ハルナツアキフユ 

転移性悪性黒色腫(メラノーマ)と診断された夫のことや
巡る季節の中で思うことを綴っていきます。

ワールドメラノーマデー企画 5/14(日)メラノーマを知る・学ぶ・聞く 〜ミートザエキスパート!専門医にきいてみよう〜開催のお知らせ

2017年04月30日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


5月は世界メラノーマ月間、そして5月8日は世界メラノーマデーです。
そこで〈ワールドメラノーマデー企画〉第一弾として 
5月14日(日曜日)に 「メラノーマを知る・学ぶ・聞く 〜ミートザエキスパート!専門医にきいてみよう〜 」を開催します。

講師は、国立がん研究センター中央病院より山崎直也先生、高橋聡先生に加え、
大阪国際がんセンターより爲政大幾先生、
静岡がんセンターより清原祥夫先生をお迎えします。
「ミートザエキスパート!」は、4名の専門医に直接質問できる滅多にないチャンスです!

メラノーマ治療は、新薬の登場で大きく変わりました。
治療の選択肢も増え、医師と相談しながらより良い方法で治療していくことが大切です。
この機会にわからないこと、聞きたいことを4人の名医に聞いてみましょう!

どなたでも参加できますので是非お申込みください。

お申込みはこちらからどうぞ!
http://melanoma-net.org/?p=4920

再々入院〜退院 ー春から夏へー 

2017年04月29日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


4月20日にがんセンターを退院した夫は
21日には、埼玉医科大学国際医療センターのI先生を受診しました。
血液検査の結果、ヘモグロビン値は8.4あって安心しました。
今後はこちらに通って、必要に応じて入院し
輸血や治療をしてもらえるようにI先生にお願いしました。

しかし、家に帰ってきてホッとしたのもつかの間・・・
週末にはまた高熱が出てしまいました。
日曜日でしたがI先生に連絡し、月曜日また受診することに・・・。
「入院してもいいように一応準備してきてください。」と。

月曜日に受診すると、ヘモグロビン値は7.2まで下がっていたため
入院して輸血することになりました。

夫は、やっと退院できたのに・・・と、がっかりしていますが仕方ありません。
ダイナミックCTも撮っていただき、夜には結果をじっくり説明していただきました。

結果は・・・
血性腹水が見られているが、腹水の量は中等量で非常に多いわけではない。
いくつもある大きな腹膜播種からの出血だが、どの部分からの出血かは限定できない。
播種はさらに大きくなっているが、壊死のようでもあり治験の結果がん細胞が壊死しているとも考えられる。
しかし壊死する過程で出血し、腹水と共に腹膜に吸収される際、熱や痛みを引き起こしている可能性がある。

ということで、最近妊婦のように大きくなった夫のお腹は
やはり腹水とさらに大きくなっている腫瘍が原因でした。

とりあえず輸血をしながら様子を見て
貧血が治ったら退院しましょうということになりました。

25日夕方には娘と二人で面会に行ったのですが
輸血で調子の良くなった夫の元気のいいおしゃべりに付き合い
「元気だね〜。」と娘と話しながら
「さて帰ろうか。」と病室を出た9時過ぎ
看護師さんが「先生がお話したいそうです。」と・・・。

ドキドキしながら相談室に行くと
I先生から、「本人にはまだ言えてないんだけれど・・・」と
病状について、また予後について説明がありました。

治験の結果や新たな治療がないことで覚悟はしていましたが
先生の口から具体的に聞かされるとやはりショックでした。
先生も本人にどう伝えようかと迷っていました。

しかし、夫も自分で色々調べたりして
腹水や出血、痛みなどの諸症状から
これががんの末期症状であり
長くないだろうということは察していたようです。

28日には貧血は安定しているものの
痛みが酷くなり痛み止めもさらに強いものに変えてもらいました。
夜には先生と夫、娘と私で話をしましたが
その話の中で夫は自分の予後について悟ったようでした。

こんな状況では退院も難しいのではと思いましたが
先生は、29日に退院し家で様子を見ながら
5月1日にまた受診して検査しましょう。
これからはいつでも入院できるから安心してと言ってくださり
とても心強く思いました。

帰宅後は二人でゆっくり過ごしました。
今のところ熱もなく、痛みも薬でコントロールできていますが
元気も食欲もなく、落ち込みがちな夫です。
それでもお気に入りの椅子に座って映画を観たりおしゃべりしたり。

この1週間は私もショックが大きく落ち込みがちでした。
あんなに活動的でやりたいことがいっぱいあった夫が
あれもこれもできない状態で、これからますます弱っていくことは
彼にとって耐え難いことです。

これからどうやって支えていこうか・・・
先が見えない不安でいっぱいです。
でも夫が心から信頼するI先生もついていてくれるし
できるだけのことはしてあげたいと思います。

とにかくできるだけ穏やかな日々を過ごせるよう
できることなら旅をしたいという望みを叶えてあげたい
そう思っています。

悪運強い夫だから
奇跡が起こるかもしれません。

最後まで希望を持って頑張ろう。

















再入院 ーそしてこれからー

2017年04月18日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


4月14日にがんセンターに定期受診し血液検査を行った結果
貧血がひどいことがわかり、腫瘍からの出血を疑いCT検査をしました。

どうやら腹腔の腫瘍の一つから出血し
それが脾臓の外側に溜まっているようだ・・・との見解で
腹水なのか出血なのかはわからないけれど
貧血がひどいということは出血だろうと・・・。

週末は病院も緊急対応はできないので
大事をとって入院しましょう・・・と
突然何の用意もないまま入院になってしまいました。

実は翌日から二人で旅行に行くはずだったのに
代わりに入院となった夫がどれだけがっかりしたか・・・。
貧血があると言ってもあまり自覚症状もないので尚更です。

おまけに期待していた新しいT-vecの治験は
3cm以内の腫瘍に限るとのことで
夫は受けることができないことがわかり
さらにがっかりしました。

輸血と内服で鉄分を補ったりしながら週末をベッドで過ごした夫でしたが
かなり落ち込んでいたので毎日通って元気づけました。
日曜日には娘も一緒に行き
好きな映画や音楽の話、家族で行った旅行の話で楽しく過ごすことができました。

月曜になってK先生からお話があるとのことで
午後から行ってきました。

部屋に呼ばれて話されたことは
・腫瘍は縮小または消滅しておらず、今回の治験の効果は見られていない。
・腫瘍からの出血がじわじわある場合、物理的な止血は難しく内服で様子を見ながら必要に応じて輸血することとなる。
・今の状況では新たな治験を受けることはできない。
・他に有効な治療は今のところ見当たらない。
・輸血や検査でがんセンターに通うのは大変だろうから国際医療センターに通院するのがよいだろう。
・スイミングやジムでの運動はあまりしないように。

大体こんな話で、夫も私も大体予想していた通りでした。
治験に向けてプレドニンを長期間止めたことは、
結果から見ると夫の体にかなりのダメージを与えたことは確かですが
まあ、それも治験に最後の期待をかけて敢えて臨んだことなので仕方ありません。

木曜日に退院できそうとのこと。
早く帰ってきて家でゆっくり過ごそうね・・・と二人で話しました。

できないことも増えたけど
まだまだできることもいっぱいあります。
痛みもまだすごくひどいわけでもないので
体調を見ながら旅行にも行けたらいいなと思っています。





春 ー退院後の生活ー

2017年04月12日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


夫は3月23日に無事に退院しました。
アメリカから帰ってきた息子が一緒にいてくれるので
私が仕事で1日いなくても充実した日々を過ごしていました。
3月31日のがんセンターのCT検査も、いつもなら私が運転していくのですが
息子と二人で電車で出かけました。(座れないのには堪えたようですが・・・)

さて、CT検査の結果ですが
治験の効果はあまりなかったようで
5つの腫瘍のうち小さくなったのは一つだけでした。
もっとも大きかった腫瘍はさらに大きくなっていました。
でも、「腫瘍に見える影が実は死骸化している可能性もなくはない。」と
先生はおっしゃったそうで、そうならいいなと・・・。

結果にはがっかりしましたが、
今はそこそこに元気でいてくれるので、それだけは何よりです。

4月7日には国際医療センターに受診し、
脳のMRIと腹部のエコーを撮ってもらいました。
結果は脳の方は転移もなく安定しているので
「もう半年ごとの検査でもよいでしょう。」と言われました。

腹部の方は、やはり腫瘍はかなり増大していて、
大きいもののひとつは17×17×12cm、もうひとつは8×6×5cmとかなり大きく
他にも小さいものが3つあります。(ひとつは縮小していました。)

夫の体調は波があり
疲れやすい、時々熱が出る、食欲があったりなかったり、便秘がち、
頭痛がある、腹部の違和感や重たい感じがある・・・などですが
生活はとりあえずなんとかできています。

息子もこれ以上仕事を休めないので
日曜日にアメリカに帰って行きました。
今回の入院は息子も娘も一緒に支えてくれ
本当に大きな力と励みになりました。
実家の姉も家族もずっと心配してくれ
退院後には顔を見にみんなで来てくれました。
ありがとう、みんな!
本当に感謝、感謝!

これからどうなるのだろうか・・・
緩和治療になっていくのだろうか・・・
いろいろな心配はありますが
穏やかな日々ができるだけ長く続けられるよう
一日一日を大切にして
一緒に過ごしていきたいと思います。



TBI-1301 臨床試験の経過 3

2017年03月22日 | 悪性黒色腫(メラノーマ)


14日からコートリルを処方されるようになって
夫の諸症状はかなり改善されました。
コートリルはプレドニンに比べて
治験の効果を妨げにくいとのことで
せっかく二ヶ月近く苦しみを味わって
プレドニンを止めていた苦労が台無しになることはないようです。

一時は話すことも、ベッドからトイレまで歩くことも、食べることもできなくなってしまった夫。
あまりの辛さに先生に
「どうかステロイドを処方してほしい。
それで治験が終了になっても寿命が短くなってもいい。
この辛さに耐えるのはもう限界だから。」
とメールを送った夫でした。

2月初旬に患者会で共に闘ってきた友を亡くし
夫は深い悲しみにくれると共に
「今度は自分の番かな・・・。」
と口にするようになりました。
小林麻央は「自分のなかのどこかの小枝が
ポキって折れるような気持ち」と書いていましたが
私も実は、彼女の死からまだまだ立ち直れていません。

この入院中は
夫にとっても私にとっても
そして息子や娘にとっても
死はすぐそこに来ているという思いがありました。

だから、今やっと元気を取り戻し
外出許可まで出て浜離宮まで散歩に出かけられたことが
夢のようです。

そして明後日は退院。
治験の効果は来週の金曜日までわかりませんが
とにかく家に帰れる!
今はそれだけで十分です。