『School Days』 アイチェリー版感想

『School Days』　（Over Flow）
説明不要の鬱ゲー。
バグ多発のオリジナル版でなく、DVD４枚組のアイチェリー版を購入しました。
………はーーー、胸やけした。レビューすること沢山あるようなないような。


・シナリオ　６５～７５点
微妙な点数。
えーとですね、リアルはリアルなんじゃないかなと思うので。
キャラほぼ全員が、自分の感情（と劣情）にすんげー正直なのでね、
高１連中の恋愛劇としては悪くないんじゃないですか。
この年頃の男子が、誠実で甲斐性あって男気あって、っつーのは無理あるでしょう。
それにしたって一貫性がなさすぎるけどな、誠。ヤれりゃいいんだなお前はほんと。

プレイ前は、世界と言葉の人気はだいたい同じくらい…と思ってたんですが、
全然そんなことはないらしいですね。公式の人気・不人気投票でも明らかでした。
・誠　　 人気投票10位（４２票）、 不人気投票１位（１３３４票）
・世界　人気投票３位（４０２票）、不人気投票２位（７０７票）
・言葉　人気投票１位（１７４６票）不人気投票５位（１２４票）
不人気票をマイナスとして合算すると、誠：－１２９２、世界：－３０５、言葉：＋１６２２。
すげーですな。誠はともかく、ダブルヒロインでここまで明暗が分かれるって一体。

私もルックスだったら世界の方が好みなんですけどね、プレイすると…。
こりゃー、みんな言葉の味方をしたくなるでしょう。かわいそうだもん一方的に。
性格悪い体育会系グループの女子にはいじめられてるわ、友達できたと思ったら彼氏寝取られるわ。
序盤では常に「弱者」として鬱屈した描かれ方をするだけに、ヤンデレ覚醒した後は見ていて爽快。
まあ不謹慎なんですけどね、ぶっちゃけ「そーだそーだ、やっちめー！」と思うわけですよ。
しっかし、七海（世界の友達）はリアルなキャラだったなぁ…。
中学生の時とか、必ずいましたよね。
仲いいグループの女子には甘くて、
気に入らない（男ウケのいい）女子にはやたらキツく当たる体育会の女。
色んな意味で生々しいんだよな、このゲーム…。


・グラフィック　５０～６０点
んんー、なんて評価していいか…。ご存知の方も多いんですが、フルアニメーションなんですよ。
でも当然、使いまわし上等なわけでして、これ「立ち絵」だろうってくらい
繰り返し使われるバストアップ（表情パターン少ない）がすごーく気になりました。
さぞかし制作は手間かかっただろうし、そのあたりは評価できるんですが…
うん、正直、ふつうの紙芝居ADVでよかったな。
キャラデザはいいと思うんですけどね。アニメーターも真似やすいし、それでいて可愛いし。


・システム　１５～２５点
疲れた。
↑にも書きましたが、フルアニメーションの功罪が
…やはりマイナス評価にならざるを得ないんですよ。
オリジナルは重すぎて、バグがもう物語性すら侵食してたらしいし。

アイチェリー版は４枚出し入れしなきゃなんないし。
DVDだからセーブができなくて、パスワード制になってるし。

唐突ですが私、ドラマが好きじゃないんですよ。
というのは、無駄な「間」を見てなきゃいけないのがヤだから。
読み終わったらとっとと文字送りして進めたいし、10分だけ観てセーブ、とかできないでしょ。
そんなわけで、これはADVとして失格でした。私の中で。
点数は…だから、「フルアニメーションお疲れ様でした」っていう意味で。


・音声　４０～５０点
音楽が…ボーカル曲以外、全く印象に残っていないですな。流れてたっけ？ていう。
OPとEDは割といいんですが、これが流れることによって…こう、
「切ない物語なんですよ」みたいな雰囲気にされるのが癪でした。ええ。
いや、ただサカってるだけだろうこいつらは。

CVはですね、平川大輔さんが頑張ったなあと。というか、事務所が思い切ったなあと。
要するに誠役の方なんですが、普段は乙女ゲーのイケメンとかを演じられてるらしいんですよ。
乙女ゲーマーさん達はこんなの手をつけないかもしれませんが、
ある意味３枚目役よりマイナスですぜコレ。
それとまあ、言葉と加藤乙女の声がかわいかったです。
言葉、あんなに可愛いのになあ…。誠なんかに引っかかっちゃてまあ…。
加藤乙女役は、『パルフェ』の玲愛も演じていた松永雪希さん。ツンデレが似合うぜ！
でも言葉をいじめたりするからな…。「おおー玲愛だ！」と思いつつ心が痛かったです。


総評
ドロドロでお腹いっぱいフルアニメ鬱ゲー。
思ったよりグロでなかった。もっとキツいかと思っとった。
でもドロドロで気持ち悪くなってくる。おいちゃん付き合いきれないよ…。
フルアニメーション×ドロドロ三角関係で一発当てたのはすごいと思うんですが。
「怪作」というのが正しい評価でしょうね。
なんか呪われそうだし、近いうちに売却しに行くですよ。