【シーズン6】人生が100倍楽しくなる、パスターまことの聖書通読一日一生(旧約聖書 新約聖書 聖書通読ブログ)

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イザヤ書17章

2017年02月17日 05時22分39秒 | イザヤ書
13章以降、バビロン、アッシリヤ、ペリシテ、モアブとイスラエルの周辺諸国に対する裁きを告げて来た。今日は、イスラエルの北ダマスコへの裁きの宣告である。この時、北のイスラエル王国はダマスコと同盟を結んでいた。ダマスコは、ヘルモン山の東方、アンティ・レバノンの南東を流れるアマナ川とパルパル川の流域にある。一般にパレスチナ北東部、三日月形肥沃地帯およびティグリス、ユーフラテス川上流に至る地域をアラムと称するが、ダマスコはその中でも最大の町であった。実際BC2000年、ダマスコはアラム王国の首都であった。
この地域とイスラエルの関わりは、アブラハムに遡る。アブラハムは、神に導かれ、このアラム地方を通ってパレスチナの地に入ってきた。また彼はこの地域からの侵略者を追撃し、ダマスコ以北まで追い払っている(創世記14:15)。彼に仕えたしもべの長は、この地域の出身者であった(創世記15:2)。ダビデの時代、ダビデはアラムの軍隊を打ち破り、守備隊を駐屯させてこれを支配したが(2サムエル記8:5,6、1歴代誌18:5-6)、ソロモンの時代以降、再び独立しイスラエルに対する対抗勢力となっている(1列王11:23-25)。分裂王国のベン・ハダデの時代は、アラムは南王国ユダと同盟を結び北王国イスラエルに対立している(1列王15:8-10)。その後アッシリヤが台頭すると、アラムは北イスラエルと同盟を結び、アッシリヤと援助を求める南ユダ王国と対立した。以上、北のイスラエルとダマスコは互いに深く関わり助け合ってきたところがある。
イザヤは、やがてアッシリヤが攻めて来て、北イスラエルにはわずかな生存者が残り、ダマスコは完全に滅亡することを預言した(1-6節)。確かに、それはアッシリヤの王ティグラテ・ピレセルとシャルマヌエセルの時代に実現した(2列王15:29、17章)。
 北のイスラエルとダマスコは、互いに同盟を組むことで安全を確保できると考えていた。しかし、実際に事を決するのは神である。2節「アロエル」は、北イスラエルを構成する部族の一つである。神の選びの民であるアロエルは、人間的な軍事力や同盟関係に助けを求めた。しかしそのように堅固に見えた町々は、森の中に見捨てられた所のようになり、荒れ果てた地となる(9節)と予告される。大切なのは、「救いの神、私たちの力の岩を覚えること」(10節)である。しかしやはり、目に見えない神よりも、目に見える具体的な助けに頼ってしまうのが人間だろう。
アッシリヤは、多国籍の軍隊からなる巨大な軍事力であった。その帝国の脅威の前に、多くの国々はざわめき(12節)、不安定な大水のように立ち騒いだ。しかし、13節、そのように強力な脅威も圧力も、また悔い改めないならば神の裁きにあって一瞬にして取り去られるのである。彼らがその力を誇り、栄誉を握りしめ続けることはない。この世界の全てを正しく導かれる神のみが崇められるのである。大切なのは、私たちの心が、迷うことなく、主にあってこの世界が成り立っていることを認めることなのだろう。支配者たちの盛衰をまさに支配する、主を意識した信仰の歩みが、求められているのである。

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