思いつくままに書くブログ

基本旅行記と日本ハムファイターズの事しか書きません。そして忖度なくものを言う。いいものはいい悪いのは悪いと。

帰還困難区域をバスで行く

2016-09-14 09:00:50 | 2016年の旅行記
9時22分発竜田行きはE531系6両編成。車内は地元の客よりも”同業者風”のほうが若干多い感じ。みな考えていることは一緒のようだ。草野・四ツ倉とかつては上野から直通の普通列車が走っていたなあと思いながら。



竜田に到着しました。次駅は富岡になっているが列車は走れない。



2面3線の構造だが上り本線のみを使って折り返すスタイル。跨線橋は使わず渡し板で移動する。



国鉄時代から変わらないスタイルの駅。勿論初めて降りた。こんな事でもないと絶対に乗り降りしない駅と言える。駅前の観光案内看板で、すっかり有名になった楢葉町だとわかった。





肝心の代行バスは駅前に停車していて観光バスタイプ。乗客は30人くらいでほぼ全員が青春18のようだ。ガイドならぬ案内役が乗車していて、運転手と「この賑わいも今週いっぱいね。来週になると寂しくなるわ」って話していた。バスは竜田を出ると原ノ町まで直行していたが、7月12日から原ノ町~小高が復旧したので小高にも停車する。小高止まりにしてもよさそうだが原ノ町まで直通する人のほうが大半だろうし、バス会社も原ノ町に拠点があるのではないだろうか。そのバスダイヤは以下の通り。
http://www.jrmito.com/eq/pdf/20160624_03_info.pdf

バスが「帰還難区域」を通過するためか1日2往復、北上に関してはこれから乗る10時05分しか使い物にならない。南下も似たり寄ったりで、どうしても旅行者やお試し乗車は同じ便に重なっても致し方ない。バスは定刻に発車し、案内役が「帰還困難区域を通過します。線量が高いので窓は開けないでください」と注意をする。明らかに普通のバスではないのだ。



車内には線量測定のモニターも設置されていて何ともものものしく感じる。この数値からは札幌市内でも観測される量なのでさほど問題ではない。





国道6号線を北上し富岡へ来ると新しく開店したと思うきれいなローソンが見えた。街が少しずつ復興していると思ったし、この辺りは帰還済みなので富岡駅扱いのバス停を設けてもいいと思っていると路肩に「これより帰還困難区域です」。一気に景色は一変した。



本来は立ち入りが規制されているが除染が済んだ国道を通り抜けることだけが許されており、道路沿いの住宅には入れないようにフェンスがしてあり、コンビニは板で塞がれたり窓が割られてたり。強盗に荒らされたんだろうなあ。しまむらは売り物の衣料品をそのままに逃げたままのようだった。国道も原発関連のダンプカーやマイクロバスがひっきりなしに走り。右手にはちらっと福島第一原発も見える。見ると聞くとでは大違い。



線量も増加して1.48マイクロシーベルト、一日中外にいたら21.81ミリシーベルト。政府の基準である年間20ミリシーベルトを超えてしまっている。もっとも国際的には1ミリシーベルトだし日本も震災前はこの基準だった。除染作業が追い付いていない感じだしホットスポットかもしれないが、除染したとしてももうこの付近には住めないのではないだろうか。

だが言っておくが私は「無責任に」原発反対などとは絶対に言わない。使えるものは使うべきであり、使わなくても莫大な管理費のかかるものを電力会社に世話だけさせるのは酷な話だと思うし、二酸化炭素の排出量や濃度などの問題からも原子力は優れているし石油はいずれ枯渇するし相場変動が激しすぎる。反対派は「原発が無くても節電しなくても問題ないじゃないか」とよく言うが火力発電所の稼働率は高負荷が続いていて、大型火発で不具合があって止めるとなると電力の余裕がなくなるし、今は原油価格が下落しているから電力会社も黒字経営だが少し前の高騰していた時は北電が何度も値上げしたじゃないか。代替エネルギーが開発されてないのだから安価なベース電源として上手に原子力と付き合ってゆくのが得策だと考えている。なおこれに関する異論反論はいっさいお断り。



10時55分に小高に到着、勿論こちらも初めての駅です。



バスは5分停車ののち原ノ町へ向けて発車。私はもちろんここから電車に乗ります。