昨日(11/12)の深夜,「NNNドキュメント’06 」を観ました.
タイトルは『生まれてもいいですか?―飛べない白鳥と子どもたち』
http://www.ntv.co.jp/document/
山形県の酒田市というところは,日本一の白鳥の飛来地だそうですね.ドキュメンタリーの内容は,その中心部にある公園に住み着いた,羽を骨折し飛べなくなった二羽の白鳥が,つがいになり,子育てをし,親離れをさせるまでの経過を撮影したものでした.また,この白鳥らの保護のあり方などをめぐって,関わる人間たちを取材していました.
(最初から観たわけじゃないので,ちょっと抜けているかもしれません)
***************
「生まれてもいいですか?」というタイトルは,いくらなんでも,ちょっと大仰に感じます.いくら親鳥が羽を骨折し飛べなくなったとしても,雛に遺伝することはないですよね.だから,何でだろうと思いながら観ていました.
その答えは番組の中盤あたりに出てきました.それは,このつがいの種が,最初は同じだろうと思っていたところ,よく観察してみると,オスがオオハクチョウで,メスがコハクチョウだったというのです(逆だったかもしれません^^;;)
オオハクチョウとコハクチョウは生息地が違い,自然界であれば,ほぼ巡り会う可能性のない種なんだそうです.つまり,二羽の間に生まれた雛は,これまでに存在し得なかった遺伝子を持っている可能性があるということでした.例えると,なんと,人間とチンパンジー,人間とゴリラが結婚したようなものだとか...
二人の専門家が意見を述べていました.危惧派と容認派です.
危惧派の話は,自然界に起こりえないことを起こすことは,生物の多様性を壊す危険因子であるということでした.容認派の話は,これは人間が人工的に(つまり工業製品のように)創り出したケースではないのだから問題ないというものでした.
かなり,興味深いテーマというか,お題ですね.番組では,ここに多くの時間は割いていませんでしたが(そのわりにはタイトルは,これを示唆しているのだと思いますが)ここから,何時間でも,サイエンスカフェが出来そうって思いました^^;;;
***************
まぁ,そんな人間たちの論争をよそに,親鳥はしっかりと子育てを続け,ボランティアの方々に見守られながら,雛はすくすくと成長しました.市はこの親子たちを見守り保護することに決めたようでした.
生態系を厳密に考えると有り得ないことなのでしょうが,ワタシはとりあえずホッとしてしまいました.
番組のHPで紹介されていますが,子どもたちに,飛行訓練(羽の広げ方や水面の駆け方など)をしていた父親鳥が,自身のリハビリになったのか,ほんの数メートルですが飛行したシーンはほんとうにほんとうに感激でしたよ!
んで,今回,気づいたっていうか,知ったんですが,ハクチョウってかなり可愛い顔してますし...もう,涙うるうる..鼻ずるずる...でした...^^;;;
P.S. 「NNNドキュメント’06 」の予定を見てみると,どれも興味あるテーマがラインナップされていて見逃せませんね... 興味の幅,広すぎっ!でしょうか^^;;;
ハクチョウの保護に関連して,COMPLEX CATさんが興味深いエントリーをアップしておられます↓
http://complexcat.exblog.jp/6039158
一つには,ものを作ったり教えたりする立場にある,行政官や学校の先生の自然体験が貧困な上,自然科学の知識や感性が混乱していることによると思いますが,彼らだって市民の一部であり,彼らだけのせいではないでしょう。でも,徐々に変わりつつあります。そういう意味では若い世代に期待しています。