山の頂から

やさしい風

少年は…

2008-05-23 06:29:33 | Weblog
少年は16歳。母は3年前に死んだ。家族は父一人。
5月12日、中国・四川省で大規模な地震が起きた。
その時、少年は学校で授業を受けていた。彼は無事だった。
しかし、帰宅して父と連絡がつかなかった。
父の職場は家から40キロ先にある。そこの被害は酷いと聞いた。
堪らず、歩いて父を探しに出向いた。往復80キロの道のり。

 次の日も、また次の日も・・・一週間が過ぎても父に会えないでいる。
もしやと思い、数々の遺体を覗いて歩いた。父ではなかった。
会えるかも知れない。それだけで今日も80キロを歩く。

 栃木県大田原市に大田原高校という男子校がある。
その学校の名物行伝統事・85キロの強歩が開催されたと
昼のニュースであった。全校生徒が26時間かけて歩き通すという。
学校職員、PTAが一丸となっての支援。

 大学受験を控えた3年生、その挑戦を無事果たせると夢を手に出来ると
インタビューに笑って答えていた。
徹夜の<行軍>は睡魔・疲労との闘いであろう。
道々には励ましてくれるサポーターが居る。
喉が乾けば水を貰える。腹が空けば何か口には出来るはずだ。
勿論、ケガや体調不良への備えは万端にサポート。

 そうしてゴールに辿り着いた時、父が居る。母が居る。
温かい祝福の拍手も受けるに違いない。

 しかし、あの中国の少年は・・・・・・比較対象の話ではない。
この時、この瞬間にも世界中では様々に喜怒哀楽の歴史が刻まれる。
そして明日の事は、誰も知らない。

ホームページを作りました。
http://www.cc9.ne.jp/~adumaya/index.html


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