ハーベスト・タイム『収穫の時』

毎月発行の月刊紙『収穫のとき』掲載の聖書のお話など。

◆1月号◆「カルト宗教にだまされないために」

2010-01-01 | 番組ゲストのお話
 ウィリアム・ウッド

≪ウィリアム・ウッド氏プロフィール≫19 年、米国ウィスコンシン州に生まれる。 テキサス州のクライスト・フォー・ザー・ネイションズを卒業後、76年に宣教師として来日。88年、カルト問題で困っている人々を助ける団体「真理のみことば伝道協会」設立。01年、ルーサー・ライス神学校(米国ジョージア州)より牧会学博士号取得。「カルト研究リハビリ・センター」建設。現在、真理のみことば伝道協会の代表を務める傍ら、サンライズ・クリスチャン・センターみさと吉川教会の協力牧師として働いている。 著書多数。 80年、日本人女性と結婚。3児の父。

日本に導かれた経緯
 私は四歳の時から家の近くにあったルーテル教会のCS(教会学校)に行かせられて、聖書知識は持っていましたが、神との個人的な関係はありませんでした。中学校に入って、父との関係が悪化する中で、さまざまなコンプレックスで悩むようになり、心の拠り所を真剣に求め始めました(父はとても厳しい人で、毎日のように私のことを叱りますが、ほめてくれることが一度もなかったので、「僕は何の役にも立たない、駄目な人間だ」とすっかり信じ込んでしまいました)。
 そんなある日、ビリー・グラハム師のトラクトが手に入って、そこで初めて福音が分かり、自分のベッドルームでひざまずいて、イエス様を救い主として心に受け入れました。その時、生まれて初めて、神の愛を実感し、自分が目的をもって造られた者であると理解できました。また、役に立たない人間ではなく、神から賜物が与えられている者であるから、消極的な人生に終止符を打ち、神と人のために生きていこうと決意したのです。
 高校生になって、さまざまな伝道活動にチャレンジして、神に用いられる喜びを体験しましたが、徐々に献身の思いが与えられて、高校卒業後、父の反対を振り切って、聖書学校に入学しました(テキサス州ダラス市にあるChrist for the Nations)。その時点で、どこでどんな働きに召されているか、全く分かりませんでしたが、学校が始まってまだ間もない時に、一人の日系アメリカ人(Peter Tsukahira)と出会って、彼が開始したばかりの日本語のクラスに参加しました。日本の話を聞いたり、一緒に日本のために祈ったりしているうちに、日本に対する重荷を感じるようになりました。夏休みを利用して、六週間、短期宣教師として来日し、そこで神の導きを確信できました。二年間の学びを終えて、一九七六年九月に大阪のワールド・アウトリーチという宣教団体の宣教師となりました。二〇歳でした。

カルトの特徴と見分け方
 「カルト」とは、一言で言うと、人間社会に破壊的結果をもたらす危険な宗教団体のことを言います(一方、「異端」は、福音を曲解する偽キリスト教のことです)。特徴として、独裁的な教祖の存在と、その教祖を神の偉大な器として崇めて盲従する信者の存在があります。この関係を表すために、「マインド・コントロール」という言葉が使われます。信者は自分で物事を考えたり、判断したり、決断したりすることをやめ、指導者に依存するようになります。そのために、教祖の野望(欲望)達成のために利用されてしまいますが、本人はコントロールされている自覚がなく、神の器に従うことによって神のみこころを行っていると思い込んでいます。教祖のどんな指示にも無条件に従う信者は、自分の時間・体・自由・財産のすべてをささげます。
 カルトを見分けるポイントとして、まず、誰が崇められているかに注目することが重要です。健全なキリスト教であれば、イエス・キリストが中心です。信者は神との個人的な関係を築いて、自分と神の交わりの中で、神のみこころをわきまえています。一方、カルト化した団体では、教祖が絶対的な存在になっています。教祖への従順イコール神への従順です。もう一つのポイン トは、そこに自由があるかということです。指導者に疑問をぶつける自由、本音を言う自由、ありのままの自分を出す自由、自分の信仰生活に関することを自分で決定する自由などです。最後に、被害が出ていないかどうかを確認することです。カルトであれば、必ず、被害が出ています。家庭崩壊が起こっているとか、信者の間で精神病の発生率が異常に高いとか、献金の強要があったとか、セクハラの問題があるとか、です。

♣ウィリアム・ウッド氏の著書紹介♣ご注文はハーベスト・タイムまで。

『あなたを元気にする100のミニ・メッセージ』(1,575円)
 どのような出来事にも希望を見出すことができる。カルト・異端問題研究の第一人者が取り次ぐ100のメッセージ。時事問題に絡めてあるため、今読むと何かタイムスリップをしたような不思議な心境に。と同時に、信仰を持っている者は、どのような出来事にも神の目的を見、希望を見出すことができるということを強く思わせられる一冊。

『セカンドチャンスは本当にあるのか』(840円)
 この世で信仰を持たなくても、死んだ後、ハデスにおいてだれでももう一度救いの機会が与えられる。ここにこそ日本のリバイバルの鍵がある――このように説く「セカンドチャンス論」の歴史、また主張する聖書的根拠を概観してから、みことばをあらためて精読し、その問題点を明示していく。

『教会がカルト化するとき』(890円)
 教会もカルト的体質になってしまう可能性があることを示す警告の書。健全な教会とカルト化した教会とを見分けるポイントを分かりやすく解説する。一般信徒にとっても、牧師にとっても必読書。

『健全な信仰とカルト化した信仰』(840円)
 『教会がカルト化するとき』の続編。信仰とは何か、献身とは何か、みこころとは何か、みことばとは何か、牧会とは何かという根本的な問題を取り上げて、その聖書的な答えを導き出す。「救われた時の喜びがもう一度、与えられた。」「解放された。」「目からウロコが落ちた。」などの反響が寄せられている。
『エホバの証人の教えと聖書の教え』(1,995円)
 「エホバの証人」とキリスト教の教えはどう異なるのか。みことばに照らして誤りを具体的に提示する。「エホバの証人」の間違いに気づき組織を脱会した方々が多数いる。

『モルモン教とキリスト教』(1,260円)
 「モルモン教」の正式名は「末日聖徒イエス・キリスト教会」。日本各地で自転車に乗った若いアメリカ人宣教師たちは、「私たちもキリスト教の一派です」と宣伝しているが、その教えの実際の内容は、恐ろしいほど、聖書から逸脱している。モルモン教の真実を知るための本。