自動車保険、新制度 10月から導入 損保、改定で収支改善に期待
■「事故あり」は保険料割高に 「不公平感」の解消へ
損害保険会社の大半が10月1日から、交通事故を起こしたドライバーの自動車保険料を
大幅に引き上げる新制度を導入する。
10月以降に契約更新後、事故を起こすと、来年10月以降の次の契約更新で保険料が上がる。
事故リスクの高いドライバーに負担増を求め、契約者間の不公平感を解消する。
自動車保険は各社の主力事業だが、赤字からの脱却が課題となっており、収支改善につなげる狙いだ。
自動車保険は契約者を1~20の等級に分類。
等級が上がるほど割引率が高まり、保険料は安くなる。
1年間無事故なら次の契約更新で等級が1つ上がる。
逆に他の車との衝突事故などを起こすと等級が3つ下がり、保険料は高くなる。
新制度では、7~20等級で前年までの事故の有無に応じ「事故あり」と「事故なし」の区分を新設する。
同じ等級でも、「事故あり」は「事故なし」に比べて保険料が割高になる。
「事故を起こした人に、より多く保険料を負担してもらい、全体の公平性を確保する」。
日本損害保険協会の柄澤康喜会長(三井住友海上火災保険社長)は新制度の狙いをこう語る。
高齢者の事故の増加や若者の車離れなどを背景に、損保各社の自動車保険は軒並み赤字状態にある。
損害保険ジャパンと日本興亜損害保険を傘下に持つNKSJホールディングスは、
平成27年には制度を変更しない場合と比べ、自動車保険の保険料収入が約2・5%上回ると試算しており、
制度改定による収支改善効果に期待している。