ある日、新潟で

【New-Lagoon Days】-αで描く新潟の光-

えちご・くびき野100kmマラソン

2022-10-18 | フォトラン♪
6年ぶりに開催された「第14回えちご・くびき野100kmマラソン」に参加してきました。
前置きがとても長くなりそうだったので、自分が溜めていた想いはひとつ前の記事にまとめました。
 → 「溜めていた想いを吐き出せ!」

この大会は10年前に初めて100kmマラソンに挑戦して98kmで制限時間失格、8年前と6年前に100km完走していて、
今回が4回目の参加となります。

足を痛めて半年走れなかった俺、完走は難しいので、おにぎりがある10kmエイドを目指して走ることにしました。


Aブロック、スタートです。
分散されたスタート時間のなかで、最も早い4時30分。
当然ですが、まだあたりは真っ暗です。

前の週に走れた距離は4kmのみ。さあ、どこまでいけるか。
スタート前はウダウダしていましたが、スタートラインに立った瞬間から、
もう行けるところまで行く!という気持ちに切り替わっています。
同じAブロックスタートの「つるかめ」メンバーに会えなかったので、
走り出したであろう背中にむかって、100km初完走目指して頑張れ!!とエールを送ります。

で、俺は最後方からスタート。


スタートして1kmもいかないくらいで、最後尾になりました。
自分と、すぐ後ろにもう一人くらいかな。暗いのでわかりませんが。
最後尾ということで、後送車がライトで照らしてくれているのが、
とてもありがたかったです。
こんなに遅いペースのランナーに合わせて車を走らせるのも大変でしょう。
だいたいキロ7分半くらいのペース。
俺の後ろの人、今のペースだと関門間に合わないですよ。

息が上がらないペースで、淡々と。
すでに自分たちより前のランナーは、前の闇の中に消えました。
1本道なのでコースは外れようがないですし、誘導スタッフの赤色点滅棒が遠くからも見えていました。
あ、もしかして後ろの人がぴったり付いてきていたのは、
暗闇でコースがわからない心配があったのかな。
沿道での声援は自粛が呼びかけられていましたが、いつも通りにあちこちに立っている方がいてくださって、
そんな声援や、後ろからずっと照らしていてくれるスタッフに、
「あー、ありがたいなぁ」と言いながら走っていました。


最初のエイド、北諏訪小学校(4.2km)に着きました。
水分をいただいて、トイレも済ませる。
家を出る前にお茶を飲み過ぎたのか、上越に着いてからトイレが近い。

先行していたランナーにも追いつきましたが、
俺がのんびり休んでいる間に、みんな出発していったようです。
これで本当に最後尾。


エイドを出た頃、やっと夜空が明け始めました。
まだ午前5時。Bブロックがスタートした頃です。

前後にランナーはおらず、完全に一人旅状態。
後送車も、だいぶ距離をとっていました。
Bブロックのランナーはどのくらいで追いついてくるのかなー。


わぁ!5kmだ!
ここ数カ月での最長走行距離を更新です。
5km走れただけでこんなに嬉しかったのは、いつ以来のことでしょう。


気分はルンルン。
とても気持ちいい。
足も全然痛くない。

ああー!朝ランめっちゃ気持ちいいー!

周りに誰もいないので、素直に自分の気持ちを口から出しつつ、
手を伸ばしたりと、小躍り気分で進む。


次のエイドは、水分だけいただきながら通過。
結構、大勢、先にスタートしていたランナーが残っていました。
ここで最後尾から抜け出したようです。

エイドを出た頃から、後方からBブロックスタートの速いランナーが追い越していきます。
コース上にだいぶランナー増えました。


うわぁ10kmだよ。
まだまだ足は痛くない。
おにぎりまではもう少しかな。




くびき野の元気玉2022。

スタートが早かったので、ようやくの日の出です。
例年なら、走っていると目の前から太陽が昇ってきて、
とても気持ちがいいのですが、スタートが早くなった関係で、
太陽は左手。




目標のレストエイドに着きました。
10kmくらいと記憶していたのですが13.2kmでした。

ゆっくりおにぎりをいただきながら、後ろから仲間が来ていないかチェック。
6時を過ぎていたので、もう全ランナーがスタートしていますが、
いつ頃追いついてくるのかな。
ここでおにぎり食べながら待ってるか~


でもまぁ、目標はおにぎりで、その先は収容されるまで歩いていると言ってあったので、
足も痛くないし、もうちょっと行けるところまで走るとするかな。


おにぎりまでしか行けないと思っていたので、
ヤナギバヒマワリが見られないのが残念でしたが、
ちょこっとだけ見られました。
嬉しい。


おおおお!?20kmだよ!?!?
そんなに走って大丈夫か俺!?

20.2kmのエイドで水分を摂りながら、後ろから来るランナーを見ていたら、
8年前のくびき野で一緒に走った「チームはせ~」メンバーを発見。
良かった、会えた~!

そこから数百メートルで、後方から「ぐっもーにーん!」と「つるかめ」メンバー登場。
お!来たな!!

ふたりともキロ7分半で走る俺を軽ーく追い抜いて、あっという間に見えなくなりました。
というか俺のペースが遅すぎるんだ。
よしよし、みんな頑張れ!!
これで、おにぎりを食べる。仲間にエールをおくるという二つの今年の目標を達成してしまいました。

さてもういつ終わってもいいんだけど、どこまで行こうか。
おにぎり食べたからなー、次はたしかソバだったよな。
よし、目標ソバ!!


目標ソバはいいんだけどさ、ソバエイドって何キロだっけ?
あそこなんだよなーと、前方に見える建物なのは知っているのですが、
そこにいくまでなんか遠回りをさせられた記憶。

さすがに半年走らないでいた体では、20km超えたら疲労が強くなってきました。
幸いなことに痛めた足首は何の痛みもないのですが。
いつも効果は実感できてないけど、一応、御守な感じで履いているサポートタイツも、
ふくらはぎのサポーターも、やっぱりしっかり効果って効いているんだなぁと、
実感することができました。
ありがとう道具たち、今こうして走れているのは、君たちのおかげだ!
今後は益々信頼して使わせてもらうよ。

でー、なんかこの辺、コースが変わったみたいで、あれ?そっち行くの?
というところを進んで行く。
一部、コースが変更になっているというお知らせは読んでいましたが、ここだったのか。
走れる気がしていなかったので、どこのことか全然調べていなかった。


来た!ソバエイド!
25.6kmの旧宮嶋小学校です。

美味しくてさっぱりしておかわりまでいただき、おこわおにぎりをいただき、
半分に切られた笹団子をいただき、水分をいただき。
ああ、ありがてー。
やっぱレストエイドがウルトラマラソンの楽しみだよな~

さてソバも食べてしまったし、どうしよう。
だいぶ足は重いけど、行けるところまで行くとするか。


案山子も応援してくれています。
あー、今年はあの案山子が並ぶ坂には行けないんだなぁ。

かろうじてキロ7分台というペースはキープできています。
すごいじゃないか俺。


そして30km。
細かいアップダウンが増えてきて、さすがにもうしんどい。
うーん、今回はここまでかな。
痛めた足はまだ痛くないんだけど、いきなり30kmも走って、
今後の身体の方が心配になってくるので、走るのはここまでにしよう。


歩いていると、エイドからの「頑張れー!」という声援がツライ。
30.8kmの清里中学校のエイドを、歩きながら水分摂って通過。


ここまで来たら、第1関門で制限時間に収容されればいいから、
そこまでは歩いて行こう。
って、まだ6kmもあるのか……

こうなってくるともはやただの散歩。
歩いている分には疲労感も特に感じないので、
沿道の声援に応えつつ、ただただ歩く。

あれ?でもさ、第1関門の制限時間って10時50分だったよな、
現在時刻9時。約2時間ある。
……歩いても制限時間間に合う。
え?
これもまたスタート時間が早くなった影響ですか。
スタートが早くなっても、関門の制限時間が変わっていないので、
早くスタートする程にゆとりが。
あー、次回も分散スタートだったら、14時間予想にして制限時間長くしよ。
アタシ、ウルトラマラソンはゆっくりのんびり楽しみたいタイプ。
ウルトラに限った話じゃないか。


だんだんとくびき野が本気出してくる30km過ぎ。

さすがに登坂は半年ぶりの体にはキツイわ。


第1関門、36.8km牧区総合事務所に着きました。
白いラインが関門みたいです。
10時13分。
関門閉鎖まで35分。間に合ってしまった。

時間的に、ここまで来るランナーもほとんどいなくなった頃なので、
盛大な拍手で出迎えられ、歩いてきて、しかもここでやめるつもりで来た身としては、
大変、心苦しい。
水だけ1杯もらって、イスがあったので座り、足首のサポーターを開放。

ふと目に入った、次の関門の表示。
「第2関門 安塚B&G海洋センター 47.4km 12:20」
あと11kmを2時間ちょっと。
あれ?行けるんじゃね!?
いやいやいやいや……
走るのは4回目のくびき野。
この先はくびき野の難所、5つの峠が始まります。
次の関門は2つ峠を越えたところ。
ただの11kmじゃないのはよく知っています。
でもまだ2時間あるぜ?
せっかくだからウルトラ距離(42.195km以上)まで行きたくね?
このまま座って制限時間待っているより、
コース上で「ここまでです」って止められるまで走った方が良くない!?

ここにきて、いろんな囁きが聞こえてきます。
いや、足のために俺は今日はやめる!
今日はいいけど、今日やり過ぎてまた走れなくなるのはもっと嫌だ。
もちろん不本意だけど、目標10kmの3倍走った。
今の自分には上出来じゃないか。
そして、時計を止めました。

で、誰にやめるって言えばいいんでしょう?
イスに座っていると、あの人まだ行かないのかなって視線で見られているようで居づらい。
もうちょっと水分欲しいけど、取りに行くのも心苦しい。ムムム。
あとから来たランナーが、軽く補給をして再スタートしていきます。
そうだよね、まだまだ諦める時間じゃない。

制限時間の10時50分を迎え。合図のピストルが鳴りました。
終わった。
で、どこで収容してもらえるのかなーなどとキョロキョロしていたら、
スタッフの方に「ゆっくり休んでから行ってくださいね」と言われる。
あ!そうか、関門はエイドの入り口にあった白い線なのです。
俺はちゃんと制限時間内に線を越えていたので、なんと収容対象ではないのです。
衝撃の事実発覚。
いやいや、もう時計もとっくに止めたし。

救護テントの方に行けば係もいるかもと向かっている途中で、
他の方にどうしますか?と聞かれたので、
ここでようやくリタイヤを申告しました。
すると、バタバタと係の方が駆けつけてくださり、
大丈夫ですか?水分いりますか?など心配していただき、
リタイヤの手続きをしてくださいました。
あ~今頃のこのこやってきてスイマセン。
もっと早く言いにくれば良かったですね。


そして車上のひとに。

そういえばさ、俺、こうして途中でやめるって初めてなんです。
いつもは関門とかコース上で収容されていたので。
スイマセン、次回やめる時があったら、今回の教訓を生かしたいと思います。


収容されたらスタート会場に運ばれるのだと思っていたら、
車を降りたらフィニッシュ会場でした。

ああ、フィニッシュ会場行のトランジット袋を預けておけば、リタイヤしてもここで受け取れるわけか。
次回、途中でやめる時があったら、今回の教訓を生かしたいと思います。

しかも、スタート会場行のバスが出るのが1時間後らしい。
まだリタイヤした人くらいしか会場にはいないので、
こんな時間からバス運行したらもったいないだろうしなぁ。
仕方ないので、天気も良いので、外のベンチに座ってボーっとフィニッシュゲートを見ていた。
すでに会場のアナウンスは始まっていて、各部門のランナーの現在位置とか、
トップランナーが誰かとか言っていた。
中学生のボランティアも会場入りして、動き始めた。
そうこうしているうちに60kmのトップランナーがフィニッシュ。

時間になってバスに乗って、スタート会場に戻ってからは、
近くの入浴施設に行って汗を流し、
(もともとは10kmしか走らないで汗もかかない予定だったのが、
 30kmも走って汗かいたので特別に)
前日、普通に19時まで仕事をして、仮眠をして0時に起きて上越入りしたので、
ほとんど寝ておらず、風呂に入ったら眠くなったので、ふたたびスタート会場の駐車場に戻ってきて、
夕方まで車の中で寝ていました。


6年ぶりの開催となった「えちご・くびき野100kmマラソン」。
足の故障のため、不本意な結果となってしまいましたが、
思いのほか走ることができ、まだ自分にはランナーとしての底力がそんなに残っていたんだと、
実感することができました。
やっぱり走りに来て良かった。
夕方から雨が降り出し心配していましたが、仲間たちの無事の完走報告にホッとしました。
良かった良かった。

この状況の中、たいへんな苦労の中で今回の大会を開催してくださった運営の皆様、
ボランティアの方々、沿道から声援を送っていただいた方々、本当にありがとうございました。
走っていて、やっぱり「くびき野」いい大会だなと思いました。

まずはゆっくり足を治し、次回、2年後の大会には、
ウルトラランナーとして帰ってきて、今回の雪辱を晴らし、必ず完走したいと思います。

【Cyber-shot DSC-RX0】



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