菅首相の言う「社会保障と税の一体改革」とはいったい何をやろうとしているのでしょうか?
早い話が日本の財政が国債44兆円を抱えて大変厳しい為に、社会保障の国庫負担をもっと削減し(社会保障の改悪)、国民の税金をもっと値上げしなければならない。(所得税と相続税は既にスケジュール済み)、本丸は安定的財源確保のために「消費税の値上げ」が最大目標だ。 ということです。
これは日経連、米倉会長の言うことと全くの瓜二つです。この「一体改革」にあわせて2月5日、「社会保障改革に関する集中検討会議」が開催されました。(議長、菅首相=座長、与謝野馨経済財政相) 委員には特別に「消費税15%増税論者」の元厚労相の柳沢伯夫が入りました。
これは全国統一地方選挙の終わった4月後半から、成案を具体化していこうとするものです。また「消費税値上げの世論づくり」をしていこうとするものです。自民党はもちろん大多数の政党も、メディアや「連合」もこの動きにのって容認しています。
社会保障の改悪は内実上の増税を意味しますが、政府は今、年金支給のさらなる引き伸ばし、国民健康保険のさらなる国庫削減を検討しています。所得税と相続税の値上げは既にスケジュールにのり、現在進められています。極めつけは「消費税の値上げ」です。低所得者からも根こそぎ税金を巻き上げていこうということです。そのための世論作りを着々と進めています。
一方財界、大企業、大金持ちにはますます優遇政策が取られています。昨年暮れにも「法人税の5%切り下げ」が行われ、財界は満面の笑みです。今財界には、内部留保がうなるほどに膨れ上がっています(244兆円に)。国民生活を守るためならば、「財源」は財界、大企業、大金持ちから税金を取るのが本筋でしょう。
次の二つを実行すれば「財源問題」は一変に解決します。
1、法人税率を1989年当時に戻すこと。
(年約10兆円の財源が確保できる)
2、財界の膨れ上がった内部留保を一割社会還元させること。
(約24兆円の財源が確保できる)
以上の2ツを実行するだけで、社会保障財源はおろか、日本の国債44兆円さえ大方の解決がつきます。さらに「財源確保」のために言えば予算聖域とされる、必要悪の軍事費やアメリカ関係予算を一定程度削減すれば数兆円の財源確保ができます。