいるように感じてしまいました。
團十郎さんの弁慶が、富樫のテンポアップに釣られず、
自分のペースを保っていたので余計にそう感じたのかもしれません。
團十郎さんは、お声の調子もだいぶ戻られたように思います。
11月の仁木弾正を演じられたときは、まだ本調子ではないと感じていました。
声量は充分なのですが、お声がいつもの美声とは違っていたので・・・。
今月もまだ私の大好きな「美声」まではいっていないのですが、
それでも先々月よりはずっといいお声になっていました。
少しお風邪を召されているのか、
咳き込みを我慢されている様子も見受けられました。
引っ込みの直前も肩で息をされているようで、
体力的にはまだ少しお辛そうです。
無理をなさらず、楽日までがんばって頂きたいと切に願います。
弁慶自体は、滋味溢れるいい弁慶でした。
團十郎さんは二度目の復帰後、関西では初の舞台。
客席から送られる拍手はとても大きなあたたかいものがありました。
ところで11月の演舞場で海老蔵さんの弁慶を観て、
あれ~?と思っていた部分があるのですが、
團十郎さんはそれをやっておらず、
なぜ海老蔵さんがあのような演技をしたのか
改めて不思議に感じました。
夜の部の【毛抜】
正直、「ちょっとまだ早かったんじゃないかなぁ」と思いました。
海老蔵さんが一所懸命まじめに取り組んでいるのはとても伝わってくる舞台です。
でもこの古典作品の大らかな味わいをだすには、海老蔵さんはまだまだ若い。
前髪の少年(上村吉弥さん)や腰元(扇雀さん)に迫るところなどでは、
決していやらしさはないのですが、直截的な感じ。
驚いた表情のまま極まるところは、本当にコミックのようでした。
でも初役のまだ初日から5日目。
これからまだどんどん変わっていくと思います。
後半にまた観にいくので、
どう変わったか変わらなかったか楽しみです。