新橋演舞場。合計7回。児雷也の舞台をみた
今回・・そのうち2回しか見なかったのが、
(早い話、ついつい居眠りしてしまった
)
あやめが、児雷也にからむ「合邦辻」シーン。
どうもあの、義太夫を聴き、芝雀のおっとりとした雰囲気が、
居眠を誘う
千穐楽1階舞台の方々とよく目が合った・・
ような気がした場所に座ったのだが、
やはり寝る体勢に入るのをこらえていたら・・
ならなくていいお腹がキューっと
参った!!
別にお腹も空いてないのに・・・。
一方、毎度楽しく見たのは、やはり八鎌家。
とくに毎度、松也に注目していた気がする。
でも実はここ、「好き!」ってあげるほどのシーンでない。
松也登場で「忠臣蔵」を模した「鶴岡八幡」の場。
こちらのほうが芝居としては好き
。
松也扮する嫡子照行が怒りを表現するところ。
初回御園座で亀寿が演じた照行も良かったですが
。
その後、夜叉五郎に父親の殺害を命じ、舞台1人で見栄を切る照秀の松緑は、最終日一番決まった
って思った。
比較的あのシーンは夜叉五郎演じる亀三郎に目が行きがちだが、毎度ちょと変えてみる松緑に目がいった。
そして、藤橋の場になるのだが、照秀(大蛇丸)の松緑が、夜叉五郎を切殺し、刀を鞘に納めるところが、何度見てもかっこいい
と妙に細かなところに注目してしまう。
この「だんまり」は、児雷也、綱手、大蛇丸より、蝦蟇、蛞蝓、大蛇の活躍に拍手だった
友人の「こんなのありなの?」っていうのに、「ありだよ!」といったものの、
ここまで場面を盛り上げた3人の大奮闘に拍手するとともに、彼らの名前筋書きに載せても・・と思ったのだが・・。
ちなみに、蝦蟇「尾上音之助」蛞蝓「坂東翔次」大蛇「尾上辰巳」
。
彼らはもちろん火粉四天でも活躍は、誰もが知るところ。それに黒子になって登場している場面もあったのだからすごい活躍につきる今回の児雷也。
3階さんの活躍見たさで見に行っていたことも大きい
。
これが、菊五郎劇団なんだって
。
立ち廻りでは澤瀉屋さんのスーパー歌舞伎も確かにすごいけど・・あちら、純粋な歌舞伎役者さんだけではない。
そうそう、最近劇団になかなか参加しない坂東三津五郎さんだけど、彼もしっかり菊五郎劇団のメンバーです。
それで今回ふと、あ~見たかったなあ。と思ったのは、
『十二夜』で時間的にカットされてしまった立ち廻り
この児雷也が火の立ち廻りに対し、『十二夜』は水の立ち廻りだったと聞く。
何か違う芝居でもその立廻り見せていただけたらと願う
「尾上菊十郎」さんの殺陣指導大好きである。
と話が大詰になるが、やはり最終日は、見事につきた。
先にもかいたが、ライトサーバーもって、降りてくる児雷也を見ず、花道に先頭きってかけていった火粉四天の辰巳くんがトンボを切ったのに感激してしまった
火粉四天で1人最初に登場したのも辰巳くんだ。
この花道で、咲十郎さんのトンボも毎度ながら見事!あんなせまいところでトンボをきってと。ほかにも成田屋でありながら、児雷也で、活躍してた「市川新七」さん。
かっこいいのはいうまでもない!
大詰立廻りシーンで、大好きだったのは、花道の児雷也、大蛇丸の闘うシーンだった
「すごい!」と毎度ながら見入っていた。
こここそ、セリフがなくても、児雷也、大蛇丸の迫力が伝わる。
実は、ほかのシーンで児雷也、大蛇丸・・どうしても形だけという気がして、
(特に菊之助が、型重視!見得重視!)でお互いのぶつかりが感じられなかったのが、残念だった。
「勧進帳」を使ったという月形館奥殿で片桐大膳(亀蔵)鬼平太(亀寿)が、悪役である大蛇丸の危ういところを、ちゃんと?守ろうとするほうが、面白かった。
近頃、菊之助は、綺麗で、新しいことに挑戦してくれるのは、うれしくもあり、楽しいのだが、彼が、やりたい方向、やってることが、なんだかよくわからない、伝わってこない
お客さんが喜ぶことっていうけど今、何をしたいの?って。いってることのキャパが、広すぎて。
そのぶん、亀治郎のほうがわかりやすい。さすがに猿之助一門にいただけあり、自分がしっかりあるように思う。
一方、松緑のほうは、試行錯誤、良かったり、良くなかったり・・するけど、どうしたらいいのだろう?と悩んでる?挑戦してるものが、伝わるのだ。
動きの速度を変えてみたり、座り方をかえてみたり、声の出し方変えてみたり、化粧ですらずいぶん違う。けして天才でなく、器用とはいえない、どちらかといえば不器用だな。って思ってしまうところもあるのだが。
1度目は、新しさに目をひかれ、2度目は、歌舞伎をちゃんと踏襲してるんだ。なんて思い、
3度目あたりは・・・と何回かみていくうちに飽きるのでなく、いろいろな見方、思いをもった作品。御園座、南座、そして新橋演舞場、見納めたという気分なっていない。
「おいおい」「いい加減にしたら?」といわれても?納得いっていない作品。
やっぱり、博多でやらないかな?「モーツァルト」じゃないけれど・・・。
もう無理かな?駄目かな。